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基礎知識

基礎編

3相ブラシレスモータ

3相全波ブラシレスモータの駆動:
モータ印加電圧の最大化

今回は、3相全波ブラシレスモータの正弦波通電駆動において、最大に電圧を印加する手法について説明します。

3相全波ブラシレスモータの駆動:モータ印加電圧の最大化

この波形図は、正弦波通電PWM駆動のPWMを電圧に置き換えて表したもので、電源電圧間を振幅する3相の正弦波(各破線)によりモータ印加電圧VMが印加されることを示しています。

3相全波ブラシレスモータのセンサ付、180度(正弦波)通電PWM駆動。正弦波のままでの駆動波形

波形からも想像は付くと思いますが、正弦波のまま駆動するとVMは電源電圧の になってしまい、単純には13%低い電圧までしか印加できなくなります。モータ駆動において印加電圧の最大化は必須の要求事項になっているのは当然で、実際には正弦波通電駆動では印加電圧を最大化する手法が用いられています。

正弦波通電駆動印加電圧最大化手法 ①

この波形は、正弦波(破線)の下側円弧部分を、他の2つの相の上側に半分ずつ加えたものです(緑矢印)。波形図から見て取れるように、正弦波そのままより大きいVMを印加することができます。

3相全波ブラシレスモータのセンサ付、180度(正弦波)通電PWM駆動。効率化のために、正弦波の下側円弧部分を他の2つの相の上側に半分ずつ加える手法

印加電圧波形が正弦波ではなく歪な波形になりますが、実際にモータに印加される電圧は相間の差電圧で、差電圧が正弦波になるような調整を施し相電流を正弦波にしています。したがって、正弦波通電のメリットである高効率や滑らかさは損なわれません。

正弦波通電駆動印加電圧最大化手法 ②

これは、基本波(破線の正弦波)に三次高調波を加算する手法です。正弦波が台形的な波形になり、こちらも波形図から見て取れるようにより大きいVMを印加でき、相電流は正弦波になります。

3相全波ブラシレスモータのセンサ付、180度(正弦波)通電PWM駆動。効率化のために、基本波の正弦波に三次高調波を加算する手法

駆動方法の原理原則は今まで説明してきたとおりですが、実際の駆動においてはこのような効率改善の手法が用いられていることを覚えておいてください。

キーポイント

  • ・3相全波ブラシレスモータの正弦波駆動において、正弦波そのままで駆動するとモータ印加電圧は電源電圧の0.87倍になってしまう。
  • ・モータ印加電圧最大化のために、2つの手法がある。
    • -正弦波の下側円弧部分を他の2つの相の上側に半分ずつ加えて駆動する。
    • -基本波の正弦波に三次高調波を加算する。