SiCパワーデバイス|応用編
SiC MOSFET:スイッチング波形から損失を求める方法
2025.03.14
本記事では、SiC MOSFETを用いたスイッチング回路におけるSiC MOSFETの損失を、スイッチング波形から求める方法を解説します。直線近似が可能な範囲でスイッチング波形を分割して、近似式により電力損失を計算する方法で、以下を予定しています。
スイッチング波形の測定方法
最初はスイッチング波形の測定方法を説明します。近年のオシロスコープの中には、観測波形の電力損失を自動的に計算して表示できるものがありますが、この機能がない場合は波形を測定して損失を算出することになります。そのためには、測定方法と波形の理解が必要になります。
Figure 1は、スイッチング回路と波形をモニターするプローブと測定イメージです。MOSFETのドレイン-ソース間電圧は差動電圧プローブを使用して測定します。またドレイン電流は電流プローブを使用します。

Figure 2は、各部の波形と電力損失(網掛け部分)を模式的に示したものです。
tonはターンオン時間をtoffはターンオフ時間を表しており、この区間のVDSとIDが重なり合った部分でスイッチング損失が発生しています。この回路はインダクタンス負荷のため、ターンオン時はIDが先に変化を開始し電流の変化が完了した後にVDSが変化を開始します。ターンオフ時はその逆で、VDSが先に変化を開始し電圧の変化が完了した後にIDが変化を開始します。
tonはMOSFETのオン区間で、この区間ではIDとMOSFETのオン抵抗による導通損失が発生しています。
測定時に注意すべき点があります。1つ目はオシロスコープのサンプリング数です。サンプリング数が少ないと波形の詳細な部分を取りこぼしてしまうため測定結果に誤差が生じます。サンプリングポイントを表示して波形が正確にトレースできているかの確認が必要です。
2つ目の注意点は、電圧プローブと電流プローブの間で遅延時間の特性が異なるため、測定波形にはこの遅延差による誤差が含まれることです。何も補正しないと電圧と電流間で時間軸方向にズレが生じ、Figure 2の網掛け部分の面積が不正確になり、損失の算出に誤差が生じます。測定系の遅延差をなくすためスキュー補正(de-skew)を実施する必要があります。方法は測定器の取り扱いマニュアルや測定器メーカーの技術資料を参照してください。
これ以外にも測定ポイントやプローブの扱いなどは、高電圧高電流を高速にスイッチングしているMOSFETの波形観測における基本に従ってください。
波形の直線近似による損失計算方法
上記で測定したスイッチング波形から、直線近似により電力損失を計算する方法を説明します。測定波形を基に、直線近似が可能な範囲で分割して電力損失を計算します。
ターンオン、ターンオフ区間のスイッチング損失
まず、ターンオンおよびターンオフ時間で消費する電力損失PtonとPtoffを算出します。波形はFigure 3の例を使います。電力損失はTable 1の近似式で計算します。波形の形によって計算式が異なりますので、近似式は測定波形と近いものを選択します。
Figure 3の波形例では、ターンオン時の波形を2分割し、前半部(ton1)はTable 1のケース2を使用します。さらに条件として、ID1≔0の式を使用します。後半部(ton2)はケース3のVDS2≔0の式を使用します。
Figure 3では、MOSFETのオン抵抗とIDによる電圧VDS2(on)が発生しますが、VDSのHigh電圧に比べて十分小さい場合はゼロとして扱います。これらから、ターンオン時の電力損失は次式(1)で近似計算できます。
\(P_{\mathrm{ton}}\approx\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1(on)}}I_{\mathrm{D2(on)}}t_{\mathrm{on1}}f\)
\(+ \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS1(\text{on})} \left( 2I_{D2(\text{on})} + I_{D3(\text{on})} \right) t_{\text{on2}} f\) (1)
同様にターンオフ時も波形を2分割し、前半部(toff1)はTable1のケース1のVDS1≔0の式を使用し、後半部(toff2)はケース8のID2≔0の式を使用します。Figure 3ではVDS1(off)は前述と同じ理由で電圧が発生しますが、VDSのHigh電圧に比べて十分小さい場合はゼロとして扱います。その結果、ターンオフ時の電力損失は次式(2)で近似計算できます。
\(P_{\mathrm{toff}}\approx\displaystyle \frac{1}{6}V_{\mathrm{DS2(off)}}\left(I_{\mathrm{D1(off)}}+2I_{\mathrm{D2(off)}}\right)t_{\mathrm{off1}}f\)
\(+\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS2(off)}}I_{\mathrm{D2(off)}}t_{\mathrm{off2}}f\) (2)


