スギケン先生のモーターライブラリー|用語集
用語集 モータ関連用語集 あ・か行
2020.07.16
目次
- ・アイソレータ
- ・アウターロータ、アウターロータモーター
- ・圧電素子 ⇒ ピエゾ素子
- ・アバランシェ降伏
- ・アラゴ(アラゴー)の円盤
- ・暗騒音
- ・アンチワインドアップ ⇒ フィードバック制御
- ・アンペール(アンペア)の法則 ⇒ 右ネジの法則
- ・異音 ⇒ 騒音
- ・位相、位相差
- ・位相同期ループ、位相同期回路 ⇒ PLL
- ・位置決め制御、位置制御(ステッピングモーター)
- ・位置決め制御、位置制御(ブラシレスモーター)
- ・イナーシャ
- ・異方性磁石 ⇒ 配向
- ・イミュニティ
- ・印加
- ・インジウムアンチモン ⇒ ホール素子
- ・インジウムヒ素 ⇒ ホール素子
- ・インダクションモータ ⇒ 誘導電動機
- ・インナーロータ、インナーロータモーター
- ・インバータ、インバータ制御
- ・インピーダンス
- ・渦電流、渦電流損
- ・埋込磁石型 ⇒ IPMモータ
- ・永久磁石
- ・エミッション
- ・エンコーダー
- ・オン抵抗損失 ⇒ パワートランジスタ損失
- ・温度保護、温度保護動作
- ・界磁(かいじ)
- ・回生(かいせい)
- ・回転磁界
- ・回路損、回路損失
- ・かご型 ⇒ 誘導電動機
- ・片側PWM、片側スイッチング
- ・可聴域
- ・過電流保護 ⇒ 電流制限
- ・過熱保護 ⇒ 温度保護
- ・過負荷、過負荷状態
- ・過変調、過変調制御
- ・ガリウムヒ素 ⇒ ホール素子
- ・機械損
- ・帰還、帰還制御 ⇒ フィードバック制御
- ・起電力
- ・起動トルク、起動電流
- ・希土類磁石 ⇒ 永久磁石
- ・逆転ブレーキ
- ・キャリア周波数、キャリア周期
- ・キュリー温度、キュリー点
- ・強磁性体
- ・共振音
- ・強制転流、強制同期
- ・極数(きょくすう)
- ・矩形波(くけいは)、矩形波駆動、矩形波通電
- ・隈取(くまとり)モーター
- ・クロスフローファン ⇒ ファン
- ・クローズドループ制御 ⇒ フィードバック制御
- ・結線
- ・欠相
- ・ゲート定数、ゲート抵抗
- ・ゲートドライバー
- ・減磁
- ・コア
- ・広角波通電 ⇒ 通電
- ・硬磁性体 ⇒ 強磁性体
- ・合成磁界
- ・高調波
- ・効率
- ・コギングトルク
- ・コミュテータ ⇒ 整流子
- ・コモン電流、COM電流
あ行
アイソレーター
ある2点間を絶縁するもののことです。ここでの絶縁とは、電気的に完全に遮断することではなく、電気信号を伝えながら、電気回路としてはつながっていない状態です。
例としては、ゲートドライバのHi/Lo信号の絶縁(レベルシフト)、回転数情報信号(FG信号)の絶縁(回路連鎖破壊の保護)があります。コイルやコンデンサ、フォトカプラを使用して信号伝達をする方式があります。
回路連鎖破壊の保護とは、例えばモーターの駆動回路からの信号出力が5Vであった場合、受け手の回路はそれに見合った耐電圧となっているよね。ここで、駆動回路に異常が発生してその信号線に140Vなどの高電圧が出力されるようなことがあると、受け手側の回路まで破壊してしまう恐れがある。絶縁しているとそれを防ぐことができるんだ。

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アウターローター、アウターローターモーター
内側に巻線、外側にリング状の磁石を含むローター(回転子)を配置した構造のモーター及びそのローター。
シャフトから磁石面までの距離が比較的大きくなるので同サイズのインナーローターのモーターより大きなトルクを得やすくなります(効率が良くなるとは限りません)。
図のように、ローターの外側にファンをつけたファン一体型のものもあります。
アウターローターモーターのステーターコアは外に開いた形になっているので、そのままでも巻線しやすい構造であることもメリットと言えるよ。ここでの「巻線しやすい」とは、導線をティースに巻く工程(巻線工程)において、隣の巻線が邪魔になりにくいことやフライヤー方式での巻線ができる点などだね。

