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2021.05.25 EnOcean
今回で、「開発・導入事例」は最後になります。今回紹介するのは、エコロジーコールシステムです。
エコロジーコールシステム
外食産業においてもエコロジーへの取り組みは重要課題となっています。そのためEnOceanが提供する電池不要の無線通信技術が注目されており、飲食店向けのコールシステムが製品化されています。
ファミリーレストランをはじめ、多くの飲食店で注文時になどに店員を呼ぶためのコールシステムが導入されています。テーブルにある呼び鈴(呼び出しボタン)を押すとチャイム音がなり、同時に店内表示版に呼んだテーブル番号が表示されるシステムです。
このシステムは基本的に無線システムです。卓上に置かれる呼び鈴は送信機で、送信回路の電源としてほとんどの場合コイン電池が搭載されています。当然ながら、各呼び鈴の電池は消耗すると交換を要すことから、多くの電池を消費し廃棄することがエコロジーの観点から課題とされ、その対応策の1つとしてEnOcean通信を採用した電池不要のコールシステムが開発され、製品化されています。
以下の画像はEnOceanを採用したコールシステムの例で、見かけは現状のものとあまり変わりませんが、呼び鈴は電池不要となっています。
すでに、飲食店の実店舗への試験導入も始まっており、電池が不要なため廃棄物削減に寄与するのはもちろん、電池の費用や交換作業の削減につながっています。システムは非常にシンプルなので手軽に導入でき、設置のために休業する必要もありません。
飲食店向けとして、このコールシステムの他に、電池不要の無線通信技術を活かした温度センシングによる空調制御や、明るさセンシングによる照明制御など、飲食店のエコロジーにつながるシステム開発が進んでいます。
出展:Perpetuum Magazine Japanese Edition 2014(EnOcean GmbH)
・飲食店など使用されているコールシステムにエコロジーの観点から電池不要のEnOcean無線通信技術が採用されている。
・電池の廃棄削減の他、電池および交換作業などの経費削減にもつながっている。