近年のモータには、他の電子機器同様にインテリジェント化、小型化、高効率化の要求が高まっています。これは、世界の電力需要の50%近くがモータ駆動に使用されており、これらの要求への対応は必須となっています。
BD9227Fは、MCUが生成するPWM信号に応じて出力電圧を線形制御することで、従来のディスクリート部品構成では困難であった高精度で、DCファンモータの回転速度を制御可能な業界初*の電源ICです。IC化による制御の最適化により大幅な効率向上を図り、同様に部品点数削減とスイッチングの高速化による周辺部品の小型化によって、実装面積を大幅に削減することが可能です。 (*2016年11月18日現在ローム調べ)
BD9227Fは20V入力、1A出力の非同期(ダイオード)整流PWM制御降圧コンバータで、DCファンモータ用電源に最適化されています。ハイサイドパワーMOSFETを内蔵しており、動作周波数は1MHz固定です。電流モード制御で位相補償が簡単で外付け部品が少なく、出力コンデンサにはセラミックが使用できます。また、過電流および過電圧保護、サーマルシャットダウン、低電圧ロックアウトを搭載し、パッケージは小型のSOP8です。以下に特長を示します。
BD9227F
【特長】
- ・広い動作入力範囲(Vcc):6V~20V
- ・出力電圧範囲:Vcc×0.25~Vcc
- ・20V/200mΩのパワーMOSFET内蔵
- ・動作周波数:1MHz(typ)固定
- ・高精度リファレンス:±1.0%(Ta=25℃)±2.0%(全温度範囲)
- ・最大出力電流:1A(max)
- ・電流モード
- ・過電流Hiccup保護
- ・UVLO、OVP、TSD保護
- ・動作温度範囲:-40℃~+85℃
【アプリケーション】
- ・DCファンモータ
- ・家電など
【パッケージ】
- 小型SOP8パッケージ:5.00mm×6.20mm×1.71mm
ディスクリート構成をIC化
従来、冷蔵庫などに搭載されるDCファンモータの電源は、ディスクリート部品で構成されることが主流でした。それをIC化することで、高精度制御、効率向上、部品数削減、高速動作<による周辺部品の小型化を実現しました。ディスクリート構成と比較して、効率は19%向上、実装面積は75%削減することが可能です。
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