ロームは、xEV車載充電器やDC/DCコンバータ向けに車載信頼性規格AEC-Q101に準拠したSiC MOSFET、「SCT3xxxxxHRシリーズ」に計10機種を新たに追加し、ラインアップを業界最多*の13機種としました。 *2019年3月5日現在 ローム調べ
xEVの航続距離延長のために車載充電器には高出力・高効率が求められている
こうした市場ニーズを踏まえ、ロームは車載信頼性規格AEC-Q101に準拠した製品ラインアップの拡充を図っています。今回、新たに追加した10機種は、ロームでは第三世代となるトレンチゲート構造を採用したSiC MOSFETです。第三世代SiC MOSFETは、第二世代プレーナ型SiC-MOSFETに比べ、オン抵抗を約50%、入力容量を約35%低減しています。これらの追加により、現在のAEC-Q101準拠ディスクリート製品のラインアップは、SiC SBD(ショットキーバリアダイオード)とSiC MOSFET合わせて34機種、業界トップとなっています。以下は、AEC-Q101準拠SiC MOSFETの全ラインアップです。個別の仕様確認には品名のリンクを利用願います。
<車載用AEC-Q101準拠SiC MOSFETラインアップ>
共通仕様:動作温度範囲-55℃~+175℃、TO-247Nパッケージ、AEC-Q101準拠
世代 (ゲート構造) |
品名 | VDS (V) |
オン抵抗(typ.) (mΩ) |
ID (A) |
PD (W) |
---|---|---|---|---|---|
第3世代 (トレンチゲート構造) |
![]() SCT3017ALHR |
650 | 17 | 118 | 427 |
![]() SCT3022ALHR |
22 | 93 | 339 | ||
SCT3030ALHR | 30 | 70 | 262 | ||
![]() SCT3060ALHR |
60 | 39 | 165 | ||
![]() SCT3080ALHR |
80 | 30 | 134 | ||
![]() SCT3120ALHR |
120 | 21 | 103 | ||
![]() SCT3022KLHR |
1200 | 22 | 95 | 427 | |
![]() SCT3030KLHR |
30 | 72 | 339 | ||
![]() SCT3040KLHR |
40 | 55 | 262 | ||
![]() SCT3080KLHR |
80 | 31 | 165 | ||
![]() SCT3105KLHR |
105 | 24 | 134 | ||
![]() SCT3160KLHR |
160 | 17 | 103 | ||
第2世代 (プレーナゲート構造) |
SCT2080KEHR | 1200 | 80 | 40 | 262 |
業界をリードするSiCパワーデバイスの開発と生産体制
ロームは2010年に世界で初めてSiC MOSFETの量産化に成功するなど、SiCパワーデバイスにおいて常に業界をリードする製品開発と量産体制を構築しています。需要が拡大する車載市場に対してはAEC-Q101対応など車載品質・信頼性を早期に確立し、2012年から車載充電器向けにSiC SBDを、2017年からは車載充電器やDC/DCコンバータ向けにSiC MOSFETの供給を行っています。
また、ロームでは品質第一の理念のもと、開発から製造までを一貫してグループ内で行う「垂直統合」システムを採用しています。SiCパワーデバイスにおいても、ウエハからパッケージングに至るまで自社一貫生産体制を構築し、高品質と高信頼性を実現しています。
今後も、車載用SiCパワーデバイスのラインアップは拡充が図られます。