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基礎知識

基礎編

3相ブラシレスモータ

3相全波ブラシレスモータの駆動:センサ付、120度通電リニア電流駆動

ここからは3相全波ブラシレスモータの駆動について説明して行きます。3相全波ブラシレスモータは一般に、制御およびドライブ回路によりモータに通電することで駆動します。通電方式としては、120度通電駆動と正弦波通電駆動があります。それぞれにメリット/デメリットがあります。概略的には、正弦波駆動は制御精度や効率、騒音の面で優れていますが、システムが複雑になりコストも増加します。対して120度通電駆動は制御精度や効率、騒音に関しては正弦波通電駆動に及びませんが、システムはシンプルでコスト面では優位になります。各通電方式の説明をして行きますが、最初はセンサ付、120度通電リニア電流駆動についてです。

3相全波ブラシレスモータの駆動:センサ付、120度通電リニア電流駆動

120度通電駆動は、ハイサイドとローサイドスイッチで構成されるドライバが3相分用意された制御およびドライブ回路で駆動します。以下の120度通電駆動のドライブ回路例と各入出力波形図を参照しながら動作の説明をします。

3相全波ブラシレスモータのセンサ付、120度(矩形波)通電リニア電流駆動回路例

最初に各コイルの電流波形を見てください。各コイルは120度位相がずれた状態で、120度の期間オンしてコイルに電流を流入し、60度の期間オフ、そして120度の期間オンして電流を流出させ、また60度の期間オフというサイクルを繰り返します(縦の破線は30度刻み)。この通電期間が120度であることが120度通電と呼ばれる所以です。

駆動回路のH1P/H1N~H3P/H3Nはホール素子電圧の入力で、ホール素子からの信号を差動で受けます(波形図ホール素子電圧波形参照)。

ホール素子電圧は差動アンプにより矩形化されます(矩形化波形H1~H3参照)。

矩形化波形は次段の論理演算により、各ハイサイドスイッチ(トランジスタ)とローサイドスイッチの駆動信号となり、電流ドライバアンプを介してハイサイド/ローサイドスイッチをドライブします(合成波形M1H/M1L~M3H/M3L、コイル1~3電流波形参照)。

3相全波ブラシレスモータのセンサ付、120度(矩形波)通電リニア電流駆動各波形図

単純には、コイル電流がオフの60度期間はコイル電圧が発生しないことになりますが、実際にはモータが回転しておりコイルに誘起電圧が発生するため、オフ期間に上昇/下降スロープ電圧が発生し、コイル電流がステップで変化(急峻に変化)する点で、矢印で示したスパイクノイズ的な電圧が発生します。

次回は正弦波通電駆動について説明します。

キーポイント

  • ・120度通電駆動は各相が120度ずれながら、120度オン(H)、60オフ、120度オン(L)、60オフを繰り返して駆動する。