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リニアレギュレータの熱シミュレーション リニアレギュレータの熱シミュレーションの回路と方法

2022.09.27

この記事のポイント

・ROHM Solution Simulator(RSS)を使ったリニアレギュレータの熱シミュレーション用回路が用意されている。

・本章では、リニアレギュレータの熱シミュレーションにおいて、シミュレーション回路図の説明とシミュレーションを実行する方法を紹介する。

リニアレギュレータの熱シミュレーションの回路と方法

1項目目の「リニアレギュレータの熱シミュレーションの回路と方法」について説明します。

なお、この記事のもとになっている「User’s Guide リニアレギュレータBD4xxMxシリーズの熱シミュレーション」は下記からダウンロードできます。
https://fscdn.rohm.com/jp/products/databook/applinote/ic/power/linear_regulator/bd4xxmx_thermal_simulation_ug-j.pdf

熱シミュレーション回路一覧

最初に、現状で用意されているリニアレギュレータSolution Circuitの熱シミュレーション回路一覧を示します。出力電圧3.3V/5.0V、出力電流200mA/500mAのラインナップが用意されています。

BD4xxMxシリーズ 熱シミュレーションリスト
品名 出力電圧 出力電流 パッケージ名 シミュレーション回路
BD433M2EFJ-C 3.3V 200mA HTSOP-J8 BD433M2EFJ-C_熱シミュレーション
BD450M2EFJ-C 5.0V 200mA HTSOP-J8 BD450M2EFJ-C_熱シミュレーション
BD433M5FP-C 3.3V 500mA TO252-3 BD433M5FP-C_熱シミュレーション
BD450M5FP-C 5.0V 500mA TO252-3 BD450M5FP-C_熱シミュレーション
BD433M5FP2-C 3.3V 500mA TO263-3 BD433M5FP2-C_熱シミュレーション
BD450M5FP2-C 5.0V 500mA TO263-3 BD450M2FP2-C_熱シミュレーション

特徴としては、入力電圧範囲が3V~42V、動作温度がー40℃~+150℃と広く、車載対応しています。車載用バッテリに、直結して使用することができます。出力電圧精度は±2%、低暗電流38μ~40μA(Typ.)と高性能です。また必要な外付け部品は、入力容量(0.1μF以上 Typ.)と出力容量(10μF以上 Typ.)の2個だけです。

シミュレーション回路図の例

ROHM Solution Simulator(RSS)を使ったシミュレーション。リニアレギュレータの熱シミュレーション:シミュレーション回路(BD433M2EFJ-C)シミュレーション回路(BD433M2EFJ-C)

上図における緑色の線に囲まれている部分は熱シミュレーション回路、それ以外は電気シミュレーション回路を表しています。熱シミュレーション回路は、電気シミュレーションで算出したデバイスの損失と、基板に搭載したリニアレギュレータを熱シミュレーションモデル化し、リニアレギュレータの温度を算出します。右上の青線のグラフが、リニアレギュレータの接合温度(ジャンクション温度、Tj)となります。起動後、時間と共に接合温度が上昇し、おおよそ600秒以降は接合温度が約66℃で安定しています。

シミュレーションの方法

ROHM Solution Simulator(RSS)を使ったシミュレーション。リニアレギュレータの熱シミュレーション:Simulation Settingsと実行Simulation Settingsと実行

熱シミュレーションの実行は、上図の緑のRunボタンをクリックすることで実行できます。シミュレーション条件は、歯車印をクリックすることで設定できます。初期状態では、すでに条件設定されてシミュレーション結果も表示されています。シミュレーション条件を変更後に熱シミュレーションを実行すると、温度グラフなどが更新されます。

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