SiCパワーデバイス|応用編

測定箇所の選定

2022.06.14

この記事のポイント

・波形の測定箇所によって、観測される波形が実際のものと異なる場合がある。

・測定箇所は理想的にはできるだけDUTの近くで、端子の根本がベスト。

SiC MOSFETゲート-ソース間電圧測定:測定箇所の選定

次に注意しなければならないのは、DUTの測定箇所です。

実際にDUTの波形観測をする場合、測定しやすい箇所にプローブ等を取り付けてしまう場合が多いと思います。これは、DUTには通常ヒートシンク等が取り付けられおりDUTの端子を直接測定するのが困難な場合や、スルーホール実装でPCB裏面に突き出したDUTのリードをテストターミナルのように使ってしまう場合です。そのため、測定できる箇所は製品の構造に大きく影響され、必ずしも最適な箇所を測定できるとは限りません。この影響を確認するために、以下の3箇所(cとdは場所は同じ)で測定し比較します。図9に測定箇所のイメージを示してありますので参照してください。

(a) DUT端子のパッケージ直近部(端子根本)
(b) DUT端子のPCBはんだ部分
(c) PCBにはんだ付けしたチェック端子
(d) PCBにはんだ付けしたチェック端子+より線+100Ω

測定箇所。
図9. 測定箇所

(a)はDUTの端子の最短部、(b)は基板はんだ面の端子はんだ付け部測定した場合、(c)はDUTの近傍にあらかじめ用意されているチェック端子です。(d)は(c)と同じ場所ですが、より線をはんだ付けし、プローブヘッド部を主回路から離した場合です。

図10に観測した各波形示します。測定箇所の違いによりサージ波形に大きな違いが発生していることが分かります。

測定箇所による観測波形の比較。
図10. 測定箇所による観測波形の比較

(a)はDUTに最も近い箇所を測定しているので安定した波形が観測されています。(b)はDUTの端子根本から測定点までの間に若干距離があるため、その分で発生した起電が含まれた波形が観測されています。そのためサージの極性が(a)とまったく逆になっています。(c)と(d)はDUTからチェック端子までの薄膜配線によって閉経路が形成されているため、ノイズを含んだ波形になっています。これらの結果から、測定箇所はできるだけDUTの近傍であることが望ましいことがわかります。

【資料ダウンロード】シリコンカーバイドパワーデバイスの理解と活用事例

パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。

技術資料ダウンロード

シリコンカーバイドパワーデバイスの理解と活用事例

パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。