導通時の電力損失
次に導通時に消費する電力損失を計算します。Figure 4に導通損失を求める波形の例を示します。tonの区間でMOSFETが導通しているため、VDSはMOSFETのオン抵抗とIDの積になります。オン抵抗の値はデータシートを参照します。電力損失はTable 2から波形の形に近いものを選択し、近似式で計算します。
この例ではTable 2のケース1を使用します。MOSFETオン時の導通損失は次式(3)で計算できます。
\(P_{\mathrm{ON}}\approx\displaystyle \frac{1}{3}R_{\mathrm{ON}}\left(I_{\mathrm{D1(ON)}}^2+I_{\mathrm{D1(ON)}}I_{\mathrm{D2(ON)}}+I_{\mathrm{D2(ON)}}^2\right)T_{\mathrm{ON}}f\) (3)
MOSFETがオフ時の電力損失は、Figure 4ではtoffの区間になりますが、MOSFETがオフ時はIDが十分小さいので電力損失はゼロとします。


全損失
MOSFETスイッチング動作時の全電力損失は式(4)が示すように、これまでに算出したスイッチング損失と導通損失の総和になります。
\(P_D = P_{ton} + P_{toff} + P_{ON} \, [\mathrm{W}] \) (4)
なお、Table 1およびTable 2の各ケースに「付録参照」と注記がありますが、付録は各ケースの詳細な計算例です。各計算例は、後述する「波形ごとのスイッチング損失計算例」、および「波形ごとの導通損失計算例」に示します。
計測波形からの電力損失算出例
次に、「波形の直線近似分割による損失計算方法」を使って、計測波形から電力損失を算出する例を示します。
実測したスイッチング波形から、実際に電力損失を算出する例を示します。Figure 5は実測したスイッチング波形で、オン・オフを繰り返している全体像です。波形図上はIDの波形、下はVDSの波形です。この波形を基に、ターンオン(オンへのスイッチング)時、導通時(オン状態)、ターンオフ(オフへのスイッチング)時の3つに分けて損失を求めていきます。

ターンオン時の損失算出
Figure 6はFigure 5のターンオン時の波形を拡大したもので、損失を求めるためにID(上)とVDS(下)を用います。波形の途中で傾きが変わっているため、同じ傾きごとに区間を分割しますが、波形が複雑なため区間の分割は主観的になります。区間ごとに開始電圧と電流、終了電圧と電流、時間を読み取ります。
「波形の直線近似分割による損失計算方法」で示した、Table 1の式(A)に値を代入して損失電力を求めます。以降、Table 1に示した式に則って算出をおこなっていきますので、Table 1を参照しながら読み進めてください。Figure 6の右に、ターンオン時の計算例を示します。ここでは分割した区間をt1からt5としています。

ターンオン時の損失は、最後の式Ptonが示すように、分割した区間t1~t5の各損失の和となります。
導通時の損失算出
Figure 7は導通時の拡大波形です。導通時の損失は同じく、「波形の直線近似分割による損失計算方法」で示したTable 2の式(E)に値を代入して求めます。SiC MOSFETのオン抵抗はデータシートに示されている最大値を使用します。

