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基礎知識

基礎編

3相ブラシレスモータ

3相全波ブラシレスモータの回転原理

前回の外観と構造に続いて、今回は回転原理を説明します。

3相全波ブラシレスモータの回転原理

ブラシレスモータの回転原理を①~⑥のステップで説明します。わかりやすくするために、永久磁石を円形状から長方形状に簡易化してあります。
3相全波ブラシレスモータの回転原理1~3

3相コイルのうちコイル1が時計の12時方向、コイル2が4時方向、コイル3が8時方向にあり固定されているとする。2極の永久磁石のN極が左に、S極が右にあり、回転できるとする。

コイル1に電流Ioを流入させコイル外側にS極の磁界を発生させる。コイル2、コイル3からIo/2の電流を流出させコイル外側にN極の磁界を発生させる。

コイル2、コイル3の磁界をベクトル合成すると、下向きにN極の磁界が1つのコイルに電流Ioを流したときの0.5倍の大きさで発生することになり、コイル1の磁界と合算すると1.5倍となる。これは永久磁石に対して90°の角度をもつ合成磁界を作るので、最大のトルクを発生することができ永久磁石は時計方向に回る。

回転位置に合わせてコイル2の電流を減らし、コイル3の電流を増やすと、合成磁界も時計回りに回転し、永久磁石も回転していく。

30°回転した状態で、コイル1に電流Ioを流入し、コイル2は電流がゼロになるようにし、コイル3には電流Ioを流出させる。

コイル1の外側はS極に、コイル3の外側はN極になる。ベクトル合成すると1つのコイルに電流Ioを流したときの√3 (≈1.72)倍の磁界が発生する。これも永久磁石の磁界に対して90°の角度をもつ合成磁界を作り時計回り方向に回転する。

回転に合わせてコイル1の流入電流Ioを減らし、コイル2の流入電流をゼロから増やし、コイル3の流出電流をIoになるように増やすと、合成磁界も時計回りに回転し、永久磁石も回転していく。

※各相電流をsin波形とすると、ここでの電流値はIo × sin(π⁄3)=Io × √3⁄2 となる。磁界のベクトル合成で、全体の大きさは1個のコイルに発生する磁界の(√3⁄2)2×2=1.5 倍となる。各相電流がsin波の場合、永久磁石がどの位置であってもベクトル合成された磁界の大きさはコイル1個で発生する磁界の1.5倍で、永久磁石の磁界に対して90°の磁界となる。

さらに30°回転した状態で、コイル1に電流Io/2を流入し、コイル2には電流Io/2を流入し、コイル3からは電流Ioを流出させる。

コイル1の外側はS極に、コイル2の外側もS極で、コイル3の外側はN極になる。ベクトル合成すると1つのコイルに電流Ioを流したときの1.5倍(①と同じ)の磁界が発生する。ここも永久磁石の磁界に対して90°の角度をもつ合成磁界を作り時計回り方向に回転する。

3相全波ブラシレスモータの回転原理4~6

④~⑥

①~③同様に回転する。

このように、順次永久磁石の位置に合わせてコイルへの電流供給を切り替えていくと、永久磁石は一定方向へ回転します。また、電流の向きを逆にして合成磁界の向きを反転させると、反時計回りに回転します。

下図は、上記①~⑥のステップごとの各コイル電流を連続的に示したものです。上記説明の電流の変化と回転の関係が理解できると思います。

3相全波ブラシレスモータの回転と各コイルの電流波形

キーポイント

  • ・3つのコイルの電流の流入・流出により次回を変化させ、ロータを回転させる。