2021.02.09
・位相シフトフルブリッジ(PSFB)回路は、スイッチング素子がゼロ電圧スイッチング(ZVS)動作をすることにより、スイッチング損失を大幅に低減できるため、より大きな電力を扱うことが可能。
・PSFBのスイッチング回路は基本的に4個のスイッチング素子(MOSFET)からなり、ZVS動作に必要な共振用インダクタとしてトランスの漏れインダクタンスを利用する。
・ZVS動作の範囲拡張のためトランスと直列にインダクタを付加する場合もある。ここでは付加された回路を想定。
・基本のスイッチングは、Q1とQ2がON/OFF状態を入れ替えた後、ある位相遅れをもってQ3とQ4がON/OFF状態を入れ替える。
・一般に、Q1とQ2のレグを「進みレグ」、Q3とQ4のレグを「遅れレグ」と呼ぶ。
最初に、PSFB回路の基本構成を示します。この基本構成がイメージできていると、以降の回路動作も理解しやすくなります。
PSFBの特徴の1つであるZVSを実現するため、共振用インダクタとしてトランスの漏れインダクタンスを利用しますが、ZVS動作の範囲を広げるためトランスと直列にインダクタを付加する場合もあります。ここでは、その直列付加インダクタLSが使用される回路を想定します。
続いて、各スイッチのON/OFFタイミングチャートを示します。図の下部、両矢印の下に示されている数字は、回路動作モードを表すラベルです。後の回路動作の説明で使うモード番号は、これに一致します。
チャートが示すように、Q1とQ2がON/OFF状態を入れ替えた後、ある位相遅れをもってQ3とQ4がON/OFF状態を入れ替えます。このことから一般的に、Q1とQ2のレグを「進みレグ」、Q3とQ4のレグを「遅れレグ」と呼びます。
ローム主催セミナーの講義資料やDCDCコンバータのセレクションガイドなど、ダウンロード資料をご用意いたしました。
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