ターンオフ時の損失算出
Figure 8はターンオフ時の波形を拡大したものです。ターンオフ時の損失はターンオン時と同じくTable 1の式(A)に値を代入して求めます。ここでは分割した区間をt1からt8としています。ターンオフ時の各区間の損失計算結果と、ターンオフ時の損失(Ptoff=各区間の損失合計)を示します。

総合電力損失の算出
総電力損失は次式で求めることができます。式が示す通り、上記で求めたターンオン時損失、導通時損失、ターンオフ時損失の合計になります。
\(P = P_{\mathrm{ton}} + P_{\mathrm{ON}} + P_{\mathrm{toff}} \\
= 114.8 + 16.7 + 63.8 \\
= 195.3 \, \left[\mathrm{W}\right]\)
波形ごとのスイッチング損失計算例
「計測波形からの電力損失算出例」では、実際の測定波形を基に直線近似が可能な範囲で分割して、「波形の直線近似分割による損失計算方法」で示した式の中から該当する式を使って、スイッチング損失と導通損失を計算し全損失を求める例を示しました。
ここからは、「波形の直線近似分割による損失計算方法」のTable 1に示した、直線近似を用いたスイッチング損失計算式すべて、ケース1~9(付録A~I)の計算例を示します。「計測波形からの電力損失算出例」では該当がなかった式によるスイッチング損失計算は、こちらを参照してください。なお、同Table 2に示した直線近似を用いた導通損失計算式による計算例は、別途示しますので併せて参照してください。
波形ごとのスイッチング損失計算例
- ・ケース1:ID上昇、VDS上昇波形時(付録A)
- ・ケース2:ID上昇、VDS一定波形時(付録B)
- ・ケース3:ID上昇、VDS降下波形時(付録C)
- ・ケース4:ID一定、VDS上昇波形時(付録D)
- ・ケース5:ID一定、VDS一定波形時(付録E)
- ・ケース6:ID一定、VDS降下波形時(付録F)
- ・ケース7:ID降下、VDS上昇波形時(付録G)
- ・ケース8:ID降下、VDS一定波形時(付録H)
- ・ケース9:ID降下、VDS降下波形時(付録I)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース1:ID上昇、VDS上昇波形時(付録A)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure A-1に示します。

Figure A-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(A-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D(t) V_{\mathrm{DS}}(t) \, dt\) (A-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)は、Figure A-1の傾きより、式(A-2)と式(A-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}+\displaystyle \frac{I_{D2}-I_{D1}}{t_1}t=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (A-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}+\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS2}}-V_{\mathrm{DS1}}}{t_1}t=V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\) (A-3)
式(A-2)と式(A-3)を、式(A-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)\left(V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\right)dt\) (A-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t+\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^2\right)dt\) (A-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right){+V}_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (A-6)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right){+V}_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t_1^3\right]\) (A-7)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1+\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1\right]\) (A-8)
\(= \left[ \displaystyle \frac{1}{3} (V_{DS1} – V_{DS2})(I_{D1} – I_{D2}) – \displaystyle \frac{1}{2} I_{D1} (V_{DS1} – V_{DS2}) – \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} (I_{D1} – I_{D2}) + V_{DS1} I_{D1} \right] t_1 f\) (A-9)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{V_{DS1}≔0}\) (A-10)
式(A-10)を、式(A-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+0\times I_{D1}\right]t_1f\) (A-11)
\(=\left[-\displaystyle \frac{1}{3}V_{\mathrm{DS2}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}V_{\mathrm{DS2}}\right]t_1f\) (A-12)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS2} (I_{D1} + 2I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (A-13)
・\(\underline{I_{D1}≔0}\) (A-14)
式(A-14)を、式(A-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(0-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(0-I_{D2}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\times0\right]t_1f\) (A-15)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}I_{D2}\right]t_1f\) (A-16)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} (V_{DS1} + 2V_{DS2}) I_{D2} t_1 f \, [W] \) (A-17)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース2:ID上昇、VDS一定波形時(付録B)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure B-1に示します。

