2015.08.25
ロームは、DC/DCコンバータICの一大ファミリを構築すべく、多種多様なDC/DCコンバータICを開発しています。DC/DCコンバータには、同期整流式を始めいくつかの方式があり、さらに1つの方式の中でも複数の制御方法があります。ロームのDC/DCコンバータファミリは「適材適所」を目標としており、それには様々なメリットがあります。
DC/DCコンバータを設計する際には、入力電圧や出力電圧、負荷電流などの入出力条件だけではなく、過渡応答、スイッチング周波数、サイズ、コストなど様々な要求事項を加味して、電源ICを選択することになります。つまり、入出力条件が同じだからといって、1つの電源ICで対応できるかというと、なかなかそうはいかないのが現実です。そのために、設計者は給電先の要求に合わせた電源ICを探し、それぞれにそれぞれの回路設計を行っています。時に設計にピッタリのICが見つからず、妥協を強いられながらも、可能な限りの最適化を行うなど、ものすごい労力を費やしています。
ロームのDC/DCコンバータファミリは、まずは「最適なものが見つかる」というファミリであることを目指しています。下の図は、現状の大まかなファミリ構成を示しています。方式や制御方法によって種類があり、特性が要求に合致する方式を選択し、さらにその中で入出力条件に見合うものを探すことができます。
ところが、ラインアップが十分でない場合は、いろいろ探したにもかかわらず該当がなく、違うメーカーのものを探すといった経験をもっている設計者は少なくないと思います。もし、1つのメーカーでなんでも揃うとすれば、それは理想的ではないでしょうか。
これは設計者だけではなく、サプライチェーンマネジメントにも関係します。調達に関していうと、1つの製品を構成する部品の発注先が多岐にわたるのは、作業や管理が煩雑になり、コストアップにつながります。かといって、調達の都合で部品を選定するのは限界があります。例えば、電源ICのほとんどを1つのメーカーから調達できるとすれば、品種は多くても手間はかなり軽減されるはずです。
仕様や用途に合わせて、簡単に最適なDC/DCスイッチングレギュレータを選択するためのガイドです。