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2020.08.25 センサ

照度・近接センサ

センサの基礎

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近年、照度センサや近接センサは、身近な様々な機器での利用が増えています。また、照度センサ、近接センサ個々での使用に加えて、これらを組み合わせ使うケースも増えていますので、この2つを併せて説明します。

照度センサとは

周囲の明るさを感知するセンサです。近年は一般消費者向けに「明るさセンサ」という呼称が使われており、それだけ身近に存在しています。例えば、スマートフォンやタブレット、ノートPCなど、バッテリ駆動の携帯機器として比較的大きな表示画面を持つ機器では、周囲の明るさによって画面の輝度が自動調整されます。これは、見やすさもありますが、主に消費電力削減=バッテリでの稼働時間を延ばすのが目的です。携帯機器以外でも、テレビやカーナビなど、周囲の明るさに合わせて画面の明るさや表示色(カーナビの夜モード表示など)の変更など、見やすさや目の疲労軽減などを目的にした自動調整機能が備わっています。

照度センサのセンサ素子は受光素子であるフォトトランジスタやフォトダイオードで、受光した光を電流に変換し照度に該当する電流を流します。基本的にフォトダイオードの電流信号は微弱なためアンプで増幅した後に信号処理を行います。フォトダイオードを使った主な照度センサには、電流アンプで増幅した電流信号をそのまま出力とするアナログ出力のシンプルなものと、電流-電圧変換、アナログ-デジタル変換、デジタル制御および外部インタフェースを集積したデジタル出力のものがあります(下図参照)。

照度センサ。フォトダイオードと電流アンプのアナログ出力のシンプルなタイプの例/照度センサ。基本素子とADコンバータ、制御ロジック、I/Fを備えたデジタル出力タイプの例

照度センサの重要な特性として分光感度特性があり、視感度=人間の目が感じることができる感度が求められ、光源の種類(電球など)が違っても、均一な感度を持っていることが重要です。

照度センサの重要特性。光源に対しての受光感度のばらつきが少ない例

近接センサとは

近接センサは、非接触で物質や人が近づいたことを検知するセンサです。防犯灯や屋外駐車場のように人や車が近づくと自動的に点灯するものは多くの場合近接センサが利用されています。近接センサの方式には、赤外線型、誘導型、静電容量型、超音波型、電波型などがあります。

近接センサは、対象が検知範囲に入ったかどうか(近くにあるかどうか)、どのくらい近づいたかを検知するため、センサから電磁波、光、超音波などのエネルギーを放射し、対象から反射してくる物質やエネルギーの変化を検出することで近接を検知します。

近接センサの中には存在の有無だけはなく、物体までの距離を測ることができるものもあります。例えば、自動車に搭載されている障害物への接近を段階的に知らせるアラームや、走行時に前車に追従し設定した車間距離を保つ機能は、超音波センサ、マイクロ波やミリ波レーダーなどの近接センサが距離を測る目的で使われています。

近年、スマートフォンやタブレットには、赤外線近接センサがよく使われています。赤外線近接センサは、赤外線発光素子(赤外LEDなど)とフォトダイオードなどの受光素子で構成されています。発光素子から放射された赤外線が対象物に当たると反射し、それをフォトダイオードが受光して電流に変換します。変換量と対象物の距離の関係からしきい値を設定し、しきい値を超えた場合に設定距離に近づいたという判定をします。

スマートフォンの例では、通話時に液晶画面への顔の接近を検知して、タッチパネル機能を無効にして誤動作を防止します。同時に画面のバックライトを消灯し節電します。

照度センサと近接センサを組み合わせたセンサ

照度センサと近接センサの両方を利用することで、利便性を向上したアプリケーションが少なくありません。前述した防犯灯や屋外駐車場の例では、点灯条件として、「周囲が暗く、人や車が接近した時」というAND条件が必要になります。周囲が暗いかどうかは照度センサが検出し、物体の接近は近接センサが検知します。また、スマートフォンなどの例では、画面の輝度調整などには照度センサ、通話時の誤動作防止とバックライトオフには近接センサが必要です。これらはAND条件ではありませんが、どちらも必要なセンサです。これらのように、両方の機能が必要なアプリケーション向けに、照度センサ、近接センサ、赤外LEDを組み合わせて1つのパッケージ搭載したセンサがあります。製品の例としては、RPR-0521RSがあります。

照度+近接+赤外LEDが一体となったセンサのパッケージ例/照度+近接+赤外LEDが一体となったセンサの構造と仕組み

この一体型のメリットは単に2つの機能が集積されているだけではなく、一体化による小型化、発光素子の赤外LEDと受光用フォトダイオードの位置関係が固定のため煩雑な調整が不要になり、設計時間を短縮できるなどの利点があります。特に、スマートフォンなどの小型機器では部品の小型化は必須の要求です。RPR-0521RSの例では、パッケージは3.94×2.36×1.35mmとなっています。

まとめ

照度センサ、近接センサ、そして照度+近接+赤外LED一体型センサについて説明しましたが、その用途は非常に幅広いものです。例として、スマートフォンなど身近なものを挙げましたが、工場などでのセキュリティや安全管理、IoTアプリケーションでのデータ取得のトリガ用途など、アイデア次第で用途はさらに広がると考えられています。

キーポイント:

・照度センサは周囲の明るさを感知するセンサで、受光素子が受光量に合わせて出力する電流量を利用する。

・近接センサは対象物との距離を検出するセンサで、照射した電波、音波、光などの反射を検出することで対象の存在の検知、対象との距離の測定を行う。

・利便性を高めた、照度+近接+赤外LEDが一体となったセンサもある。

・これらのセンサは民生から産業まで幅広いアプリケーションで使用されている。