Figure B-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(B-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (B-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)は、Figure B-1の傾きより、式(B-2)と式(B-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}+\displaystyle \frac{I_{D2}-I_{D1}}{t_1}t=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (B-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}\) (B-3)
式(B-2)と式(B-3)を、式(B-1)に代入します。
\(P = f \int_{0}^{t_1} \left( I_{D1} – \displaystyle \frac{I_{D1} – I_{D2}}{t_1} t \right) (V_{DS1}) \, dt\) (B-4)
\(= f \int_{0}^{t_1} \left( V_{DS1} I_{D1} – \displaystyle \frac{V_{DS1} (I_{D1} – I_{D2})}{t_1} t \right) dt\) (B-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2\right]_0^{t_1}\) (B-6)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2\right]\) (B-7)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1\right]\) (B-8)
\(= \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} (I_{D1} + I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (B-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{I_{D1}≔0}\) (B-10)
式(B-10)を、式(B-9)に代入します。
\(P = \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} I_{D2} t_1 f \, [W]\) (B-11)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース3:ID上昇、VDS降下波形時(付録C)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから直線近似を用いて、ターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure C-1に示します。

Figure C-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(C-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (C-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)は、Figure C-1の傾きより、式(C-2)と式(C-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}+\displaystyle \frac{I_{D2}-I_{D1}}{t_1}t=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (C-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\) (C-3)
式(C-2)と式(C-3)を、式(C-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)\left(V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\right)dt\) (C-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right){+V}_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t+\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^2\right)dt\) (C-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right){+V}_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (C-6)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right){+V}_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t_1^3\right]\) (C-7)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1+\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1\right]\) (C-8)
\(= \left[ \displaystyle \frac{1}{3} (V_{DS1} – V_{DS2}) (I_{D1} – I_{D2}) – \displaystyle \frac{1}{2} I_{D1} (V_{DS1} – V_{DS2}) – \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} (I_{D1} – I_{D2}) + V_{DS1} I_{D1} \right] t_1 f \, [W]\) (C-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{I_{D1}≔0}\) (C-10)
式(C-10)を、式(C-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(0-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(0-I_{D2}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\times0\right]t_1f\) (C-11)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}I_{D2}\right]t_1f\) (C-12)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} (V_{DS1} + 2V_{DS2}) I_{D2} t_1 f \, [W]\) (C-13)
・\(\underline{V_{DS}2≔0}\) (C-14)
式(C-14)を、式(C-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-0\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}\right]t_1f\) (C-15)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}\right]t_1f\) (C-16)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS1} (2I_{D1} + I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (C-17)
・\(\underline{I_{D1}≔0,V_{DS2}≔0}\) (C-18)
式(C-18)を、式(C-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-0\right)\left(0-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(V_{\mathrm{DS1}}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(0-I_{D2}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\times0\right]t_1f\) (C-19)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}V_{\mathrm{DS1}}\left(-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(-I_{D2}\right)\right]t_1f\) (C-20)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS1} I_{D2} t_1 f \, [W]\) (C-21)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース4:ID一定、VDS上昇波形時(付録D)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure D-1に示します。

Figure D-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(D-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (D-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)は、Figure D-1の傾きより、式(D-2)と式(D-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}\) (D-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}+\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS2}}-V_{\mathrm{DS1}}}{t_1}t=V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\) (D-3)
式(D-2)と式(D-3)を、式(D-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\right)dt}\) (D-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t\right)dt\) (D-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t^2\right]_0^{t_1}\) (D-6)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t_1^2\right]\) (D-7)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\right)t_1\right]\) (D-8)
\(=\displaystyle \frac{1}{2}\left(V_{\mathrm{DS1}}+V_{\mathrm{DS2}}\right)I_{D1}t_1f W\) (D-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{V_{DS1}≔0}\) (D-10)
式(D-10)を、式(D-9)に代入します。
\(P=\displaystyle \frac{1}{2}\left(0+V_{\mathrm{DS2}}\right)I_{D1}t_1f\) (D-11)
\(= \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS2} I_{D1} t_1 f \, [W]\) (D-12)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース5:ID一定、VDS一定(付録E)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure E-1に示します。

