この記事のキーポイント
・例示した回路を使って効率を測定し検討する。
・回路部品は一例であり他にも選択肢はある。
ここまで例として説明してきた回路の評価として、効率とスイッチング波形を確認した結果を示します。回路全体は前回を参照願います。
効率の評価
効率の評価結果として、3種類の入力電圧における効率と出力電力、入力端子ごとの効率と出力電流のグラフを示します。
スイッチング波形の評価
効率は電力もしくは電圧と電流を測定することで、特にスイッチング波形を観察しなくても算出できますが、スイッチング電源において要所の波形を観察し、スパイクや発振などの異常がないことを確認することは非常に重要です。以下は、パワースイッチSiC MOSFETのドレイン電圧とドレイン電流のスイッチング波形です。ドレイン電圧波形は擬似共振型独特のものです。上段に対して下段はIoutが倍になっています。オンとオフの時間やドレイン電流の違いを見比べてもらえればと思います。
これらの波形は、理想的な波形に近いものです。試作回路が正常かどうかのリファレンスにも利用可能です。
他にも確認すべき項目があります。こちらに、AC/DCコンバータの評価に関する記事一式がありますので参照してください。フライバックコンバータのものですが、アプローチは基本的に同様です。
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