半導体スイッチ(IPD)|基礎編

IPD (Intelligent Power Device)

IPDとは?

IPDとは?
IPDはIntelligent Power Device の略で、保護回路を内蔵し、誘導性負荷等のエネルギーを吸収できる高性能半導体パワースイッチをいいます。
地域にもよりますが、IPS (Intelligent Power switch)、スマートスイッチ(Smart switch)、ハイサイド/ローサイドスイッチ(Hi-side/Lo-side switch)などと呼ばれることもあります。

IPDの特長1(MOSFETとの比較)

一般的に半導体スイッチとして一番に思い浮かぶのは、MOSFETです。
MOSFET単体をスイッチとして使用すると、構成回路上で負荷がショートした場合にはそのMOSFET自体が故障に至ってしまいます。
IPDは過電流や過熱に対する保護回路と誘導性負荷のエネルギーを吸収する回路を内蔵しているので、ショートなどの異常状態でも破壊せず、スイッチとしての機能を保ちます。

MOSFET と IPD の比較

【MOSFET と IPD の比較】

IPDの特長2(メカヒューズとの比較)

ヒューズは電流が過剰に流れないように制御する部品です。
メカヒューズは過電流が流れると溶断により電流が流れ込むのを止めます。その為、復帰させるには交換が必要となります。
半導体ヒューズとしてIPDを使用すると、過電流などの異常を検知して電流を遮断します。また、この異常をマイコンなどに通知する機能も有しており、原因の解析にも有効です。もちろん自己復帰型であり、交換の必要もありません。

メカヒューズ と IPD の比較

【メカヒューズ と IPD の比較】

IPDの特長3(メカリレーとの比較)

リレーは外部からの信号により、電気回路のオン/オフ切り替えを行う部品です。
メカリレーには機械的な接点があるため、寿命や信頼性の不安があります。さらに、切り替え時の機械音も発生します。
半導体リレーとしてのIPDは機械的な接点がなく、メカリレーに比べ、高寿命、高信頼性、静音を実現します。また、パッケージも小型,軽量で、リフローはんだ実装対応も可能です。さらに、オン/オフの切り替えを行うリレー機能だけでなく、過電流検知による保護にも対応しています。

メカリレー と IPD の比較

【メカリレー と IPD の比較】

ハイサイド駆動/ローサイド駆動

外部の負荷に対して、半導体スイッチを上側回路(電源側)に配置するのをハイサイド駆動、下側回路(GND側)に配置するのをローサイド駆動といいます。

ハイサイド駆動/ローサイド駆動

【ハイサイド駆動/ローサイド駆動】

ハイサイドスイッチとローサイドスイッチの使い分け例

IPDは外部負荷に対して、上側回路に適するハイサイドスイッチと下側回路に適するローサイドスイッチがあり、それぞれに配置するのに適した回路設計がなされています。
下図左のように、電源電圧が固定された回路に様々な負荷が配置されている回路、例えば自動車などバッテリー固定電圧で、ボディがGND接地になっている環境では、出力が地絡し易い環境のため、異常状態の検知としては、地絡検出が容易にできるハイサイドスイッチの方が適しています。
一方、下図右のように、いろいろな電源電圧に負荷が配置された回路にはローサイドスイッチが適しています。ローサイドスイッチはMOSFETのソースがGND接地されており,ゲートに入力電圧を印加して動作します。この制御は単体のMOSFETと同じため、単体のMOSFET からの置き換えが容易となります。

ハイサイド/ローサイド 使い分け例

【ハイサイド/ローサイド 使い分け例】

※「ローサイドスイッチ」の詳細はこちらを参照してください。

半導体スイッチ(IPD)