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2021.08.31 シミュレーション

シミュレーションのカスタマイズ

ROHM Solution Simulatorとは

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この記事のキーポイント

・ROHM Solution Simulatorでは、コンポーネントのプロパティを変更してシミュレーションができる。

・プロパティを変更できるコンポーネントは水色で表示され、Property Editorを開いて変更する。

・すべてのコンポーネントとプロパティが変更できるわけではないが、PartQuest™ Explorerへエクスポートすれば自由に編集することが可能になる。

・実行したシミュレーション結果は、Waveform Viewerに表示されるファルダに格納され、Waveform Viewerで確認、比較などが行える。

用意されているシミュレーション回路の部品や定数、また条件などを変更して、シミュレーションを行う方法を説明します。

この記事に直接入られた方は、「シミュレーション回路の起動」を参考に、例題のシミュレーション回路を起動させてください。以下のリンクからも直接起動できます。 https://www.rohm.co.jp/solution-simulator/buck_converter_vo250v_io20aなお、操作方法などの確認を急ぐ場合は、「ハンズオンユーザーズマニュアル(PDF)」をご利用ください。

シミュレーションのカスタマイズ

ここでは例題を使って、カスタマイズの方法などを説明します。

例題:PWM周波数を50kHzから25kHzに変更してシミュレーションを実行し、変更前と変更後のnet75(SiC MOSFET:xQ1のソース)の波形の周波数を比較する

手順は以下の通りです。

  • ▶ xPWM1H1のスイッチング周波数設定(FSW)を50KHzから25kHzに変更
  • ▶ シミュレーションを実行
  • Waveform ViewerでFSW変更前と後のnet75波形を表示し周波数を比較

コンポーネントのプロパティの変更

ROHM Solution Simulatorでは、コンポーネントのプロパティを変更してシミュレーションを行えます。図1は例題のシミュレーション回路です。プロパティを変更できるコンポーネントは水色で表示されます。

図1. 例題のシミュレーション回路

ROHM Solution Simulator:例題のシミュレーション回路。水色の部品はプロパティを変更可能。

例題ではPWM周波数を変更するので、xPWM1H1のProperty Editorを開きます。Property Editorを開くには、図2にあるように、そのコンポーネントをダブルクリックするか、右クリックで「Properties」を選択します。この時そのコンポーネントは黄緑色に変わります。

図2. プロパティを変更するコンポーネントのProperty Editorを開く

ROHM Solution Simulator:プロパティを変更するコンポーネントのProperty Editorを開く。

ここで確認事項ですが、ROHM Solution Simulatorでの変更可能なコンポーネントプロパティは、水色のコンポーネント、かつ、Property Editorの中で白く表示される項目だけになります(図2-②ではFSWのみ)。灰色の項目はマウスオーバーすると禁止マークが表示されており変更できません。ちなみに水色になっていないコンポーネントもProperty Editorは開けますが、すべての項目がグレーになっており、プロパティの変更はできません。

このように、ROHM Solution Simulator上では、変更に制限が設けられていますが、シミュレーション回路をPartQuest™ Explorerにエクスポートすれば、コンポーネントの追加や詳細なパラメータ変更など、制限なく編集することが可能になります。PartQuest™ Explorerへのエクスポートに関しては後述します。

それでは、xPWM1H1のProperty Editorを開いて、スイッチング周波数FSWに記述されている50kを25kに書き換えてください。

FSWにマウスオーバーした際にメッセージが表示された思います(図3左側)。メッセージには、「この値は10kから300kまで」とあり、FSWの値が制限されています。図3が示すように、プロパティの変更にはいくつかのタイプがあり、変更はマウスオーバーの表示に従います。

図3. プロパティの変更・設定方法の種類

ROHM Solution Simulator:プロパティの変更・設定方法の種類。

プロパティの変更において、トランジスタやダイオードなどのパワーデバイスは、機種を変更することができます。図3の「選択するタイプ」がその例で、SiCショットキーバリアダイオードをプルダウン表示する中から選んで変更することができます。

話が少し前後しましたが、FSWを25kに書き換えて、ツールバーにある「Run」アイコンをクリックしシミュレーションを実行します。

変更した条件でのシミュレーション結果を表示し変更前と比較する

シミュレーション結果から、FSWを変更する前と後のnet75(SiC MOSFET:xQ1のソース)の波形をWaveform Viewerで表示し比較します。

まず、回路図表示領域の下の方にあるWaveform Viewer開閉アイコンをクリックして開きます。そうすると左側に、「Simulation Results」フォルダ、その下層に「C6 Buck Converter Vo=250V Io=20A」というフォルダと、「Copy of C6 Buck Converter Vo=250V Io=20A – (日付) – (時刻)_(シリアル#)」というフォルダができています(図4)。

図4. Waveform Viewerと保存されたシミュレーション結果

Waveform Viewerと保存されたシミュレーション結果。

「C6 Buck Converter…」フォルダには、デフォルトのシミュレーション結果が格納されています。「Copy of C6 Buck Converter…」フォルダには、FSW変更後の結果が格納されています。図4から「Copy of C6 Buck Converter…」フォルダが開かれた状態で、中に「net75」のデータがあるのがわかります。

波形の表示は、各「net75」をダブルクリックするだけです。図5は、FSW=50k(変更前)、FSW=25k(変更後)の順に波形を表示させ、周波数の比較がしやすいように時間軸を拡大しています。また、Waveform Analyzerの周波数解析を利用して周波数を表示させた画像です。Waveform ViewerとAnalyzer Waveform Analyzerの使い方はこちらを参照してください。

図5. Waveform Viewerでの表示と比較

Waveform Viewerでの表示と比較。

ちなみに、「Copy of…」フォルダはコンポーネントのプロパティ変更をしなくてもRunするたびに作成され、ファイル名末尾のシリアル#が1、2と増加したファイル名として追加されます。

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