モーター|基礎編
3相全波ブラシレスモーターの構造
2019.09.24
この記事のポイント
・3相ブラシレスモーターのコイルは基板に固定してあり、鉄心に巻かれている。
・コイルは固定で外側を永久磁石(ロータ)が回転する。
・ロータ(磁石)の位置検出にはホール素子を利用するのが一般的。
3相ブラシレスモーターについて、最初は構造について説明します。
3相全波ブラシレスモーターの外観と構造
以下の画像は、ブラシレスモーターの外観と構造の例を示しています。

左側は光ディスク装置のディスクを回すためのスピンドルモーターの例です。コイルは3相×3、計9個取り付けられています。右側はFDD装置のスピンドルモーターの例で、コイルは3相×4、計12個です。コイルは基板に固定してあり、鉄心に巻かれています。
コイル部の右側に置かれているある円盤状の物が永久磁石のロータです。周辺部が永久磁石になっていて、コイル部の中心部にロータの軸を差し込み被せるように取り付け、コイルの外側を永久磁石が囲む形になります。
3相全波ブラシレスモーターの内部構造図とコイル接続等価回路
続いて、内部構造の略図とコイルの接続等価回路を示します。

この内部構造略図は、構造が単純な2極(2つの磁石)、3スロット(3つのコイル)のモーターを例にしています。ブラシ付きの同極、同スロットのモーター構造と似ていますが、コイル側が固定されていて磁石が回転できるようになっています。もちろん、ブラシは存在しません。
この場合のコイルはY字に結線してあり、コイルへの電流供給は半導体素子等を用いて、回転している磁石の位置にあわせて電流の流入と流出を制御します。この例では、その磁石の位置検出にホール素子を利用しています。ホール素子をコイルとコイルの間に配置して、磁界の強さに応じて発生する電圧を検出して位置情報とします。前出のFDD用スピンドルモーターの画像でも、コイルとコイルの間に位置検出用のホール素子があるのがわかると思います(コイルの上側)。
ホール素子はよく知られた磁気センサです。磁界の大きさを電圧の大きさに変換し、磁界の向きを正負で示します。以下は、ホール効果を示した模式図です。

ホール素子は、半導体に電流IHを流し、電流に対し直角に磁束Bが透過する時、電流と磁束との直角の方向に電圧VHが発生する現象を利用したもので、この現象はアメリカの物理学者Edwin Herbert Hallによって発見されたので、Hall(ホール)効果と呼ばれています。発生電圧VHは以下の式で表されます。
VH = (KH / d)・IH・B ※KH:ホール係数、d:磁束透過面の厚さ
式が意味する通り、電流を大きくすると電圧も大きくなります。これを利用して、ロータ(磁石)の位置を検出します。
次回は、動作原理の解説を予定しています。
出典
Photo P60_1 SOLITON 36 SPECIAL REPORT 小型モーターの選定と制御技術 萩野弘司著
Photo P60_2 https://ja.wikipedia.org/ 無整流子電動機
【資料ダウンロード】 3相全波ブラシレスDCモーターと駆動方法の基礎
3相全波ブラシレスDCモータは、ブラシがないため低ノイズで長寿命がメリットです。このハンドブックでは、3相全波ブラシレスDCモータの基礎として、構造、動作原理、位置検出、駆動方法などを解説しています。
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