2018.05.15
シーズン4となる今シーズンからは、SiC-MOSFETとSiC-SBDをモジュール化したフルSiCパワーモジュールの提供によって、SiC-SBD搭載のシーズン3のインバータから30%の小型化、4kgの軽量化を達成し、SiCパワーデバイス未使用のシーズン2のインバータと比較して、43%の小型化、6kgの軽量化を実現しました。
今回、ヴェンチュリー・フォーミュラEチームのマシンのインバータに搭載されているフルSiCパワーモジュールは、独自の内部構造を持ち放熱を最適化した新パッケージの開発により大電流化を実現しています。また、一般的な同等電流定格のIGBT+FRDのモジュールに比べて、スイッチング損失を75%低減しました(チップ温度150℃時)。
また、SiCパワーデバイスの特長である高周波動作により周辺部品の小型化が可能で、IGBTに比べ高速動作時のスイッチング損失が少なく発熱が小さいことから冷却システムも小型にでき、システム全体の大幅な小型を実現します。
フォーミュラEは、2014年に国際自動車連盟(FIA)主催で始まった完全電気駆動のレースで、化石燃料を使わず環境にも優しいため、香港やベルリン、ニューヨークなど世界各国の都市部にて公道レースが展開されています。電力をいかに無駄なく活用できるかが勝敗を分ける鍵となり、フォーミュラEでの技術革新が一般電気自動車への先駆けとなると期待されています。また、まだ創立してまもないモータースポーツにも関わらず、既に世界中の自動車関連企業が参加しており、さらに日本をはじめとする世界の主要自動車メーカーが続々と参戦を表明しています。
パワー製品の小型化、低消費電力化、高効率化に大きな可能性をもったシリコンカーバイド(SiC)の物性の基本、ダイオード、トランジスタとしての使い方と活用事例が示されています。
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