Figure E-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(E-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (E-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)はFigure E-1の傾きより、式(E-2)と式(E-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}\) (E-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}\) (E-3)
式(E-2)と式(E-3)を、式(E-1)に代入します。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_{D1} V_{DS1} \, dt\) (E-4)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t\right]_0^{t_1}\) (E-5)
\(= V_{DS1} I_{D1} t_1 f \, [W]\) (E-6)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース6:ID一定、VDS降下波形時(付録F)
スイッチング波形のドレイン-ソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure F-1に示します。

Figure F-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(F-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (F-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)はFigure F-1の傾きより、式(F-2)と式(F-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}\) (F-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\) (F-3)
式(F-2)と式(F-3)を、式(F-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\right)dt}\) (F-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t\right)dt\) (F-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t^2\right]_0^{t_1}\) (F-6)
\(=f\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t_1^2\right)\) (F-7)
\(=f\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\right)t_1\right)\) (F-8)
\(= \displaystyle \frac{1}{2} (V_{DS1} + V_{DS2}) I_{D1} t_1 f \, [W]\) (F-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{V_{DS2} ≔ 0}\) (F-10)
式(F-10)を、式(F-9)に代入します。
\(P=\displaystyle \frac{1}{2}\left(V_{\mathrm{DS1}}+0\right)I_{D1}t_1f\) (F-11)
\(= \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} I_{D1} t_1 f \, [W]\) (F-12)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース7:ID降下、VDS上昇波形時(付録G)
スイッチング波形のドレインソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure G-1に示します。

Figure G-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(C-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (G-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)はFigure G-1の傾きより、式(G-2)と式(G-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}\) (G-2)
\(V_{\mathrm{DS}}\left(t\right)=V_{\mathrm{DS1}}+\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS2}}-V_{\mathrm{DS1}}}{t_1}t=V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\) (G-3)
式(G-2)と式(G-3)を、式(G-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)\left(V_{\mathrm{DS1}}-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}}{t_1}t\right)dt\) (G-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)}{t_1}t-\displaystyle \frac{V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t+\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^2\right)dt\) (G-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (G-6)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t_1^3\right]\) (G-7)
\(=f\left[V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)+V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1+\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1\right]\) (G-8)
\(= \left[ \displaystyle \frac{1}{3} (V_{DS1} – V_{DS2}) (I_{D1} – I_{D2}) – \displaystyle \frac{1}{2} I_{D1} (V_{DS1} – V_{DS2}) – \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} (I_{D1} – I_{D2}) + V_{DS1} I_{D1} \right] t_1 f \, [W]\) (G-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{I_{DS2} ≔ 0}\) (G-10)
式(G-10)を、式(G-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}\left(I_{D1}-0\right)+V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}\right]t_1f\) (G-11)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)I_{D1}-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{\mathrm{DS1}}-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}+V_{\mathrm{DS1}}I_{D1}\right]t_1f\) (G-12)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} (2V_{DS1} + V_{DS2}) I_{D1} t_1 f \, [W]\) (G-13)
・\(\underline{V_{DS1}≔0}\) (G-14)
式(G-14)を、式(G-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+0\times I_{D1}\right]t_1f\) (G-15)
\(=\left[-\displaystyle \frac{1}{3}V_{\mathrm{DS2}}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}V_{\mathrm{DS2}}\right]t_1f\) (G-16)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS2} (I_{D1} + 2I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (G-17)
・\(\underline{I_{D2} := 0, \quad V_{DS1} := 0}\) (G-18)
式(G-18)を、式(G-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)\left(I_{D1}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(0-V_{\mathrm{DS2}}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}\times0\left(I_{D1}-0\right)+0\times I_{D1}\right]t_1f\) (G-19)
\(=\left(-\displaystyle \frac{1}{3}V_{\mathrm{DS2}}I_{D1}+\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}V_{\mathrm{DS2}}\right)t_1f\) (G-20)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS2} I_{D1} t_1 f \, [W]\) (G-21)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース8:ID降下、VDS一定波形時(付録H)
スイッチング波形のドレインソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure H-1に示します。

