IoT技術情報サイト
2021.07.13 Bluetooth®
ここまで説明してきた、Bluetooth 5のBluetooth 4からの主な変更点をあらためて記します。
これらの特長により、通信速度、通信距離、通信容量などが向上し、Bluetoothの新たなアプリケーションへの適用が可能になり、同時に機器開発も進んでいます。
今回で、「Bluetooth 5 概要」は最後になります。各回で示したキーポイントと該当記事へのリンクをまとめましたので、ご利用ください。
・Bluetooth 5では、「より高速、より遠くまで、より高精度に」がキーワード。
・Bluetooth 4からの主な変更点は以下の4点。
① 2倍の通信速度
② 4倍の通信距離
③ 8倍の通知データ容量
④ 高精度な方向検知機能
・Bluetooth 5の「2倍の通信速度」は、PHY仕様にデータレート2MbpsのLE 2M PHYが追加されたことによる。
・通信速度の向上によりデータの転送効率が改善でき、送信時間の短縮は平均消費電流の削減にも寄与する。
・Bluetooth 5 認証において、LE 1Mは必須、LE 2Mはオプションとなる。
・LE 2M PHYによる2MbpsのデータレートとData Length Extensions(DLE)の組合せで、最大1.4Mbpsのスループットが可能。
・Bluetooth 5.0の「4倍の通信距離」は、LE Codedの追加により実現。
・通信距離が最大4倍になるが、データレートが低いことで送信時間が長くなるため平均消費電力が増加する。
・LE 2MとLE Codedの組み合わせはできないため、「2倍の通信速度」と「4倍の通信距離」は両立しない。
・通信速度と通信距離はトレードオフの関係にある。
・Bluetooth 5 認証において、LE 1Mは必須だがLE Codedはオプションとなる。
・通信距離を伸ばせることから、HANやインダストリアルエリアネットワークなどの広域アプリケーションへのBluetoothの利用が期待される。
・Bluetooth 5.0の「8倍の通知データ容量」は、アドバタイズパケットフォーマットのペイロード長を拡張したことで実現。
・また、セカンダリアドバタイジングチャネルの導入により、チャネル利用効率の向上を図っている。
・Bluetooth 5の高精度な方向検知機能は、方位角測定法AoA(Angle of Arrival)とAoD(Angle of Departure )によって成される。