お役立ち情報が満載 モータドライバ設計のための技術情報サイト

メルマガ登録

基礎知識

基礎編

ブラシ付きDCモータ

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:PWM駆動の原理

ここからは、ブラシ付きDCモータのPWM駆動について説明していきます。DCモータのPWM駆動は、ドライバ電源の消費電力を削減することが可能なので、近年採用が増えている駆動方式です。

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:PWM駆動の原理

PWM(Pulse Width Modulation=パルス幅変調)は、モータ駆動の他にも多く利用されており、DC/DCコンバータやAC/DCコンバータなどの電源の電力変換にも広く利用されています。基本的には、パルスのオンオフによって必要とされる電力を送る方法です。パルスの大きさと周期は一定で、オン時のパルス幅(時間)を調整して送る電力を制御します。出力電圧は、オンとパルス周期の時間比率=デューティ比に該当する平均化された大きさになります。

以下は、ブラシ付きDCモータのPWM駆動原理を示す模式図です。

ブラシ付きDCモータのPWM駆動原理を示す模式図。

モータをモータ記号と抵抗R+インダクタンスL+誘起電圧Ecで表しています。電圧印加時は、モータ電圧Eaがモータの両端に印加されモータ電流Iaが流れます。これに対してオフはモータ端子の両端をショートします。この状態においては電流回生が生じます。コイルのインダクタンスは電流を保持するように働くため、インダクタLと抵抗Rの時定数に対して十分短い周期で電圧印加とモータ両端のショートを繰り返すと一定の電流が流れます。

これをHブリッジで示すと以下のようになります。

Hブリッジによるブラシ付きDCモータのPWM駆動原理を示す模式図

電圧印加時はSW1とSW4がオン、SW2とSW3オフで、モータ電流Iaはグレーの破線で示した流れになります。オフ=モータ両端のショートは、SW2とSW4がオン、SW1とSW3がオフになります。

この場合の電圧波形と電流波形は以下のようになります。

ブラシ付きDCモータのPWM駆動の電流および電流波形。

電圧波形は、モータ印加電圧Eaが一定の繰り返し周期のオン期間印加されて、オフ(モータ両端のショートによる回生)期間は印加されないことを示しています。電流は、1サイクルのオン時に増加、オフ時に減少を繰り返し定常状態になります。このときの平均電流Iaveは、印加電圧Eaにデューティ比mを掛けた値を抵抗Rで割った値になります。単純な例では、Ea=12Vで、mが0.5(デューティ比50%)だとすれば、モータには6Vが与えられることになります。電圧印加時のみ電源から電流が供給されるので、電源の消費電力は減少します。

ここまでは、オフ状態(電流回生)は、モータ両端のショートという方法で話を進めてきました。実は、電流回生の方法は他にもあり、それぞれに検討事項が異なります。次回は他の電流回生方法について説明を予定しています。

キーポイント

  • ・ブラシ付きDCモータのPWM駆動は、電圧印加と電流回生を繰り返す。
  • ・Hブリッジによる電流回生方法は複数ある。