モーター|基礎編

ステッピングモーターの構造と基本動作原理

2022.09.22

この記事のポイント

・ステッピングモーターとは、パルス信号に同期して回転角度、回転速度を正確に制御できるモーターで、パルスモーターとも呼ばれる。

・基本的な構造は、コイルが固定されていて永久磁石が回転できるようになっている。

・2相バイポーラのステッピングモーターでは、コイルを1相ずつ順に励磁するとモーターは回転する。

・順を逆に励磁すると逆回転が可能である。

ステッピングモーターとは

パルス信号に同期して回転角度、回転速度を正確に制御できるモーターでパルスモーターとも呼ばれます。位置センサを使用せずにオープンループ制御で正確な位置決めを実現できるので、位置決めが必要になる装置などに広く使われているモーターです。

ステッピングモーターの構造(2相バイポーラ)

以下は、左からステッピングモーターの外観例、内部構造図、構造概念を表した略図です。

ステッピングモーターの構造例(2相バイポーラ)

外観例には、HB(Hybrid:ハイブリッド)型とPM(Permanent Magnet:パーマネントマグネット)型のステッピングモーターを示しました。また、中央の構造図にも同様にHB型とPM型を示しました。

ステッピングモーターは、コイルが固定されていて永久磁石が回転できるようになっています。右側の内部構造概念図は、2相(2組)のコイルを使用しているPMモーター例です。基本的な構造例で、コイルが外側、永久磁石が内側に置かれています。コイルは2相の他に3相、5相など相数の多いタイプもあります。

他の構造をもったステッピングモーターも存在しますが、動作原理(次回)を説明するために基本的な構造のものを示しました。ここでは、基本的にコイルが固定されていて永久磁石が回転できるような構造になっていることを理解してください。

ステッピングモーターの基本動作原理(1相励磁)

ステッピングモーターの基本的な動作原理を、下図を使って説明します。この図の前提は、①~④に状態が変わることを示しています。コイルはコイル1、コイル2がそれぞれ組になっています。そして、電流の矢印は流れる向きを表しています。

ステッピングモーターの基本動作原理(1相励磁)。

  • ・コイル1の左側から電流を流入させ、コイル1の右側から電流を流出させる。
  • ・コイル2には電流を流さない。
  • ・この時、左側コイル1の内側はNに、右側コイル1の内側はSになる。
  • ・よって、中央の永久磁石はコイル1の磁界に引かれ左をS、右をNにして止まる。
  • ・コイル1の電流を止め、コイル2の上側から電流を流入させ、コイル2の下側から電流を流出させる。
  • ・上側コイル2の内側がNに、下側コイル2の内側がSになる。
  • ・永久磁石はその磁界に引かれ、時計回りに90°回転し停止する。
  • ・コイル2の電流を止め、コイル1の右側から電流を流入させ、コイル1の左側から電流を流出させる。
  • ・左側コイル1の内側はSに、右側コイル1の内側はNになる。
  • ・永久磁石はその磁界に引かれ、時計回りにさらに90°回転して停止する。
  • ・コイル1の電流を止め、コイル2の下側から電流を流入させ、コイル2の上側から電流を流出させる。
  • ・上側コイル2の内側がSに、下側コイル2の内側がNになる。
  • ・永久磁石はその磁界に引かれ、時計回りにさらに90°回転し停止する。

このように①~④の順番にコイルに流れる電流を電子回路で切り替えるとモーターを回転させることができます。この例では、1つの切り替えでモーターは90°ずつ回転します。また、あるコイルに電流を流し続けると停止状態を維持し、保持トルクを持たせることができます。ちなみに、コイルに流す電流の順序を逆にすると逆に回転させることができます。

※画像出典
Photo_1:https://www.monotaro.com/ モノタロウ>ステッピングモーター
Photo_2:浅草ギ研>サーボ・アクチュエータ
Fig_1:小型・高分解能・高剛性ハイブリッド型ステッピングモーター、「25□(かく)1.8°」(外形寸法25mm角、ステップ角1.8度)の製品化
Fig_2:https://www.nidec.com/ 2-4-2 クローポール型PMモーター

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