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2017.09.12 EnOcean
今回は、ゲートウェイに適した無線送受信モジュールについて説明します。
送受信モジュール:TCM 410J
TCM-410Jは、ゲートウェイに最適化された面実装(SMD)タイプの無線送受信モジュールです。UARTシリアルインタフェースを搭載しており、EnOceanのセンサモジュールやスイッチなどから無線信号を受信して、PCなどのホストにデータを伝送します。デフォルトではゲートウェイとして最適化されていますが、プログラミング端子からファームウェアを変更可能で、ゲートウェイの他、双方向通信を行うアクチュエータやリピータ(中継器)など、汎用の送受信モジュールとしても使用できます。
TCM-410Jは、技適認証を取得済みです(技適番号206-000372)。アンテナは付属していませんが、ユーザーマニュアルに記載のアンテナであれば、別途、技適認証を取得する必要はありません。
TCM-410Jの概要と主な仕様を以下にまとめました。
前述のようにTCM 410Jはゲートウェイに最適化されています。以下に、TCM 410Jを使った代表的なゲートウェイシステムの例を示します。常時、受信可能な状態を維持する動作となるため、連続的に電力を供給可能な電源を必要とします。
また、ファームウェアを変更することで、双方向通信のアクチュエータとして使用することが可能です。受信したテレグラム(入力データ、固有番号ID、チェックサム)に加え、そのときの受信強度(RSSI:Receive Signal Strength Indication)や受信を確定したサブテレグラム番号などを、UART経由でシリアルプロトコルによってホストへ伝送します。
同様にファームウェアの変更により、送受信機能を利用するリピータ(中継器)として動作させることも可能です。オリジナルのテレグラムとリピータが再生成したテレグラムは明確に区別されており、無制限にリピートされないような仕組みとなっており、リピータ機能の上限回数は1階層のみとなっています。
TCM 410Jの構成は、前回取り上げた送信モジュールSTM 400Jとほぼ同じですが、TCM 410Jは受信機能を常時使うため、スリープ機能がない点が異なります。TCM 410Jの内部構成とピン配置を示します。STM 400Jと異なるピンは青枠で囲んであります。
TCM 410Jに関する情報の入手先
送受信モジュールTCM 410Jのデータシート、ユーザーマニュアルやファームウェアソースコード等は、以下より入手が可能です。また、送信モジュールSTM 400Jに関しても同様にこちらから情報と資料が提供されています。
・TCM-410Jは、ゲートウェイに最適化された無線送受信モジュール。
・ファームウェアの変更により、リピータなど双方向通信汎用送受信モジュールとしても利用可能。
・技適認証を取得済み(技適番号206-000372)。
・常時、受信動作をするため連続的に電力を供給可能な電源を使用。