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アバランシェ降伏
半導体のPN接合部に逆方向電圧を印加すると、ある電圧以上で電流が流れだします。これを降伏現象と言い、衝突イオン化によるものをアバランシェ降伏と呼びます。MOS-FETに高電圧が印加されたときにも起こります。この現象によるMOS-FETの破壊をアバランシェ破壊といいます。
アバランシェ降伏は半導体のPN接合部で起こるので、MOS-FETだけでなくIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)やダイオードでも発生するよ。

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アラゴ(アラゴー)の円盤
軸のついた円形の電気伝導体(銅やアルミなど)に磁石を近づけて動かすと、その円盤が磁石について動く現象を指してこう呼びます。アラゴーは実験でこの現象を見つけた人の名前です
銅やアルミのような非磁性体でも円盤が磁石について動きます。これは磁石の移動で円盤を通る磁束が変化し、円盤内に電流が流れることでその電流と磁界の作用でトルクが発生するからです。この現象を使って回るのが誘導電動機(誘導モーター、インダクションモーター)です。
図では「磁石を動かす、導体を磁界が横切り電流が発生」と簡単に説明しているけど、この電流にも2つの説明方法があるね。
1つは、フレミングの右手の法則を使って、磁界に対して伝導体が相対的に左方向に移動することと磁界の向きから、電流が円盤の中心から外側への向きに流れる、という説明。もう1つは、電磁誘導の視点で、磁石が動くと元の位置は磁束が減少し、行く先の位置は磁束が増加する。これに反発する電流が流れる、という説明。
こういった現象にはいろいろな説明方法があるね。

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暗騒音
モーターやモーター搭載機器の騒音を測定する際に、測定する場所に元からある騒音のことです。
この騒音を予め測定しておくことで、測定対象から出ている音かどうかの判断ができます。たとえば、測定室内に電源機器などを持ち込む場合に、その機器の電源を入れた状態(モータは回しません)で暗騒音を確認しておきます。
暗騒音を確認せずにモーターの騒音測定を行い、測定データ(FFT)を確認して「あれ?この音は何?」となることは少なからずあるよ。その場ですぐにモーターの動作をオフして暗騒音を確認すれば、もとからある音だ、と気づくこともあるけど、気づくのが後になると環境が変わって暗騒音の確認ができず測定やり直しになってしまうこともある。なので、騒音の測定時には測定データにおかしいところがないか常に確認しつつ測定をしているよ。

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位相、位相差
周期的な変化をする波形の中で、ある点が1周期の中のどのタイミングにあるかを示す値のことです。単位は度で表し、1周期は360度です。
図のような波形が周期的な変化をする波形です。その左端を0度とすると、たとえば位相150度のところは図の位置になります(図は2周期なので2ヵ所)。
また、2つ以上の波形を比べてズレがあればそれを位相差と言います。図では、Bの位相はAに対して〇〇度遅れている、位相差〇〇度、と表現します。
モーターの電圧や電流の波形の位相差も「度」で表現するけど、その場合の実際の横軸の単位は時間だね。時間と角度の関係は1周期の長さによって変わるから使い分けているんだよ。たとえば信号のタイミングの差の“時間”が重要なら時間で表現し、“1周期のうちのどの程度”の差なのかが重要なら角度で表します。
説明の図では同じ波形形状同士の位相差を書いているけど、違う形でも基準点が決まって(決めて)いればそれを基準に位相差を表現することもできるかな。

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位置決め制御、位置制御(ステッピングモーター)
ステッピングモーターの回転位置(角度)を任意のところに調整、保持するために行う制御です。
制御指令はパルスで行い、そのパルスに応じて通電する巻線を変えてローターを1ステップずつ動かしていきます。入力したパルス数が、ローター位置が動いたステップ数と一致することを使って位置制御を行います。
ステッピングモーターの位置制御は、ローターを任意の絶対位置(角度)に動かす制御ではなく、現在の位置からローターを動かしたい角度(相対角度)だけ動かす制御だね。なので、基準となる位置を決める動作をさせたりするよ。例えば、エアコンの風向きを変える板(ルーバー)は閉じているところを基準にしているね。