Figure H-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(H-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (H-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)はFigure H-1の傾きより、式(H-2)と式(H-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (H-2)
\(V_{DS}\left(t\right)=V_{DS1}\) (H-3)
式(H-2)と式(H-3)を、式(H-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)\left(V_{DS1}\right)dt\) (H-4)
\(=f\int_{0}^{t_1}\left(V_{DS1}I_{D1}-\displaystyle \frac{V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t\right)dt\) (H-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{DS1}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2\right]_0^{t_1}\) (H-6)
\(=f\left[V_{DS1}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2\right]\) (H-7)
\(=f\left[V_{DS1}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1\right]\) (H-8)
\(= \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} (I_{D1} + I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (H-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{I_{D2} ≔ 0}\) (H-10)
式(H-10)を、式(H-9)に代入します。
\(P = \displaystyle \frac{1}{2} V_{DS1} I_{D1} t_1 f \, [W]\) (H-11)
波形ごとのスイッチング損失計算例:ケース9:ID降下、VDS降下波形時(付録I)
スイッチング波形のドレインソース間電圧VDSとドレイン電流IDから、直線近似を用いてターンオン時およびターンオフ時の電力損失(スイッチング損失)を求めます。損失計算に用いる波形をFigure I-1に示します。

Figure I-1で表す0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(I-1)に示す電流と電圧積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} I_D (t) V_{DS} (t) \, dt\) (I-1)
ただし、f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)とVDS(t)はFigure I-1の傾きより、式(I-2)と式(I-3)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (I-2)
\(V_{DS}\left(t\right)=V_{DS1}-\displaystyle \frac{V_{DS1}-V_{DS2}}{t_1}t\) (I-3)
式(I-2)と式(I-3)を、式(I-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)\left(V_{DS1}-\displaystyle \frac{V_{DS1}-V_{DS2}}{t_1}t\right)dt\) (I-4)
\(= f \int_{0}^{t_1} \left( V_{DS1} I_{D1} – \displaystyle \frac{I_{D1} (V_{DS1} – V_{DS2}) + V_{DS1} (I_{D1} – I_{D2})}{t_1} t + \displaystyle \frac{(V_{DS1} – V_{DS2}) (I_{D1} – I_{D2})}{t_1^2} t^2 \right) dt\) (I-5)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[V_{DS1}I_{D1}t-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)+V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (I-6)
\(=f\left[V_{DS1}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\displaystyle \frac{I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)+V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{1}{3}\displaystyle \frac{\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)}{t_1^2}t_1^3\right]\) (I-7)
\(=f\left[V_{DS1}I_{D1}t_1-\displaystyle \frac{1}{2}\left(I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)+V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)\right)t_1+\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1\right]\) (I-8)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+V_{DS1}I_{D1}\right]t_1f\ \left[W\right]\) (I-9)
以下の条件での電力損失を求めます。
・\(\underline{V_{DS2}≔0}\) (I-10)
式(I-10)を、式(I-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{DS1}-0\right)\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{DS1}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+V_{DS1}I_{D1}\right]t_1f\) (I-11)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}V_{DS1}-\displaystyle \frac{1}{2}V_{DS1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+V_{DS1}I_{D1}\right]t_1f\) (I-12)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} V_{DS1} (2I_{D1} + I_{D2}) t_1 f \, [W]\) (I-13)
・\(\underline{I_{D2}≔0}\) (I-14)
式(I-14)を、式(I-9)に代入します。
\(P=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)\left(I_{D1}-0\right)-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{DS1}\left(I_{D1}-0\right)+V_{DS1}I_{D1}\right]t_1f\) (I-15)
\(=\left[\displaystyle \frac{1}{3}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)I_{D1}-\displaystyle \frac{1}{2}I_{D1}\left(V_{DS1}-V_{DS2}\right)-\displaystyle \frac{1}{2}V_{DS1}I_{D1}+V_{DS1}I_{D1}\right]t_1f\) (I-16)
\(= \displaystyle \frac{1}{6} (2V_{DS1} + V_{DS2}) I_{D1} t_1 f \, [W]\) (I-17)
波形ごとの導通損失計算例
「波形ごとのスイッチング損失計算例」に続いて、波形ごとの導通損失の計算例を示します。「波形の直線近似分割による損失計算方法」のTable 2に示した、直線近似を用いた導通損失計算式すべて、ケース1~3(付録J~L)の計算例を示します。
波形ごとの導通損失計算例
SiC MOSFET:波形ごとの導通損失計算例:ケース1:ID上昇波形時(付録J)
MOSFETのオン抵抗RONとスイッチング波形のドレイン電流IDから、直線近似を用いて導通時(0-t1)の電力損失を求めます。損失計算に用いる波形をFigure J-1に示します。

