パワーMOSFETとDMOSの関係性を解説

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• 1 パワーMOSFETとは？
• 2 DMOSとは？
• 3 DMOSの特徴を正しく理解することが大切

技術革新によって、小さな面積の中により多くのデジタル回路を集積することができるようになりました。これには、トランジスタの進化が大きく関係しています。

本記事では、初心者の方向けに、MOSFETとはなんなのか、DMOSとの関係性も含めて解説していきます。

パワーMOSFETとは？

MOSFETとは、「Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor」の略で、現在世界で最もよく使われているトランジスタの一種です。基本的には「ゲート」「ドレイン」「ソース」と呼ばれる３つの端子で構成され、制御用の端子であるゲートに電圧をかけることで、ドレインとソース間に流れる電流が増える仕組みになっています。従来よく使われていたバイポーラ型のトランジスタに比べて容易にかつ小さな電力 で、高速なスイッチングが実現可能です。また、温度安定性が高いことも特徴の一つです。

MOSFETは、主に電子回路上のスイッチング素子として、マザーボードやメモリ、CPUなどコンピュータ関連の情報処理基盤にも多く用いられています。

MOSFETのうち、より大きな電流を扱うことを目的として開発・設計されたものはパワーMOSFETと呼ばれ、基本構成としてVDMOSあるいはLDMOSが採用されます。パワーMOSFETはスイッチング電源やDC-DCコンバータなど大きな電流が必要な回路において利用されます。

DMOSとは？

DMOSとは、「Double-diffused MOSFET」の略で、パワーMOSFETに利用されている回路の名称です。縦型（VDMOS）や横型（LDMOS）と呼ばれる構成があり、それぞれ電流の流れる方向によって区別されます。

どちらの構成もゲートに電圧をかけることでソースとドレインの間に「チャネル」が形成され電流が流れます。トランジスタ基板の構成においては素子の並びに違いがあり、LDMOSの場合はN層とP層が横向き、ソースとドレインが基板の上部でゲートを挟んで配置されています。一方でVDMOSの場合はN層とP層が縦向き、ソースが基板上部、ドレインは基板の下部に配置されています。

LDMOSは電流が横方向に流れるため集積化が難しいのに対し、VDMOSは電流が縦方向に流れるため集積化がしやすい特徴があります。また、低い電圧の環境下においてはVDMOSのほうがオン抵抗値を低くできる一方で、高い電圧の環境下においてはLDMOSがVDMOSと同等、ないしはより優れたオン抵抗値を実現することが可能です。

DMOSの特徴を正しく理解することが大切

今回はパワーMOSFETとDMOSについて簡単に紹介しました。パワーMOSFETは大きな電力を必要とする回路に利用されており、代表的な構成としてDMOSが採用されます。

DMOSは電流の流れる向きによって縦型と横型に区別されます。トランジスタにはMOSFETの他にもバイポーラ型や絶縁ゲート型があり、それぞれの特徴から用途にあっているか見極めて利用することが重要です。