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小型大定格電力の電流検出用チップ抵抗器(シャント抵抗器)「GMR50」を開発

5.0×2.5mmサイズで
業界最高の定格電力4Wを実現

注目ワード
  • 電流検出用抵抗器
  • シャント抵抗器
  • 分流抵抗器
  • 抵抗値はミリオーム~数百ミリオーム台
  • 定格電力が大きくサイズが小さい
  • 精度(許容誤差)
  • 温度係数
  • 放熱性を大幅に向上
  • 表面温度の上昇を57%低減
  • 5.0×2.5mmの小型サイズ
  • 業界最高の4W
  • 39%実装面積を削減
  • 過電流負荷に対する製品の耐久性が高い
  • 5mΩという低抵抗値で0~+25ppm/℃という優れた抵抗温度係数(TCR)
  • 熱シミュレーション

ロームは先ごろ、5.0×2.5mmという小型サイズで業界最高*の定格電力4Wを保証した電流検出用チップ抵抗器(シャント抵抗器)「GMR50」を開発したことを発表しました。  *2019 年11月28日 ローム調べ

電流検出用抵抗器(シャント抵抗器)とは

電流検出用抵抗器(シャント抵抗器)とは電流検出のために用いる抵抗器で、電流検出用抵抗器とシャント抵抗器は基本的に同じ意味で使われています。従来シャント抵抗器は電流計に並列に入れる分流抵抗器の呼称でしたが、電流経路に直列に挿入し、抵抗による電圧降下から流れた電流値を求めるオームの法則に則った測定用の抵抗器もシャント抵抗と呼びます。様々なモータや電源回路での電流検出に利用され、Tech Webで取り上げているDC/DCコンバータ、AC/DCコンバータ、パワーデバイスで紹介している電源回路、電力変換回路でもよく使われる部品の1つです。

大きな電流値を検出する場合の電流検出用抵抗器の抵抗値はミリオーム~数百ミリオーム台と低いのが一般的です。これは、電圧降下を利用する関係上、例えば10Ωの抵抗器で5Aが流れた場合電圧降下は50Vになってしまい、5Vや12V系電圧で動作する回路では処理が大変になってしまいます。もし、100mΩであれば5A時の電圧降下は500mVとなり、低電圧回路で扱いやすい電圧が得られます。抵抗値は、検出する電流値と電圧降下の関係によって選ぶことになりますが、電圧降下=損失であることの考慮も必要になります。

もう1つの検討事項として定格電力があります。抵抗による電圧降下を利用する前提なので、抵抗値と流れる電流によって単純に抵抗器での損失電力が決まります。抵抗器の仕様には定格電力が示されており、使用条件にあった定格電力のものを選ぶことになります。一般に定格電力が大きくなると、抵抗器のサイズも大きくなる傾向にあります。しかしながら、近年の小型化要求にともなって、電流検出用抵抗器に対しても定格電力が大きくサイズが小さいことが求められます。

電流検出用抵抗器を使用する場合には、抵抗値、定格電流、サイズは重要な検討事項で、さらに精度(許容誤差)や温度係数なども加味する必要があります。

電流検出用抵抗器GMR50のポイント

  • ・5.0×2.5mmサイズで業界最高の定格電力4W(端子温度TK=90℃時)を保証
  • ・電極構造の見直しと素子設計の最適化により基板への放熱性を高めた
  • ・4W定格電力の一般品と比べて39%の実装面積削減が可能
  • ・過電流負荷に対する耐久性が高い
  • ・定格電力を超える負荷がかかった場合でも安定した電流検出精度を保つことができる
  • ・低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数を実現
電流検出用抵抗器(シャント抵抗器) GMR50

放熱性能を大幅に向上させ業界最高の定格電力を実現

電流検出用抵抗器の定格電力を引き上げ、かつ小型化を実現するには、抵抗器の温度上昇に対する長期信頼性を確保する必要があります。GMR50は電極構造の見直しと素子設計の最適化により、放熱性を大幅に向上しました。例えば5mΩ品を2Wで使用した場合、5025サイズの一般品に比べ表面温度の上昇を57%低減することが可能です。

GMR50の優れた放熱性によるメリット:低発熱、表面温度57%低減。

高定格電力でも小型で省スペース

GMR50は5.0×2.5mmの小型サイズでありながら、端子温度TK=90℃の場合の定格電力は業界最高の4Wを、端子温度TK=110℃の場合でも定格電力3Wを保証しています。従来の4W定格電力品よりワンサイズ小型なので、39%実装面積を削減でき省スペースです。

GMR50の端子温度と定格電力の関係。

優れた耐久性により安定した電流検出が可能

電流検出用抵抗器は、回路の天絡・地絡などにより大電流が流れた場合でも安定した電流検出ができることが理想的です。GMR50は放熱性に優れていることから、一般品と比較して過電流負荷に対する製品の耐久性が高く、定格以上の過電流が流れた場合でも抵抗値の変化が少ないため、安定した電流検出精度を保つことができます。

GMR50の過電流負荷試験の結果。

低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数を実現

GMR50は抵抗体金属に高機能合金材料を採用したことで、5mΩという低抵抗値で0~+25ppm/℃という優れた抵抗温度係数(TCR)を達成しています。周囲の温度変化の影響を最小限にして安定かつ高精度な電流検出が可能になります。

GMR50の各抵抗値における抵抗温度係数の変動。

熱シミュレーションをサポート

ロームでは熱シミュレーションなどの設計サポートを強化しています。現在使用している部品からGMR50に置き替えた際の温度上昇を事前に見積もることで設計での手戻りを少なくし、開発期間の短縮が可能です。

例えば、従来品(5025サイズ)では2個並列で使用する必要があった回路に対して、GMR50は1個でも従来品より表面温度上昇を抑制できることが確認できます。また、抵抗器に加えて電源IC、SiC MOSFETやIGBTなどの周辺部品を含めたシミュレーションによる熱設計サポートが可能で、総合半導体メーカーとしてのトータルソリューションを提供しています。

GMR50の温度上昇比較シミュレーション結果の例。

ラインアップ

5.0×2.5mmサイズの新製品GMR50と、ラインアップの6.4×3.2mmサイズのGMR100、開発中のGMR320の概要を示します。

品名 サイズ
略称
(mm)
<inch>
定格電力 抵抗値
許容差
抵抗
温度係数
TCR
(ppm/℃)※1
抵抗値範囲
(mΩ)
使用
温度
範囲
(℃)
GMR50 5025
<2010>
3W<110℃>
4W<90℃>
F
(±1%)
0~+25 5 -55

+170
★-65

+170
±25 10~220
(E24シリーズ)※2
GMR100 6432
<2512>
3W<110℃>
★ 5W<110℃>
★ 7W<70℃>
0~+25 5
±20 10~220
(E24シリーズ)※2

GMR320
7142
<2817>
7W<110℃>
10W<70℃>
0~+25 5
±25 10~100
(E24シリーズ)※2

☆ :開発中(抵抗値によって開発スケジュールが異なるので別途問い合わせください。)
★ :検証中
※1 :+20℃~+60℃
※2 :抵抗値ごとに開発スケジュールが異なるので別途問い合わせください。

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