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2020.07.28 センサ
カラーセンサとは
カラーセンサは、光を感知するセンサ(光電センサ、光センサ)の一種です。
周囲光をフォトダイオードで受光し、色の3原色であるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)のそれぞれの受光量を検出することで、対象の色を判別することができるセンサです。
カラーセンサの検出原理
物体にR・G・B成分を持つ光を照射すると、その物体が持つ色の色成分が反射します。例えば、物体が赤色の場合の反射光成分は赤(R)になります。物体の色は反射する光色(R・G・B)成分の比率によって決まります。カラーセンサは、フォトダイオードで反射光を受光し、R・G・Bの受光量の比率を計算することで色を判別します。
下図は反射光と物体の色の関係を表しています。物体色が白の場合はR・G・Bの3色が反射します。黄色の場合はRとGが反射し、RとGの割合によって黄色の色合いが変わります。黒の場合は反射光はありません。
カラーセンサICの構造
カラーセンサはほとんどの場合IC化されています。右図はカラーセンサICの概略的な構造になります。内部にはカラーフィルタ(Color filter)と赤外線カットフィルタ(Ir cut filter)を搭載している例です。カラーフィルタによりRGB分光特性を高め、赤外線カットフィルタによる赤外線除去特性により、高精度な色判別が可能になります。
実際のカラーセンサ
BH1749NUCは、16bit シリアル出力タイプのデジタルカラーセンサICで、光の色成分(RGB)と赤外光を検出し、デジタルデータに変換します。環境光の照度と色温度を簡単に精度よく得られるように、広い感度、広い検出範囲、優れた赤外光除去特性を備えています。照度だけでなく色温度も検出することで、高度なディスプレイ表示、カメラ・ビデオの撮影画像の調整などが可能になります。以下に、このICの機能ブロック図とパッケージを示します。
先ほど示した構造図にあるように、内部にはカラーフィルタ(RGB)と赤外線カットフィルタ(Ir cut filter)に加えて、このICの特徴の1つである赤外光検出部も備えています。フォトダイオードで検出された各色成分量はADC(アナログ-デジタル変換器)によってデジタルデータ化され、I2Cインタフェースでマイクロコントローラに送られます。
このICのパッケージは2.1×2.0×0.6mmと非常に小型で、電力消費も小さいので、バッテリ駆動をはじめとした様々なアプリケーションに対応します。主な電気的仕様は以下になります。
・電源電圧範囲:2.3V~3.6V
・照度検出範囲:80 klx(Typ)
・動作時消費電流:190µA(typ)
・パワーダウン時消費電流:0.8µA(typ)
・動作温度範囲:-40℃~+85℃
以下にBH1749NUCの波長と比率特性の参考データと、従来品の性能比較のデータを示します。性能比較データは、昼白色(5000K)と電球色(2800K)の色温度検出において、BH1749NUCの測定結果が非常に正確であることを示しています。
カラーセンサのアプリケーション例
カラーセンサにより環境光(周囲光)を検出することによって、表示や撮影の色を最適な状態に補正することができます。より自然に近い画像をディスプレイに出力することや、撮影画像のクオリティ向上が可能なので、液晶TV、スマートフォン、タブレットPC、携帯ゲーム機などのアプリケーションに有用です。
また、製品の色や液体の色を工場などの生産工程で管理する物色判定にも利用できます。
・カラーセンサは光を感知するセンサ(光電センサ、光センサ)の一種。
・周囲光をフォトダイオードで受光し、RGBのそれぞれの受光量を検出することで、対象の色を判別する。
・周囲光の検出によって、表示や撮影の色を最適な状態に補正することが可能。
・製品の色や液体の色を工場などの生産工程で管理する物色判定にも利用可能。