この記事のキーポイント
・LLCコンバータには、インダクタLが2個とコンデンサCによる直列回路が形成されている。
・二次側に使用されているダイオードはZCS動作であるためリカバリー損失は発生しない。
・そのため、順方向電圧VFの低いダイオードを選定すると損失を低減することができる。
1つ目の題目である、「LLCコンバータの基本構成」に関して説明します。
- ■LLCコンバータの基本構成
- ■LLCコンバータの動作の特徴
- ■LLCコンバータの基本動作
- ■LLCコンバータの共振外れに対するMOSFETのリカバリー特性の重要性
LLCコンバータの基本構成
図1にLLCコンバータの基本回路図を示します。LLCコンバータの呼称の由来である、インダクタLrとLm、コンデンサCrにより直列回路が形成されています。Lrは共振用インダクタンス、Lmはトランスの励磁インダクタンス、Crは共振用コンデンサです。
トランスのインダクタンス成分としては、主に励磁インダクタンスLmと漏れインダクタンスLlがありますが、一般的にLLCコンバータではこの漏れインダクタンスLlを共振用インダクタLrとして活用することが多いです。また、二次側に使用されているダイオードに関しては、ZCS動作であるためリカバリー損失は発生しません。そのため、順方向電圧VFの低いダイオードを選定すると損失を低減することができます。