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最大1Wのワイヤレス給電チップセット「ML7661/ML7660」

ウェアラブル機器向け、業界最小クラス
ワイヤレス給電とNFC通信を併用可能

注目ワード
  • ウェアラブル機器向け
  • 最大1Wのワイヤレス給電
  • 「ML7661」(送電側)
  • 「ML7660」(受電側)
  • 業界最小クラス
  • 安全性
  • 長時間装着
  • Qi規格システムサイズでは搭載が困難だった機器への搭載
  • 13.56MHzの周波数帯
  • NFCの非接触通信機能
  • 回転部分に搭載されるセンサとの通信と電力供給が可能
  • 最大1W
  • 8mm×8mmのアンテナ
  • 電力伝送に13.56MHzの周波数帯を採用
  • 有線システムでは実現が困難
  • NFC
  • マイコンレス
  • 部品点数削減
  • 開発工数も削減
  • 評価キット
  • 技術資料

ロームグループのラピステクノロジーは、ウェアラブル機器向けに、最大1Wのワイヤレス給電が可能なチップセットML7661」(送電側)ML7660」(受電側)を開発しました。送受電に必要な制御回路を内蔵したことで外付けマイコンが不要で、1W給電クラスでは業界最小クラス*のシステムサイズを実現しています。 *2021年10月 ラピステクノロジー調べ

最大1Wのワイヤレス給電チップセットML7661/ML7660のパッケージ

近年、小型電子機器、中でも特に小型医療機器の感電に対する安全性が強く要求されています。ワイヤレス給電は電源コネクタを必要としないことから、密閉型の筐体で防水・防塵性能を高めつつ、感電に対する安全性を向上させることが可能なので、ワイヤレス充電化のニーズが高まっています。

ML7661/ML7660は、リストバンド型血圧計やスマートウォッチ、補聴器など、長時間装着を想定したバッテリー容量の大きいウェアラブル機器に最適で、Qi規格のシステムサイズでは搭載が困難だった機器への搭載が可能になります。

最大1Wのワイヤレス給電チップセットML7661/ML7660。アプリケーションサイズと給電量の関係、およびワイヤレス給電仕様の比較

また、13.56MHzの周波数帯を採用により、同じ周波数帯を使用するNFCの非接触通信機能も備えています。1つのチップセットでワイヤレス給電と通信ができるため、産業機器やPCの冷却用ファン、E-bikeのトルクセンサなど、従来の有線システムでは実現できなかった、回転部分に搭載されるセンサとの通信と電力供給が可能になります。

ML7661/ML7660は、すでに実績のある給電量200mWのワイヤレス給電チップセット「ML7631/ML7630」の、1Wバージョンの位置づけになります。

<1Wワイヤレス給電チップセット「ML7661/ML7660」のキーポイント>

  • ウェアラブル機器向け1Wワイヤレス給電チップセット
  • ヒアラブル機器向け0.2Wワイヤレス給電チップセットML7631/ML7630の給電量増強バージョン
  • 1W給電クラスでは業界最小クラスのシステムサイズを実現
  • Qi規格システムサイズでは搭載が困難だったウェアラブル機器への搭載が可能
  • 送受電に必要な制御回路の内蔵により外付けマイコン不要
  • ワイヤレス充電とNFC非接触通信機能により、有線では困難だった回転系機器での活用も期待される。

ML7661/ML7660の特長

◆最大1Wのワイヤレス給電を業界最小クラスのシステムサイズで実現

ML7661/ML7660は、必要給電量に応じた送電電力の最適化制御により、LSI自身の発熱を抑制することで最大1Wのワイヤレス給電を可能にしています。これは、ウェアラブル機器に搭載されている一般的なワイヤレス給電システムの2倍の給電量となり、一般品より給電時間の短縮が可能になります。

また、ワイヤレス給電システムのサイズに及ぼす影響が大きいアンテナは、ML7661/ML7660が電力伝送に13.56MHzの高周波数を採用しているため小さくて済みます。一般品は数100kHzの周波数を使用しているものが多く、先に比較に上げた0.5W品はおおよそ10mm×10mmのアンテナを必要としますが、ML7661/ML7660は8mm×8mmのアンテナで済みます。

