BD95601MUVおよびBD95602MUVは、近年の低電圧大電流といった電源仕様に対応するスイッチングレギュレータコントローラICです。高効率で多くの保護機能を備えるのはもちろん、高い精度と安定性を必要とするFPGAやCPUの電源として最適な性能を備えています。
ロームは、ザイリンクス7シリーズFPGAおよびZynq®-7000 All Programmable SoCの評価キットMini-Module Plus 用の電源モジュールを、アヴネット社と共同開発しました。アヴネット社は多くのザイリンクスFPGA評価キットを開発していますが、日本メーカーの電源モジュールの採用はローム製が初めてです。ロームが開発に加わったことにより、日本市場の要求が反映されています。この電源モジュールは、アヴネット社のMini-Module Plus開発システム用電源としてアヴネット・インターニックスから販売されており、全世界で販売およびサポートがなされています。
この電源モジュールは、ロームのスイッチングレギュレータコントローラICでシングル出力のBD95601MUVが 6個とデュアル出力のBD95602MUVが 1個の計7個で構成され、FPGAが必要とする8種類の出力電圧が用意されています。FPGA起動時の電源シーケンスに対応し、低電圧大電流出力において最大95%の高効率を達成しており、軽負荷時にも高効率を維持します。また、1%の出力電圧精度と負荷過渡応答が非常に高速であるため高い安定性が得られています。
FPGAを使用したシステム開発には、評価キットを利用するのが常套手段になっています。電源に関しては、FPGAメーカーのリファレンスデザインをもとに設計することも可能ですが、この様な電源モジュールを利用して評価を行いモディファイして実機に利用することで、設計の負荷を軽減することができ市場投入までの時間を短縮することができます。
「BD95601MUV」と「BD95602MUV」は、もちろんリファレンスデザインにもなっていて、ロームから単体販売されています。高性能でありながら汎用性が高く、FPGAだけではなく広範なアプリケーションに利用可能なスイッチングレギュレータコントローラICです。
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