RBxx8BM200およびRBxx8NS200は、超低IR(逆方向電流)で、200V耐圧を実現したショットキーバリアダイオード(SBD)の新製品です。150V耐圧のRBxx8シリーズの拡張ラインアップとして、今回8機種が追加されました。開発の背景としては、200V耐圧アプリケーションでの損失低減(高効率化)と小型化、そして、熱暴走耐性などの信頼性向上があります。
主なアプリケーションは、パワートレインなどの車載システム(xEVなど)、産業機器インバータ、各種電源などになります。
超低IR、200V耐圧ショットキーダイオードRBxx8BM200 / RBxx8NS200のポイント
ポイント1 |
車載でも実績の高い、高温対応150V耐圧RBxx8シリーズの200V耐圧バージョン。 |
ポイント2 |
一般品に比べIRを約90%低減することで200Vの高耐圧を実現。 |
ポイント3 |
高温でも超低IRを維持するので、SBDの課題である熱暴走の心配がない。 |
ポイント4 |
200V耐圧のファストリカバリダイオード(FRD)を代替可能で、約11%のVF(順方向電圧)低減により損失を削減。 |
ポイント5 |
VF低減により発熱も低減でき、ワンサイズ小さいパッケージが使用可能になり実装面積を約71%削減。 |
SBDのIRを低減し温度特性を大幅に改善
高温環境下で使用される電源や車載機器では、整流ダイオードやFRDをよりVFが低く損失=発熱が少ないSBDに置き換えたいという要望が高まっています。しかしながら、SBDは動作環境温度が高くなるにつれIRが増加する傾向があり、熱暴走の可能性があるという課題があります。
RBxx8シリーズは、高温動作に最適化されたバリアメタルを採用することにより、超低IRと良好な温度特性を実現したSBDシリーズです。新製品のRBxx8BM200 / RBxx8NS200は200V耐圧を実現したことにより、200V耐圧アプリケーションでもFRDを代替し、効率を改善しながら熱暴走の心配なく使用できます。
200V耐圧アプリケーションのFRDを代替し効率を改善
RBxx8BM200 / RBxx8NS200は200V耐圧を実現したことにより、200V耐圧が必要なアプリケーションのFRDをSBDに置き換えることが可能です。RBxx8BM200 / RBxx8NS200はFRDに対してVFを約11%低減できるので、損失を低減しアプリケーションの効率を改善します。
発熱低減により小型パッケージを採用して実装面積を削減
ダイオード部のVF低減により発熱を抑えることができるので、従来品に比べてワンサイズ小型パッケージでの設計が可能になります。
現状はTO-252(DPAK)とTO-263S(D2PAK)パッケージですが、ミドルパワーパッケージ品の開発も進めています。将来的にはFRDで使用していた5.9×6.9mmサイズから、2.5×4.7mmの小型パッケージに置き換えが可能で、実装面積を71%削減すること可能になります。
RBxx8BM200 / RBxx8NS200のラインアップ
新製品の200V耐圧品は現在8機種がリリースされています。RBxx8シリーズとしては全212機種をラインアップしています。