モータの回転原理と発電原理
モータの発電原理
前回はモータの回転原理について説明しました。今回は、発電原理について説明します。
モータは、電気エネルギーを動力に変換するもので、回転運動は磁界と電流の相互作用による力を利用することで得られることは前回説明した通りですが、逆に電磁誘導によって機械的エネルギー(運動)を電気エネルギーに変換します。すこし回りくどい言い方をしましたが、モータには発電作用があります。発電と言えば第一に発電機(ダイナモ、オルタネータ、ジェネレータなどとも呼ばれる)を思い浮かべると思いますが、原理はモータと同じで基本構造も近いものです。端的に言えば、モータは端子に電流を流すことで回転運動を得ることができ、逆にモータの軸を回すと端子間に電流が流れます。
モータの発電作用とは
先に記した用に、モータの発電作用は電磁誘導によります。以下は、関連の法則と発電作用を図化したものです。
左の図はフレミングの右手の法則に則り電流が流れることを示しています。磁束の中を導線が運動することで導線に起電圧が発生し電流が流れます。
中央と右の図はファラデーの法則とレンツの法則で、コイルに磁石(磁束)を近づけた場合と遠ざけた場合に電流が流れ向きが変わることを示しています。
これらを踏まえて、発電の原理を説明します。
モータの発電原理
そのとき、コイル面の平行方向(中段図黄線)と、磁束密度の方向に対する垂線(黒破線)がなす角度をθ(=ωt)とすると、コイルを貫く磁束Φは以下の式で表されます。
また、電磁誘導からコイルに生じる誘導起電圧Eは以下になります。
起電圧はコイル面の平行方向が磁束方向と垂直のときゼロになり、水平のとき絶対値で最大になります。

この様に、モータには発電作用があります。ここで説明したかったのは、モータには回転動作と発電作用があるということで、モータを発電に利用するという趣旨ではありません。発電目的には発電に最適化された発電機を利用します。
キーポイント
- ・モータの発電作用は回転動作と同様に、電流と磁界と力に関する法則に基づく。
- ・モータは電磁誘導によって機械的エネルギー(運動)を電気エネルギーに変換する。