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2021.03.30 シミュレーション

PFC回路:インダクタンス調整

PFC回路の最適化

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PFC回路:インダクタンスの調整

PFC回路の諸条件を変更した場合に、インダクタ電流のリップル率の調整が必要になる場合があります。ここでは一例として、インダクタのインダクンスを適切な値に調整する方法を示します。動作モードはCCM(電流連続モード)を前提とします。

回路例

回路は、前セクション「Solution CircuitのPFCシミュレーション回路」で説明した、Power Device Solution Circuit/AC-DC PFCの一覧にあるシミュレーション回路「A-4. PFC CCM Vin=200V Iin=2.5A」を例にします(図3参照)。回路図はWebページ一覧の該当の「Schematic Information」のアイコンをクリックすると詳細を確認できます。直接のURLはこちらです。

この例では、図3の黄色ボックス部の条件を変更した場合に、インダクタ電流のリップル率を適切な値にするためにインダクタのインダクタンスを調整し、その結果をシミュレーションを利用して確認します。

ROHM Solution SimulatorのPower Device Solution Circuit PFCシミュレーション回路「A-4. PFC CCM Vin=200V Iin=2.5A」および変更条件
図3:PFCシミュレーション回路「A-4. PFC CCM Vin=200V Iin=2.5A」および変更条件

インダクタンス調整前のリップル率

図4に条件変更後のインダクタンス調整前(デフォルト値:1mH)のインダクタ電流ILをシミュレーションした結果を示します。この状態でのピーク値は IL_peak≈3.7A になっています。

インダクタンスL調整前(デフォルト値:1mH)のインダクタ電流IL
図4:インダクタンスL調整前(デフォルト値:1mH)のインダクタ電流IL

入力電流のピーク値は Iin_peak=√2×Iin≈2.82A なので、これらからリップル率Mを計算すると以下のようになります。

リップル率は30%未満に設定するのが一般的なので、この場合インダクタンスLを調整してリップル率を下げる必要があります。

インダクタンスの調整

インダクタンスLは、一般的に以下の式で求められます。

η=0.95、リップル率Mを30%(0.3)にした場合のL値を計算すると以下のようになります。

計算結果からL値を2mHに変更して再シミュレーションを実施すると、図5が示すようにインダクタ電流のピークは Iin_peak≈3.4A になります。よってリップル率は M=(3.4-2.82)/2.82≈20.6% になり、目標の30%未満になることが確認できました。

インダクタンスLを2mHに調整した場合のインダクタ電流IL
図5:インダクタンスLを2mHに調整した場合のインダクタ電流IL

キーポイント:

・PFC CCM回路において動作条件を変更した際に、インダクタンス調整によりインダクタ電流のリップル率を適正化する例。

・適正なリップル率になるインダクタンスを算出し、シミュレーションを実施して検証を行う。

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