接触の有無を検出するユーザインターフェースの1つとして静電容量センサがあります。静電容量センサは、電極と人の指などとの間に発生する静電容量の変化から接触を検知します。静電容量センサはスイッチとして用いられることが多く、機器によって多数のスイッチやスイッチマトリクスが必要な場合があり、このような場合には、複数のチャネルを持った静電スイッチコントローラICが便利です。
業界トップクラスのノイズ耐性と高感度を備えた、スイッチ操作向け静電スイッチコントローラIC
ローム独自の容量検出回路により、高いノイズ耐性と高感度の両立を実現した、静電スイッチコントローラICです。微小容量値変化を安定して検出可能なため、厚い筐体を通しても指の接触を安定して検知可能です。
静電スイッチコントローラICの機能と動作
シリーズから、BU21072MUVとBU21078MUVを例として説明します。
BU21072MUV、BU21078MUVは、静電容量を検出するAFE(Analog Front End)、検出容量をデジタル検出値に変換するA/Dコンバータ、検出値を処理するMPU、PWM対応LEDコントローラ、I2Cシリアルバスホストインターフェース、パワーオンリセット、クロック発振回路、内部電源用LDOを内蔵しており、3.0V~5.5V単一電源で動作します。
スイッチのオンオフと/長押しを検出した結果はレジスタに保持され、レジスタ更新時にINT端子によりHOSTへ更新を通知します。また、検出結果をもとに、温度ドリフト、外来ノイズを検知し、自動キャリブレーションを実施します。HOST側での温度ドリフト、外来ノイズの判定が不要になることで、HOSTの負担を低減します。LED端子はPWMの適用が可能で、フェードイン/フェードアウトといった調光制御が可能です。
■独立スイッチ
1個のセンサを1つのスイッチに割り当てる使い方です。ON/OFF/長押しの検出レジスタがあります。複数スイッチの同時押しが可能です。使用しないスイッチはマスクすることができます。
■マトリクススイッチ
複数センサをマトリクス状に配置した交点を、1つのスイッチとして割り当てる使い方です。ON/OFF/長押しの検出レジスタがあります。マトリクススイッチは同時押しには対応していません。使用しないスイッチはマスクすることができます。BU21072MUVは最大4×4の16スイッチ、BU21078MUVは最大6×6の36スイッチのマトリクスを構成することが可能です。
■自動キャリブレーション
温度ドリフト、外来ノイズを検知すると、自動でキャリブレーションを実施し、常に安定した検出値を得られるようにします。
■PWM対応LEDコントローラ
アクティブHのLEDコントローラです。PWMの立ち上り時間設定は4種類の設定が可能で、LEDごとに設定を割り当てることができます。
品名 | 電源電圧 (V) |
静電 スイッチ |
LED 駆動端子 |
LED_PWM 制御 |
マトリクス 制御 |
インタ フェース |
MCU 内蔵 |
プログラム メモリ |
間欠 動作 |
パッケージ |
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BU21170MUV | 3.0~5.5 | 5ch | 5ch | あり | - | I2C | 32bit | ROM | なし | VQFN020V4040 |
BU21072MUV | 3.0~5.5 | 10ch | 6ch | あり | 4×4 | I2C | 32bit | ROM | なし | VQFN024V4040 |
BU21078MUV | 3.0~5.5 | 12ch | 8ch | あり | 6×6 | I2C | 32bit | ROM | なし | VQFN028V5050 |
BU21078FV | 3.0~5.5 | 12ch | 8ch | あり | 6×6 | I2C | 32bit | ROM | なし | SSOP-B28 |
BU21079F | 3.0~5.5 | 8ch | - | なし | 4×4 | I2C | 32bit | ROM | あり | SOP16 |
BU21077MUV | 2.7~5.5 | 8ch | - | なし | 自由に 設定可能 |
I2C | 32bit | ROM | あり | VQFN020V4040 |