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2020.01.28 SiCパワーデバイス

はじめに

SiC MOSFET:ブリッジ構成におけるゲート-ソース間電圧の挙動

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SiCパワーデバイス基礎知識応用編の第一弾、「SiC MOSFET:ブリッジ構成におけるゲート-ソース間電圧の挙動」をスタートします。

はじめに

MOSFETやIGBTなどのパワースイッチングデバイスは、様々な電源アプリケーションや電力ラインのスイッチング素子として使用されています。また、使用される回路方式も多岐にわたり、単独使用に加えて、直列接続や並列接続といった使用方法も多数あります。

その中でも、スイッチング素子を上下に直列接続するブリッジ構成では、それぞれのデバイスを交互にオン・オフすることが一般的です。以下は基本的なブリッジ構成の同期方式boost回路で、波形図はゲート信号により交互にオン・オフするローサイド(LS)MOSFETとハイサイド(HS)MOSFETの、ドレイン-ソース間電圧(VDS)とドレイン電流(ID)の例です。

MOSFETをブリッジ構成で使用する最も簡単な同期方式boost回路の例/MOSFETブリッジ構成同期方式boos回路の電圧・電流波形の例

スイッチング動作によって各素子に流れる電流や変化する電圧は、相互に複雑に影響を与えます。特に高電圧高電流を扱う回路では、実装基板や結線に起因した寄生成分などの影響を受けた電圧や電流の挙動が発生し、それが原因で動作が不安定になったり効率が低下したりして、損失増加や異常発熱が生じるなどの問題を引き起こす可能性があります。

近年、SiC MOSFETなど高性能なパワーデバイスにより、大きな電力を高速スイッチングで変換することが可能になりましたが、その扱いにはスイッチング動作の深い理解が必要になります。ここでは、MOSFETブリッジ構成における各MOSFETのゲート-ソース間電圧の挙動に着目し、簡単な同期方式boost回路を例にして以下の内容に関して検討して行く予定です。

・MOSFETのブリッジ構成と同期方式boost回路

・ゲート駆動回路とターンオン・ターンオフ動作

・dVDS/dt、dID/dt、により発生する電流と電圧

・ターンオン時のゲート信号の挙動

・ターンオフ時のゲート信号の挙動

※予定につき変更が生じる場合があります。

キーポイント:

・パワースイッチングデバイスは、様々な電源アプリケーションや電力ラインのスイッチング素子として使用されている。

・使用される回路方式は多岐にわたり、使用方法も多数ある。

・スイッチング素子を上下に直列接続するブリッジ構成では、素子が交互にオン・オフすることで相互に影響を与える。

・大電力の高速スイッチング変換には、スイッチング動作の深い理解が必要。

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