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ロームは、2020年1月15日~17日に開催された、第12回[国際]カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)に出展しました。「CREATING THE FUTURE OF AUTOMOBILES 語ろう もっと クルマの未来を」をテーマに、ロームが車載向けに開発したパワーデバイス、オペアンプや電源IC、LEDドライバーなど、実用になっているものから近未来に向けたカーエレクトロニクスソリューションを展示しました。

個々の展示品のデモに加えて、自動車のコックピット型デモ機が展示され、近い将来自動車に搭載され安全性や利便性の発展に貢献するアイデアやソリューションが提示され、恒例となったエンジニアによるプレゼンテーションを含めて、多くのご来場者にお立ち寄りいただきました。

Tech Webピックアップアイテム

出力コンデンサ数を削減できる車載向け
セカンダリ降圧DC/DCコンバータ(開発中)

BD9S402MUF-Cは車載向けの降圧DC/DCコンバータICで、過渡応答を高速化したことで出力に必要な静電容量が従来品の半分で済みます。出力コンデンサは積層セラミック(MLCC)を使用でき、例えば22µF×4個を必要とした従来品に対し半分の22µF×2個で同等以上の過渡応答が得られます。

この高速過渡応答は、ローム独自のNano Cap™テクノロジーを応用したことで実現しました。Nano Cap™テクノロジーは、先ごろ発表され話題になった「出力コンデンサなしでも安定動作が可能なLDO」、そして今回展示紹介された全負荷容量で安定動作するEMARMOUR™対応「高速グランドセンスCMOSオペアンプ」に搭載されているテクノロジーです。

また、同様にロームの独自技術であるNano Pulse Control™が搭載されており、AMラジオへの干渉を考慮した2.2MHzの高速スイッチングにおいても、最小0.6Vまでの安定した降圧が可能で、さらなる高速スイッチングが必要になった場合にも対応が可能です。入力は2.7V~5.5Vで、5Vや3.3Vなどのシステム電圧から2.5Vや1.8Vなどに降圧することを目的としています。出力電流が0.6A、1A、2A、3A、4Aのバージョン展開が予定されています。車載対応品であるため、当然ながらAEC-Q100に準拠しています。

超小型SiCモジュールが走行中ワイヤレス給電インホイールモータの開発に貢献

ロームは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本博志准教授らの研究グループ、株式会社ブリヂストン、日本精工株式会社、東洋電機製造株式会社と共同で、道路からインホイールモータに直接、走行中給電できる「第3世代 走行中ワイヤレス給電インホイールモータ」を開発し、実車での走行実験に成功したことを2019年10月10日付けのニュースリリースで発表し、今回、インホイールモータのカットモデルと搭載されたSiCパワーモジュールが展示されました。


構成図

走行中ワイヤレス給電インホイールモータは、EVの充電に関する課題に対するソリューションの1つとして研究されているもので、EVの走行中充電が可能になると、(1)搭載するバッテリ容量を減らすことができ小さくなるのでEVが軽くなり、少ないエネルギーで走行できる、(2)同様の理由でEVの価格が安くなる、(3)バッテリの残量や充電時間を心配することなくEVに乗ることができる、というメリットが提唱されています。

また、今回の第3世代は以下を実現しています。この給電システムが適所に設置されると、EVの充電を心配することなく移動できるようになると発表されています。


SiCパワーモジュール
(左:前タイプ、右:新開発)

・モータ性能が軽自動車クラス(1輪あたり12 kW)であったのに対し、
 乗用車クラス(1輪あたり25 kW)を実現。
・インホイールモータユニットがホイールから飛び出ていたが、小型化により車両への搭載性を大幅に改善。
・給電能力が1輪あたり10 kW程度であったのに対し20 kWへの性能向上を実現。

ロームの研究開発品である超小型SiCパワーモジュールは、インホイールモータをコンパクトに仕上げ、車両への搭載性の改善に貢献しています。今後は実用化に向けて、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指すことが予定されています。