さらに、送受電に必要な制御回路と、I2CインタフェースおよびSPIインタフェースの通信プロトコルを内蔵しているため、これらのインタフェースを搭載するデジタルセンサ等を、マイコンを使わずに制御することができます。小型アンテナとマイコンが不要になることで、給電量が半分の0.5Wクラスの一般品と比較しても、システムサイズを30%削減可能です。

最大1Wのワイヤレス給電チップセットML7661/ML7660と一般品のシステムサイズと給電量の比較

◆ワイヤレス給電とNFC非接触通信の併用で、有線では困難だった回転系機器の給電と制御が可能に

ML7661/ML7660は、ワイヤレス給電の電力伝送に13.56MHzの周波数帯を採用したことにより、同じ13.56MHzを使用する近距離無線通信規格NFC(Near Field Communication)での非接触通信が可能になっています。ワイヤレス給電と非接触通信の両方ができるため、例えば産業機器やPCの冷却用ファン、E-bikeのトルクセンサなどの、有線システムでは実現が困難だった、回転部分に搭載されるセンサなどに電力供給と通信の両方が可能になります。

最大1Wのワイヤレス給電チップセットML7661/ML7660。ワイヤレス給電とNFC通信の併用で、有線では困難だったアプリケーションへの展開が可能

◆マイコンレスのシステム構築により開発工数を削減

ML7661/ML7660は、給電効率を上げるための送電量調整と、二次電池仕様に合わせた温度しきい値等のパラメータ設定のみで、マイコンを使わずに簡単にワイヤレス給電システムを構築できます。また、I2CとSPIインタフェースや搭載しているので、これらのインタフェースを搭載するデジタルセンサ等の制御もマイコンレスで可能です。その結果、システム制御用マイコンとソフトウェアの開発が不要となるため、部品点数削減による小型化に加えて開発工数も削減できます。

ML7661/ML7660の主な特徴と機能ブロック図

項目 ML7661 ML7660
機能 13.56MHzワイヤレス給電送電LSI 13.56MHzワイヤレス給電受電LSI
特徴
  • ・送電に必要な機能を1チップで実現
  • ・ワイヤレス給電プロトコル自動実行
  • ・送電出力レベル設定
  • ・受電デバイスの脱着検出
  • ・送電受電間の異物検出
  • ・I/F:SPI、I2C、UART
  • ・496Byte Data Flash
  • ・6ch 10ビットA/Dコンバータ
  • ・受電機能とTag機能を1チップで実現
  • ・1W、給電効率50%出力
  • ・ワイヤレス給電プロトコル自動実行
  • ・電流、電圧、温度監視機能
  • ・NFC Forum Type3 Tag非接触通信
  • ・I/F:SPI、I2C、UART
  • ・496Byte Data Flash
  • ・4ch 10ビットA/Dコンバータ
電源 5V アンテナ磁界からの生成電圧で起動
動作温度 -40℃~+85℃ -40℃~+85℃
パッケージ 40pin WQFN(6.0mm×6.0mm×0.8mm)
  • ・30pin WL-CSP(2.28mm×2.61mm×0.48mm)
  • ・32pin WQFN(5.0mm×5.0mm×0.8mm)
機能ブロック

最大1Wのワイヤレス給電LSI送電側ML7661の機能ブロック図

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最大1Wのワイヤレス給電LSI受電側ML7660の機能ブロック図

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応用分野

  • ・医療クラス2までの医療向けウェアラブル機器:補聴器、リストバンド型血圧計
  • ・ウェアラブル機器:スマートバンド、スマートグラス、スマートウォッチ
  • ・回転系機器:スマートベアリング、冷却FAN、E-bike向けトルクセンサ

最大1Wのワイヤレス給電チップセットML7661/ML7660の応用分野

関連情報

◆開発サポート
ML7661/ML7660の評価を簡単に開始できる評価キットが用意されています。また、PCからユーザー個別の設定ができるコンフィグレーションツールやアンテナデザイン、アンテナ調整に関する技術資料も提供可能です。評価キットおよび開発サポートに関しては、個別にお問い合わせください。詳細は下記URLを訪問願います。
https://www.lapis-tech.com/jp/semicon/wpt/landing/ml7660_61.html

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