この記事のキーポイント
・出力整流ダイオードには、ファストリカバリダイオードやショットキーバリアダイオードを使用する。
・電圧は70%、電流は50%程度となる仕様のものを選択する。
今回は二次側(出力)のスイッチング電圧をDCに整流するダイオードの定数計算です。
出力整流ダイオード:ND1
まず、出力ダイオードに印加される逆電圧を計算します。
Vf=1.5V、Vout(max)=24.0V+5%=25.2Vとすると、
になります。
これに対しマージンを30%として、139.2V/0.7=198V → 200V耐圧品を選定します。
また、ダイオードの損失は概算値で、
になります。
対応するダイオードとして、ローム製のファストリカバリダイオードRFN10T2D(カソードコモンデュアルタイプ、200V/10A、TO-220FNパッケージ)を選択します。
基本的に、電圧は70%以下、電流は50%以下で使用することが望ましいと考えます。また、製品に組み込んだ状態で実際の温度上昇を確認し、必要に応じてヒートシンクの追加や部品の再検討を行います。
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