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基礎知識

基礎編

ブラシ付きDCモータ

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:Hブリッジ定電流駆動

ブラシ付きDCモータのPWM駆動にはいくつかの方法があります。今回はHブリッジ定電流駆動について説明します。

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:Hブリッジ定電流駆動

これは、PWMによる定電流駆動の回路例です。一般的なドライバ回路ですが、内蔵のコンパレータを利用してモータ電流のオンオフ制御、つまりPWM制御を行います。

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:Hブリッジ定電流駆動回路例。

パワートランジスタ(MOSFET)のGND側(RNF端子)に接続されている抵抗Rsは電流検出用の抵抗です。内蔵のコンパレータは、このRsに生じる電圧と基準電圧設定端子(Vref)の電圧を比較します。RNF端子電圧がVref電圧を超えるとコンパレータ出力がLになり、電流を供給している電源側のパワートランジスタをオフにします。電流の供給、停止は、正転や逆転などの動作モードによってトランジスタのオンオフ状態が違ってきますが、いずれにしてもモータに電流を流すか流さないかの切り替えを、Vref、Rs、コンパレータで行います。

オフ時間(toff)は、発振器(OSC)の周波数をカウントする方法で設定され、オフの間は電流が回生します。設定したオフ時間を過ぎると、オフにしたパワートランジスタを再度オンにして電流を供給します。この繰り返しより、Vref電圧÷Rs値をピーク電流(Ipeak)とする定電流制御でモータを回すことができます。図にモータ電流、Rs電流、RNF電圧の波形を示します。

注意点としては、回生電流が流れている間はRsに電流が流れないため、電流供給再開時にRsには大きな電流変化が生じ、寄生インダクタンスにより大きい電圧ノイズが発生したり、パワートランジスタの寄生容量を充電する電流が流れVref電圧を超えたりする場合があります。

PWM出力によるブラシ付DCモータの駆動:Hブリッジ定電流駆動の各端子の波形。

この電圧ノイズでパワートランジスタがオフ動作しないように、短時間のブランク時間(tblnk)を設ける必要があります。ブランク時間は、電流のオンオフ時だけではなく、モータの回転状態切り替え時の電圧ノイズでも誤動作しないように設ける必要があります。ブランク時間はドライバICによって最適化されているか、調整が可能になっています。

キーポイント

  • ・HブリッジPWM定電流駆動の1つの方法として、電流検出抵抗によりモータ電流を検出し、コンパレータにより基準電圧と比較をしてPWM制御する方法がある。
  • ・電流検出抵抗には大きな電流変化が生じるためノイズ電圧が発生し誤動作が発生する可能性がある。
  • ・誤動作抑制にはブランク時間を設定する方法がある。