ステッピングモータ|基礎編

ステッピングモータの基本特性

2019.05.28

この記事のポイント

・引き込みトルク特性は、起動トルク特性とも呼ばれ、停止状態のモータが起動できる周波数(パルスレート)と負荷トルクの関係を示している。

・引き込みトルク曲線内の領域は「自起動領域」と呼ばれ、起動、停止、逆転が可能な領域。

・負荷トルクがゼロ=モータを起動できる限界になる周波数を「最大自起動周波数」と言う。

・脱出トルク特性は、連続特性、スルートルク特性とも呼ばれ、自起動後に負荷トルクを増加していったときに、回転を継続できる周波数を示しているおり、引き込みトルク特性より高い値になる。

・モータが連続動作できる限界を「最大連続動作周波数」と言う。

・引き込みトルク特性および脱出トルク特性ともに、パルス周波数が高くなると負荷トルクは低下する。

・ホールディングトルクは、通電状態で停止しているときに外から力が加わっても停止位置を保持しようとする力。

・引き込みトルク特性と脱出トルク特性は、励磁方法と駆動回路によって違ってくる。

今回は、ステッピングモータの基本特性について説明します。

ステッピングモータの基本特性

この図は、ステッピングモータのトルクと速度の関係を示したものです。縦軸がトルク、横軸はパルスレートです。パルスレートは駆動用パルスの周波数のことで、ステッピングモータでは周波数:Hzの代わりにパルスレート:pps(pulses per second)を使うのが一般的です。青の曲線は「引き込みトルク特性」、黄色は「脱出トルク特性」を表しています。

ステッピングモータの基本特性

以下、各特性の説明です。

■引き込みトルク特性
引き込みトルク特性は、起動トルク特性とも呼ばれ、停止状態のモータが起動できる周波数(パルスレート)と負荷トルクの関係を示しています。引き込みトルク曲線内の領域は「自起動領域」と呼ばれ、起動、停止、逆転が可能な領域です。また、負荷トルクがゼロ=モータを起動できる限界になる周波数を「最大自起動周波数」と言います。グラフが示すように、周波数が高くなるに連れ起動可能な負荷トルクは低下します。

■脱出トルク特性
脱出トルク特性は、連続特性、スルートルク特性とも呼ばれます。自起動後に負荷トルクを増加していったときに、回転を継続できる周波数を示しています。したがって、引き込みトルク特性より高い値になります。モータが連続動作できる限界を「最大連続動作周波数」と言います。引き込みトルク特性同様に、脱出トルク特性もパルス周波数が高くなると負荷トルクは低下します。

■ホールディングトルク
ステッピングモータは、通電状態で停止しているときに外から力が加わっても、ロータとステータ間の吸引力によって停止位置を保持しようとします。この保持力をホールディング(保持)トルクと呼びます。上図では、動作周波数(パルスレート)がゼロ、つまり停止状態のトルクとして示されています。

ちなみに、ステッピングモータのトルクが動作周波数が高くなると低下するのは、巻線のインダクタンスによって高周波数では電流が流れにくくなるためです。

また、ステッピングモータの引き込みトルク特性と脱出トルク特性は、励磁方法と駆動回路によって違ってきます。したがって、ステッピングモータの特性検討には、駆動方法と回路を含めた全体的な評価が必要です。

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