2021.06.15
・Bluetooth 5の高精度な方向検知機能は、方位角測定法AoA(Angle of Arrival)とAoD(Angle of Departure )によって成される。
今回は、Bluetooth 5のBluetooth 4からの主な変更点の4つ目、「高精度な方向検知機能」についてです。
Bluetooth 5変更点④:高精度な方向検知機能
従来のBluetooth位置情報サービスでは電波強度を利用しています。受信信号強度の強弱により距離の推定が可能で、複数台のLocator(ロケーター)を組み合わせることで位置を推定できるようになります。ただし、電波強度は周辺環境(障害物、人体、水分)の影響や、アンテナの向きや種類により変化しやすく、適用するアプリケーションによっては精度が低いという課題がありました。
Bluetooth 5.1では、方位角検出のためのオプションとして、パケットフォーマットにConstant Tone Extension fieldが追加され、より高精度な位置情報サービスへの適用が可能になりました。方位角測定法には、AoA(Angle of Arrival)とAoD(Angle of Departure )があります。
AoAは、受信機側の複数のアンテナを切り替えて受信します。受信機側で受信した信号のIQサンプルから位相差を算出することで、受信波の入射角を推定します。
AoDは、送信機側の複数のアンテナを切り替えて送信します。受信機側で受信した信号のIQサンプルから位相差を算出することで、受信波の入射角を推定します。
AoAは送信機の構成はシンプルになりますが、受信機にはアンテナアレイとIQサンプリング機能の両方が必要になります。AoDには、送信機にアンテナアレイが、受信機にIQサンプリング機能が必要になります。
Bluetooth 5.1では、これらの機能を利用して高精度な位置検知が可能になり、条件にもよりますが従来は数mほどだった精度を数十cmに向上させることが可能です。
ローム主催セミナーの講義資料やDCDCコンバータのセレクションガイドなど、ダウンロード資料をご用意いたしました。
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