2020.03.31
・「SiC MOSFET:ブリッジ構成におけるゲート-ソース間電圧の挙動」を考察していくに当たって、MOSFETをブリッジ構成で使用する最も簡単な同期方式boost回路を例とする。
・例示回路の構成、動作、電圧・電流波形を理解する。
「SiC MOSFET:ブリッジ構成におけるゲート-ソース間電圧の挙動」を考察していくに当たって、今回はその前提となるブリッジ構成と動作に関する説明をします。
以下に示す回路図は、MOSFETをブリッジ構成で使用する最も簡単な同期方式boost回路です。この回路に使用されているSiC MOSFETのハイサイド(HS)とローサイド(LS)は交互にオンしており、HSとLSが同時にオンすることを防止するために、HSとLSが共にオフしているデッドタイムが設定されています。下右の波形が、そのゲート信号(VG)タイミングを示しています。
この回路におけるHSおよびLSのMOSFETのドレイン-ソース電圧(VDS)とドレイン電流(ID)の波形の概形を以下に示します。この波形は、インダクタLの電流が連続動作となる、いわゆるハードスイッチング状態を前提にした波形です。
横軸は時間を表し、時間領域Tk(k=1~8)の定義は各々以下の通りです。
次回からはこれらを前提に話を進めていきますので、このブリッジ回路の動作、そして電圧・電流の波形をイメージできるようにしてください。
パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。
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