Figure J-1では、0-t1の期間でMOSFETが導通しているため、VDSはMOSFETのオン抵抗RONとIDの積になります。
0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(J-1)に示す抵抗と電流の2乗積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} R_{ON} I_D (t)^2 \, dt\) (J-1)
ただし、RON:MOSFETのオン抵抗[Ω]
f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)はFigure J-1の傾きより、式(J-2)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}+\displaystyle \frac{I_{D2}-I_{D1}}{t_1}t=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (J-2)
式(J-2)を、式(J-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}{R_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\right)^2dt}\) (J-3)
\(=f\int_{0}^{t_1}{R_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}^2-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{t_1^2}t^2\right)dt}\) (J-4)
公式に従って積分します。
\(P=fR_{\mathrm{ON}}\left[I_{D1}^2-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{2t_1}t^2+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (J-5)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}^2t_1-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{2t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3t_1^2}t_1^3\right)\) (J-6)
\(P=fR_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}^2t_1-I_{D1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3}t_1\right)\) (J-7)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}^2-I_{D1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3}\right)t_1\) (J-8)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}I_{D2}+\displaystyle \frac{I_{D1}^2-2I_{D1}I_{D2}+I_{D2}^2}{3}\right)t_1\) (J-9)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(\displaystyle \frac{I_{D1}^2-2I_{D1}I_{D2}+I_{D2}^2-3I_{D1}^2+3I_{D1}I_{D2}+3I_{D1}^2}{3}\right)t_1\) (J-10)
\(= \displaystyle \frac{1}{3} R_{ON} (I_{D1}^2 + I_{D1} I_{D2} + I_{D2}^2) t_1 f \, [W]\) (J-11)
SiC MOSFET:波形ごとの導通損失計算例:ケース2:ID一定波形時(付録K)
MOSFETのオン抵抗RONとスイッチング波形のドレイン電流IDから、直線近似を用いて導通時(0-t1)の電力損失を求めます。損失計算に用いる波形をFigure K-1に示します。

