2017.10.17
・MOSFET Q1は、この設計のテーマの1つであるSiC-MOSFETを使う。
・MOSFETの選定には、最大Vds、ピーク電流、オン抵抗による損失、パッケージの最大許容損失などを考慮する。
・IDの定格はIppk×2程度を目安に選定する。
・Vdsは式に則って算出する。
トランス設計が終わったので、電源ICのBD7682FJ-LBの周辺部品を中心とした部品選定に入ります。説明する部品の周辺回路を抜粋して提示しますが、回路全体をみることも必要なので、その際にはこちらを利用してください。
MOSFET Q1は、トランスの1次側をドライブするトランジスタで、この設計のテーマの1つである「SiC-MOSFET」になります。
MOSFETの選定には、最大ドレイン-ソース間電圧、ピーク電流、オン抵抗Ronによる損失、パッケージの最大許容損失などを考慮します。
低入力電圧時にMOSFETのオン時間が長くなり、Ron損失による発熱が大きくなります。SiC-MOSFETはRonが低いことが特徴で、この導通損失も小さいのですが、必ず実装基板および製品に組み込んだ状態で確認を行い、必要に応じてヒートシンク等による放熱を行ってください。
IDの定格はIppk×2程度を目安として選定します。Ippkは、トランス設計の②で0.66Aを求めてあります。
Vdsは、以下の式で計算します。
Vspikeは、計算での算出は困難です。したがって、経験則からスナバ回路の追加を前提にVdsが1700VのMOSFET選択します。この設計例では、ROHM製SiC-MOSFETのSCT2H12NY(1700V、1.15Ω、4A、44W)もしくはSCT2H12NZ(1700V、1.15Ω、3.7A、35W)を選択します。
以下に、例としてSCT2H12NYの最大定格を示します。他のパラメータおよび他の詳細は各データシートを参照してください。
AC/DCコンバータを理解し設計に進むための基礎内容がわかる資料をご用意いたしました。
AC/DC変換の基本から高電圧DC/DC変換の方式、そして設計手順概要や検討事項など、設計への導入が示されています。
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