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2018.04.10 AC/DC
今回は、電源IC BD7682FJの外付けMOSFETのスイッチングを調整する部品と調整方法についてです。
MOSFETゲートドライブ調整回路:R16、R17、R18、D17
外付けMOSFET Q1のスイッチング動作を最適化するために、BD7682FJのOUTピンからのゲートドライブ信号を調整する回路をR16、R17、R18、D17で構成します(回路図参照)。この回路は、MOSFETの損失とノイズに影響を与えるので、MOSFETのスイッチング波形と損失を確認しながら最適化する必要があります。
スイッチオフ時のスイッチング損失を低減するためには、R16を小さくしてスイッチオフのスピードを速くします。しかしながら、急峻な電流変化が生じることになり、スイッチングノイズが大きくなります。
スイッチング損失とノイズは、トレードオフの関係になります。したがって、製品に組み込んだ状態にてMOSFETの温度上昇(=損失)とノイズ測定を行い、温度上昇とノイズレベルが許容範囲であるかを確認します。必要に応じて、上記の定数をスタートラインとして調整を行ってください。
また、R16にはパルス電流が流れますので、使用する抵抗の耐パルス性を確認する必要があります。
R18は、MOSFETのゲートをプルダウンする抵抗になります。10kΩ~100kΩを目安にしてください。
・ゲートドライブ信号を調整して、スイッチングトランジスタの損失とノイズを最適化する。
・スイッチングの立ち上がり/立ち下がり時間を速くすると損失は減るが、スイッチングノイズが大きくなる。