Figure K-1では、0-t1の期間でMOSFETが導通しているため、VDSはMOSFETのオン抵抗RONとIDの積になります。
0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(K-1)に示す抵抗と電流の2乗積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} R_{ON} I_D (t)^2 \, dt\) (K-1)
ただし、RON:MOSFETのオン抵抗[Ω]
f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t)はFigure K-1の傾きより、式(K-2)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}\) (K-2)
式(K-2)を、式(K-1)に代入します。
\(P = f \int_{0}^{t_1} R_{ON} I_{D1}^2 \, dt\) (K-3)
公式に従って積分します。
\(P=f\left[R_{ON} I_{D1}^2\right]_0^{t_1}\) (K-4)
\(P= R_{ON} I_{D1}^2 t_1 f \, [W]\) (K-5)
SiC MOSFET:波形ごとの導通損失計算例:ケース3:ID降下波形時(付録L)
MOSFETのオン抵抗RONとスイッチング波形のドレイン電流IDから、直線近似を用いて導通時(0-t1)の電力損失を求めます。損失計算に用いる波形をFigure L-1に示します。

Figure L-1では、0-t1の期間でMOSFETが導通しているため、VDSはMOSFETのオン抵抗RONとIDの積になります。
0-t1の期間における電力損失Pは、一般的に式(L-1)に示す抵抗と電流の2乗積の積分によって算出できます。
\(P = f \int_{0}^{t_1} R_{ON} I_D (t)^2 \, dt\) (L-1)
ただし、RON:MOSFETのオン抵抗[Ω]
f:スイッチング周波数[Hz]
また、ID(t) はFigure L-1の傾きより、式(L-2)で表せます。
\(I_D\left(t\right)=I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t\) (L-2)
式(L-2)を、式(L-1)に代入します。
\(P=f\int_{0}^{t_1}{R_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}-\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}\right)^2dt}\) (L-3)
\(=f\int_{0}^{t_1}{R_{\mathrm{ON}}\left({I_{D1}}^2-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{t_1}t+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{{t_1}^2}t^2\right)dt}\) (L-4)
公式に従って積分します。
\(P=fR_{\mathrm{ON}}\left[{I_{D1}}^2-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{2t_1}t^2+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3t_1^2}t^3\right]_0^{t_1}\) (L-5)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left({I_{D1}}^2t_1-2I_{D1}\displaystyle \frac{I_{D1}-I_{D2}}{2t_1}t_1^2+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3{t_1}^2}t_1^3\right)\) (L-6)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left({I_{D1}}^2t_1-I_{D1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)t_1+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3}t_1\right)\) (L-7)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left({I_{D1}}^2-I_{D1}\left(I_{D1}-I_{D2}\right)+\displaystyle \frac{\left(I_{D1}-I_{D2}\right)^2}{3}\right)t_1\) (L-8)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(I_{D1}I_{D2}+\displaystyle \frac{{I_{D1}}^2-2I_{D1}I_{D2}+{I_{D2}}^2}{3}\right)t_1\) (L-9)
\(=fR_{\mathrm{ON}}\left(\displaystyle \frac{{I_{D1}}^2-2I_{D1}I_{D2}+{I_{D2}}^2-3I_{D1}^2+3I_{D1}I_{D2}+3I_{D1}^2}{3}\right)t_1\) (L-10)
\(= \displaystyle \frac{1}{3} R_{ON} (I_{D1}^{\hspace{0.5em} 2} + I_{D1} I_{D2} + I_{D2}^{\hspace{0.5em} 2}) t_1 f \, [W]\) (L-11)
【資料ダウンロード】 SiCパワーデバイスの基礎
SiCの物性やメリット、SiCショットキーバリアダイオードとSiC MOSFETのSiデバイスとの比較を交え特徴や使い方の違いなどを解説しており、さまざまなメリットを持つフルSiCモジュールの解説も含まれています。
SiCパワーデバイス
基礎編
応用編
- SiC MOSFET : ブリッジ構成におけるゲート-ソース間電圧の挙動
- SiC MOSFET:スイッチング波形から損失を求める方法
- SiC MOSFET:スナバ回路の設計方法 ーはじめにー
- SiC MOSFET:ゲート-ソース電圧のサージ抑制方法
- ドライバーソース端子によるスイッチング損失の改善
- SiC MOSFETゲート-ソース間電圧測定時の注意点:一般的な測定方法
- 最新世代SiC MOSFETを使った損失低減の実証
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