2017.03.28
ロームのSiCショットキーバリアダイオード(以下SiC-SBD)は、先ごろ発表された「SCS3シリーズ」で第三世代となります。ロームのSiC-SBDは、世代を追うごとに順方向電圧の低減をはじめ、諸特性が改善され進化を続けています。現在量産されている第二世代SiC-SBDは、順方向電圧(VF=1.35V @25℃)を実現しました。そして、第三世代SCS3シリーズでは、さらにVF特性を改善しつつ、大幅にサージ電流耐量IFSMを向上させました。
サージ電流耐量を高め、サーバーや高性能PCなどのPFCに対応
すでに、SiC-SBDは、その高速リカバリ特性により電源やインバータの効率向上に有用であることが知られていますが、特にサーバーや高性能PCなどのPFC回路では、加えて高いサージ電流耐量が求められます。SCS3シリーズは、第二世代の順方向電圧特性を改善し、さらにサージ電流耐量を2倍近く向上させました。これによりSCS3シリーズは、サージ電流が印加されるようなイレギュラ動作時においてもより安心して使うことができます。
ラインアップは拡充を進める
発表当初のラインアップは、開発中のものを含めて6A~10A、TO-220ACPパッケージで3機種でしたが、現状では開発中も含め15機種に拡充中です。スルーホールタイプのTO-220ACPに加えて、TO-220FM、面実装タイプのTO-263ABを用意する予定で、実装方法やスペースに合わせてパッケージを選択可能です。
パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。
パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。