2021.03.16
・Bluetooth 5の「2倍の通信速度」は、PHY仕様にデータレート2MbpsのLE 2M PHYが追加されたことによる。
・通信速度の向上によりデータの転送効率が改善でき、送信時間の短縮は平均消費電流の削減にも寄与する。
・Bluetooth 5 認証において、LE 1Mは必須、LE 2Mはオプションとなる。
・LE 2M PHYによる2MbpsのデータレートとData Length Extensions(DLE)の組合せで、最大1.4Mbpsのスループットが可能。
前回説明したように、Bluetooth 5では、「より高速、より遠くまで、より高精度に」がキーワードになっており、Bluetooth 4からの主な変更点は、「2倍の通信速度」、「4倍の通信距離」、「8倍の通知データ容量」、「高精度な方向検知機能」の4つになります。ここからは、各変更点の概要を説明していきます。今回は、1つ目の「2倍の通信速度」についてです。
Bluetooth 5の変更点①:2倍の通信速度
Bluetooth 5では、PHY仕様にLE 2M PHYが追加されました。LE 2Mは、変調方式に変更はありませんが変調速度を2倍にすることで2Mbpsのデータレートを実現しており、従来のLE 1Mに対して通信速度が2倍に向上しています。
通信速度が2倍に向上することにより、複数のセンサデータ収集やファームウェアアップデートなど大きなデータの転送効率が改善できます。また、データ転送速度の向上は送信時間の短縮につながるため、平均消費電流の削減にも寄与します。
Bluetooth 5 認証において、LE 1Mは必須となりますが、LE 2Mはオプションとなります。
スループットの向上
Bluetooth 5のLE 2M PHYによる2Mbpsのデータレートと、Data Length Extensions(DLE)の組合せで、最大1.4Mbpsのスループットが可能になります。
以下は、ペイロード長とデータレート、スループットの関係を示したグラフです。
また、Bluetoothのバージョンとペイロード長、スループットを以下に示します。
方式 | ペイロード長 | スループット | 備考 |
---|---|---|---|
Bluetooth 4.0/4.1 | 27octets | 0.305Mb/s | |
Bluetooth 4.2 | 251octets | 0.803Mb/s | |
Bluetooth 5 | 251octets | 1.4Mb/s | LE 2Mの場合 |
次回は、2つ目の変更点である「4倍の通信距離」に関する説明を予定しています。
ローム主催セミナーの講義資料やDCDCコンバータのセレクションガイドなど、ダウンロード資料をご用意いたしました。
ローム主催セミナーの講義資料やDCDCコンバータのセレクションガイドなど、ダウンロード資料をご用意いたしました。