この記事のキーポイント
・サブサーキットモデルには、デバイスモデルの複合の他に数式からなるモデルもある。
・デバイスの特性に合わせて数式を調整できるので再現性は高い。
・モデルが複雑なので、シミュレーション時間が長くなったり、収束エラーになりやすい。
今回は数式を用いたサブサーキットモデルについてです。ここでは、先に説明したデバイスモデルを組み合わせたサブサーキットモデルの他に、数式がベースになっているサブサーキットモデルがあることを覚えておいてください。
数式を用いたサブサーキットモデル
サブサーキットモデルには、数式である特性を表すことでデバイスの特性を示すものもあります。前回、前々回に説明した「MOSFETのサブサーキットモデル」は、基本的にデバイスモデルの組み合わせで構成されていますが、このタイプは数式で組まれています。以下に、数式を用いたタイプのSiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)のサブサーキットモデルと、以前に示したMOSFETのサブサーキットモデルの例を示します。ここでは記述の詳細は割愛しますが、記述の違いがイメージできると思います。
数式を用いたサブサーキットモデルは、デバイスの特性に合わせて数式を調整できるので、再現性が高いという特徴があります。しかし、モデルが複雑になるので、シミュレーション時間が長くなったり収束エラーになりやすかったりというデメリットがあります。
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