SiCパワーデバイス|応用編

SiC MOSFET:スナバ回路の設計方法 RCスナバ回路の設計

2022.08.30

この記事のポイント

・RCスナバ回路は消費電力PSNBを考慮してCSNBとRSNBを求め、その共振角周波数ωSNBをサージの共振角周波数ωSURGEよりも十分高く設定する必要がある。

前回のCスナバ回路に続いて、RCスナバ回路の設計について説明します。

SiC MOSFET:RCスナバ回路の設計

図7にRCスナバ回路の動作時電流の経路を示します。CSNBは「Cスナバ回路の設計」と同様に式(2)により決定します。RSNBの目安値は、次の式(3)から求めます。

SiC MOSFET:RCスナバ回路の設計。RCスナバ回路の例

  fSW:スイッチング周波数
  VSNB:放電スナバ電圧(VDS_SURGEの0.9倍)

RSNBを決定した後にRSNBで消費される電力PSNBを式(4)で計算し、損失を許容できる抵抗器を選定します。

RCスナバ回路では、式(4)の第二項が追加され、fSWあるいはVHVDCが高いほどRSNBで消費される電力は大きくなるので、PSNBが大きく抵抗の選定が困難な場合は、CSNBの静電容量値を下げて再計算する必要があります。

さらに、RCスナバ回路が十分にサージを吸収するためには、RSNBとCSNBによる共振角周波数ωSNBが、サージの共振角周波数ωSURGEよりも十分高くなければサージを吸収できないので、式(5)に示すRCスナバ回路の共振角周波数ωSNBを確認します。

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