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2020.06.16 熱設計

熱設計とは

電子機器における半導体部品の熱設計

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電子機器の設計では小型化、高効率化、EMC(電磁両立性)対応などが課題になっていますが、近年熱対策がクローズアップされ、熱設計が新たな課題になっています。熱は部品や機器の性能や信頼性、そして安全性に関わるので以前から重要検討事項の1つですが、近年の電子機器に対する要求の変化しており、従来のアプローチを見直す必要が出てきたことから、Tech Webで熱設計を取り上げます。

「電子機器における半導体部品の熱設計」では、基本的に電子機器で使われるICやトランジスタなどの半導体部品を前提にした熱設計の話をします。

熱設計とは

半導体部品には、パッケージ内のチップの温度であるジャンクション(接合部)温度の絶対最大定格Tjmaxが規定されています。設計の際には部品がTjmaxを超えないように、発熱や周囲温度の検討を行う必要があります。そのために使用するすべての半導体部品に関する熱計算を行って、Tjmaxを超えるか超えないか、超えるようなら損失を低減するか放熱を見直すなどの対策を行い、Tjmaxを最大定格内に納めるようにします。端的に言えば、これが熱設計です。

もちろん電子機器には半導体部品だけではなくコンデンサや抵抗、モータなど様々な部品が使われ、それぞれに温度や電力損失に関わる絶対最大定格がありますので、実際には機器を構成するすべての部品の温度に関する最大定格を超えないように設計する必要があります。

設計段階でしっかりした熱設計を行うことの必要性

設計段階でしっかりした熱設計を行って熱に関する対処をしていないと、熱に起因する問題が製品の試作段階や、場合によっては量産の手前で発覚することがあります。熱に限ったことではありませんが、対策は工程が量産に近くなればなるほど時間とコストがかかり、製品出荷が遅れれば機会損失にもつながる大きな問題になります。最悪の場合、市場において問題が起こり、リコールや信用問題に発展しかねません。

熱による問題は、想像したくはありませんが、発煙から発火、火災に至るなど人命に関わる可能性が十分あるので、熱設計は根本的に非常に重要なものです。そのため、初期段階から確実な熱設計が必須になります。

熱設計の重要性が高まっている

近年の電子機器は小型・高性能化の要求が当たり前になっており、そのために高集積化が進んでいます。具体的には部品数が増え、基板上への実装密度も上がり、筐体サイズはギリギリまで小さくなっています。このため、発熱密度は大幅に上昇しています。

最初に認識してほしいのは、技術トレンドの変化によって熱設計は従来よりもシビアになっているということです。先ほど述べたように機器はもちろん部品にも「小型化」と「高機能化」、加えて「デザイン性」が求められ、熱対策は大きな課題になっています。熱設計は機器の信頼性と安全性、そしてトータルコスト削減につながることから、その重要性が高まっています。

Tech Web熱設計では、熱設計の重要性、熱抵抗と放熱、Tjの見積例、熱シミュレーションなどに関する基礎的な内容を予定しています。

キーポイント:

・端的には半導体部品のTjmaxを最大定格内に納めるように設計するのが熱設計。

・設計段階でしっかりした熱設計を行わないと試作段階や量産手前で問題が発覚することがある。

・対策は工程が量産に近くなればなるほど時間とコストがかかり、製品出荷が遅れれば機会損失にもつながる。

・最悪の場合、市場で問題が起こりリコールや信用問題に発展しかねないので、熱設計は根本的に非常に重要。

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