2021.07.27
・ROHM Solution SimulatorのWaveform Viewerは、回路図表示領域での表示に加え別ウィンドウでも表示可能。
・Waveform Viewerでは、各種解析や演算機能を備えたWaveform Analyzerが利用できる。
・Waveform Viewerでは、Simulation Resultsを波形表示エリアにドラッグ&ドロップ、もしくはダブルクリックで表示できる。
・表示方法は、個別と重ね合わせのどちらでも可能。
・表示波形の拡大・縮小操作はWaveboxと同じ。
・表示した波形を消去は、個別に消す方法とすべての波形を一括で消去する方法がある。
・Waveform Analyzerは各種解析・演算機能を備えている。
・Waveform Analyzerでは対象と機能を選択するだけで簡単に各種解析ができる。
先に説明したWaveboxに続いて、もう1つのシミュレーション結果表示ツールWaveform Viewerの操作方法を説明します。この記事に直接入られた方は、「シミュレーション回路の起動」を参考に、例題のシミュレーション回路を起動させてください。以下のリンクからも直接起動できます。
https://www.rohm.co.jp/solution-simulator/buck_converter_vo250v_io20a なお、操作方法などの確認を急ぐ場合は、「ハンズオンユーザーズマニュアル(PDF)」をご利用ください。
先に説明したWaveboxは、プローブを当てたノードの波形を回路図表示領域に表示するボックスですが、Waveform Viewerは別ウィンドウに波形を表示することが可能で、各種解析や演算機能を備えたWaveform Analyzerが利用できます。
Waveform Viewerは、回路図表示領域の下の方にある開閉アイコン(図1、赤色四角囲み部)を左クリックすると、回路図表示領域内に開きます(図2)。表示するノードが選択されていない場合は、ブランクのグラフが表示されます。Waveform Viewerが開いた状態で開閉アイコンをクリックすると、Waveform Viewerが閉じます。
Waveform Viewerが開いた状態で、Waveform Viewer内の右端にあるShow Viewer in a new windowアイコン(図2、青色四角囲み部)を左クリックすると、別の新しいウィンドウが開きます(図3)。別ウィンドウを開くと、回路図表示領域にあったWaveform Viewerは非表示になります。別ウィンドウは一般のウィンドウと同じように拡大・縮小などができます。ウィンドウ内の青色四角囲み部のPin Viewer to schematicアイコンを右クリックすると、Waveform Viewerが回路図表示領域に戻ります。
Waveform Viewerの画面構成はシンプルです。図3が示すように画面に左側にSimulation Results(赤枠①)、右側にはWaveform Analyzerのアイコン(赤枠②)が表示されます。Simulation Resultsはシミュレーション結果で、表示されている配線や部品名を選択するとその部分の波形を表示することができます。Waveform Analyzerは各種解析・演算機能を提供しています。詳細は後述します。
それでは実際にWaveform Viewerを使って波形を表示してみましょう。
●例:インダクタu1の電流i(p1)、MOSFET xQ1のソース電圧ノードnet75、出力電圧ノードnet66の波形を表示する
準備として例題のシミュレーション回路を起動し、先に説明したようにWaveform Viewerを開いて、別ウィンドウに展開してください。
最初にインダクタu1の電流i(p1)を表示します。左側に表示されているSimulation Resultsの中からu1を探し左クリックしてu1を展開し、i(p1)にマウスのカーソルを当てます。すると、図4左側の画像のようにi(p1)が緑のハイライトになるのと同時に、回路図の該当部も緑色になるので正しく選択されているかを確認できます。そして、i(p1)をブランクのグラフにドラッグ&ドロップ、もしくは左ダブルクリックすると、i(p1)の波形が表示されます(図4右側)。
後は同じ要領でMOSFET xQ1のソース電圧ノードnet75と、出力電圧ノードnet66を表示します。表示には、それぞれ別のグラフに表示する方法と、1つのグラフに複数の波形を重ねて表示する方法があります。
個別に表示するには、波形表示エリアの外にドラッグ&ドロップするか(図5)、ダブルクリックをしてください。同じグラフ内に重ねて表示する場合は、その波形表示エリアにドラッグ&ドロップしてください。図5は、最初に表示させたi(p1)のグラフに出力電圧ノードnet66を重ねて表示させ、MOSFET xQ1のソース電圧ノードnet75は個別に表示させた例です。
Waveform Viewerの波形の拡大・縮小の操作はWaveboxと同じです。拡大は、左クリックしながら波形の拡大したい範囲を指定します(図6の赤枠部分)。どれか1つの波形を拡大すると他の波形も同様に拡大されます(図6)。拡大した波形を元に戻すには、グラフ上で右クリックをするとメニューが表示されるので、そこでView Allを選択すると全体波形に戻ります。
Waveform Viewerに表示した波形を消去は、個々の波形を消す方法と、表示されているすべての波形を一括で消去する方法があります。
個々の波形を消去するには、波形図右側に表示されている凡例を右クリックします。開いたメニューのDelete Waveformを選択するとその波形だけが消えます。図7はnet66(赤)だけを消去した例です。
すべての波形を一括で消去するには、任意の波形を右クリックすると現れるメニューのClear Windowを選択します。
Waveform Analyzerは各種解析・演算機能を備えています。Waveform Analyzerの起動は、画面右上にあるWaveform Analyzerアイコンを左クリックします(図9上)。Waveform Analyzerの機能ウィンドウが開きます。Waveform Analyzerウィンドウに下部に各機能を開くタブがあり、Level、Time-Domain、Calculator、Transformations、Trigonometricの5つのオペレーションがあります(図9下)。
Waveform Analyzerの使用例として、周波数を表示する例を示します。図9は最初の例で表示した、u1のi(p1)とnet66、net75が表示された状態です。この中のnet75のスイッチング波形の周波数を表示させます。
わかりやすいようにnet75の波形を拡大し、Waveform Analyzerを起動させます。どちらが先でも構いません。次に、Waveform AnalyzerウィンドウのTimeタブ(図10 ①)をクリックしてTime-Domain Operationを選び、表示されたメニューからFrequency(図10 ②)を選択します。すると、図10 ③がFrequencyに変わり、図10 ④には現状表示させている波形名が表示され選択できるようになるので、その中からnet75を選びます。そして、緑の▶をクリックすると解析が実行され、net75の波形図に周波数が表示されます(図11)。
表示された周波数のテキストを右クリックすると、表示テキストのコピーと表示の削除ができます。
ローム主催セミナーの講義資料やDCDCコンバータのセレクションガイドなど、ダウンロード資料をご用意いたしました。
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