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2018.02.13 AC/DC
前回のVCCピン関連部品に続いて今回もこの設計に使用する電源ICのBOピンに関連する部品定数を決めて行きます。BOピンは、電源IC BD7682FJのブラウンアウト機能の設定ピンです。
ブラウンアウト機能とは
ブラウンアウト機能は、入力電圧VINが正常動作に必要な電圧より低い場合に、スイッチング動作を停止する保護機能です。この機能はBOピンが担っており、例えば起動時はBOピン電圧がブラウンアウト検出電圧値を超えるまでスイッチング動作を開始せず、不確定な出力電圧を発生させません。また、動作中にVINが低下し、BOピン電圧がブラウンアウト検出電圧値を下回るとスイッチング動作を停止します。動作停止時はラッチせず、VINが復帰しBOピン電圧が再びブラウンアウト検出電圧値を超えると自動的に動作を再開します。
ブラウンアウト設定抵抗R7、R8、R9、R10、R15およびBOピンコンデンサC8
IBOは標準15µA、最小10µA、最大20µAが規定されています。
以下に、RHとRLの設定例を示します。
スイッチング動作を開始するVIN(低→高)をVINON、動作を停止するVIN(高→低)をVINOFFとすると、
これらの式から、RHとRLは下記式で求めることができ、
VINON=90V、VINOFF=60V、VBO=1V、IBO=15µAとすると、
先に示した回路では、
RH=R7+R8+R9+R10=470kΩ+470Ω+470Ω+470Ω=1.88MΩ、RL=R15=33kΩとしました。
コンデンサC8は、BOのラインはインピーダンスが高いためノイズに敏感なため、必ずつけてくだい。目安は0.01µF~1µFです。上記回路では0.1µFを選択しました。
・ブラウンアウト機能は、VINが正常動作に必要な電圧より低い場合に、スイッチング動作を停止する保護機能。
・VINを抵抗分圧した電圧をBOピンに与え、動作開始および停止電圧を設定する。
・定数計算は数式に則る。