2019年1月15日~17日に東京ビックサイトで開催されたカーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)に、ロームは各種車載アプリケーションに向けた多種多様な半導体デバイスの展示を行いました。その中から低ノイズを特長としたDC/DCコンバータソリューションを紹介します。
近年、車載電子電気機器は厳しいEMC要求を満足する必要があります。CISPR25はIECが策定した自動車向けのEMC規格で、現在、多くの自動車メーカーと車載機器メーカーが広くこの規格を適用しています。CISPR25では周波数帯域ごとにEMIの規制値が決められています。さらに5段階のクラスがあり、Class5が最も厳しい規制値となっています。
コモンモードフィルタなしでCISPR25 Class5をクリア可能な
車載向けDC/DCコンバータソリューション
以下の構成は、バッテリ(B+)から、車載電子機器が必要とする低電圧を生成可能なDC/DCコンバータソリューションです。Nano Pulse Control®を搭載したBD9P233MUF-Cは、車載要求の2.2MHzという高スイッチング周波数で、最大36Vから3.3Vの高降圧比1ステップ降圧が可能で、バッテリ電圧から3.3Vを生成しています。そして、その3.3Vから他のDC/DCコンバータが1.8V、1.5V、1.0Vに降圧しています。
前述したように、車載電子電気機器、またそれを構成する部品はCISPR25をクリアするのが必須の条件となっています。ノイズは事後対策では限界がありコストと時間を要する厄介なものです。事前対策として、低ノイズの部品選択と堅牢な基板レイアウト設計が重要になります。