2019.06.11
ローム独自のライフタイム制御技術を用い、業界最速*の逆回復時間(trr)を実現したローム独自のスーパージャンクションMOSFETであるPrestoMOSTMは、エアコンやインバータアプリケーションの定常運転時の低消費電力化に寄与することから、すでにIGBTの代替として高い評価を得ています。*2019年3月15日 ローム調べ
今回、従来のラインアップに対して、新開発の「R60xxJNxシリーズ」、30機種を追加しました。特長は、以下の通りです。
これらの特長により、アプリケーションでの損失を低減するとともに、回路の最適化が容易になり、設計の自由度が向上します。
業界最速の逆回復時間(trr)を実現。IGBTと比べ、軽負荷時の電力損失を約58%低減
エアコンや冷蔵庫をはじめ、白物家電のモータ駆動用にはインバータ回路が使用され、従来スイッチング素子にはIGBTが使用されています。しかしながら、近年の省エネ要求の一環で、定常運転時の低消費電力化が課題になっています。ロームでは、2012年に初めて業界最速の逆回復特性が特長のパワーMOSFETであるPrestoMOSTMを市場に投入し、定常運転時の低消費電力化という課題に対して、非常に高い評価を得ています。
損失増加の一因であるセルフターンオン現象が起きない設計
MOSFETに構造上存在する寄生容量を最適化したことで、スイッチング時のゲート電圧の持ち上がりを20%削減しました。また、MOSFETオンのしきい値(Vth)を約1.5倍に高めており、セルフターンオン現象が起きにくい設計になっています。損失の一因であるゲート抵抗値を最適化して損失を低減可能です。
リカバリ特性を改善して誤動作につながるノイズを低減
一般的に、SJ-MOSFETのボディダイオードのリカバリ特性はハードリカバリになります。R60xxJNxシリーズは、構造を最適化することにより、従来品に比べソフトリカバリ指数を30%改善し、業界最速の逆回復時間(trr)を維持したまま、ノイズを低減させることに成功しました。これにより、設計時のゲート抵抗等によるノイズの最適化が容易になります。
以下に、R60xxJNxシリーズのラインアップを示します。
Package | |||||
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TO-252 (DPAK) [SC-63] |
TO-263 (LPT(S) D2PAK) [SC-83] |
TO-220FM | TO-247 | ||
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Ron typ (mΩ) |
1100 | ![]() |
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720 | ![]() |
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☆R6006JNX | ||
600 | ![]() |
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450 | ![]() |
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350 | ![]() |
☆R6012JNX | |||
220 | ![]() |
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180 | ![]() |
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140 | ![]() |
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110 | ☆R6030JNX | ![]() |
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90 | ![]() |
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64 | ☆R6050JNZ4 | ||||
45 | ☆R6070JNZ4 |
☆開発中
機器の省エネ、高効率化に対応して進化を続けるシリコン系パワーデバイス。ダイオード、MOSFETの基本から選択方法、最新鋭デバイスの特性、アプリケーション事例を解説しています。
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