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位置決め制御、位置制御(ブラシレスモーター)
ブラシレスモーターの回転位置(角度)を任意のところに調整、保持するために行う制御です。
位置は検出器の情報を参照するのが一般的ですが、参照しない制御も考案されています。
位置の微分は速度、その速度を微分すると加速度、加速度はトルクに比例、の順に計算されるので、位置制御はモーターのトルクを制御することが重要と言えます。
微分や比例がと説明しているけど、位置を動かしたかったら力(トルク)がいるってことで、位置を細かく調整したかったらトルクも制御が必要ということだね。
移動の速度を一定ではなく徐々に加速して減速もゆっくりするようにすることで、始動や停止の際の振動(行き過ぎとかも)を少なくするなど、目的に応じた制御もできるよ。

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イナーシャ
モーターの構造体や負荷体の慣性モーメントのことで、回転していれば回り続けようとする特性、止まっていればその位置にとどまり続けようとする特性です。
モーターでは、イナーシャ(J)と出力トルク(T)、負荷トルク(TL)と角加速度(α)の関係が下記式で表されます。
※イナーシャはIと書かれることもあります。
出力トルク-負荷トルク=イナーシャ×角加速度
(T-TL=J×α)
説明にあるトルクやイナーシャの式から、イナーシャが大きいと角加速度が小さく、イナーシャが小さいと角加速度が大きくなることが分かるね(式の左辺、“出力トルク-負荷トルク”が同じ条件の場合)。
なので、サーボモーターのように俊敏な動作をさせたいモーターでは、ローターのイナーシャを小さくすることも考慮する項目の1つとなっているよ。

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イミュニティ
電磁感受性(Electromagnetic Susceptibility:EMS)のことです。イミュニティ試験では、試験品(供試品)に電磁ノイズを与えた際の誤動作や破壊の状況を確認します。アンテナを使った電波放射やケーブルへのノイズ印加をする放射および伝導イミュニティ試験や、静電気試験などがあります。
電磁妨害(Electromagnetic Interference:EMI)と合わせて電磁両立性(Electromagnetic Compatibility:EMC)と言われます。
与えるノイズの種類や測定方法、耐量、誤動作のOK/NGの判断基準などはモーターが使用される分野によって独自の方法や基準があったりもするのでよく確認しよう。

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印加
電圧や信号を与えること。試験用のノイズや磁界を与える際に使うこともあります。電圧印加、電流印加、パルス印加、ノイズ印加など。
印加はさまざまなところで使える用語だね。電圧をかける、電流を流す、信号を入力する、などは印加するで置き換えられる。
ちなみに、電圧印加は印加する意味になり、印加電圧だと印加する電圧の大きさや状態を意味する用語になるかな。

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インナーローター、インナーローターモーター
外側に巻線、内側に円形の磁石を含むローター(回転子)を配置した構造のモーター及びそのローター。
小型化しやすいこと、発熱源であるコイルが外側にあるので放熱性が良いこと、イナーシャが比較的小さいことなどがメリットとして挙げられます。
モーターの温度が高くなると巻線抵抗値が上がったり磁石特性が変化したりするから温度上昇はなるべく抑えたいんだ。
あと、イナーシャが小さいということは、位置制御や回転数制御を行う場合にメリットとなる。イナーシャ(慣性)が大きいと止めたり急加速させたりが大変だからね。

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インバーター、インバーター制御
直流電圧を任意の周波数と電圧値に変換する回路及びその制御のこと。PWM制御で実現できます。直流電圧だけでなく一定周波数の交流電圧から変換する制御を含める場合もあります。
転じて、モーターの回転数調整制御を示唆することもあります。
交流から直流への整流変換はコンバーターと言います。
商用の交流電源は100Vもしくは200Vで50Hzか60Hzと電圧と周波数が決まっているね。モーターに限らず、この電圧や周波数を調整できる方がメリットとなることも多いからインバーター制御は重宝されているよ。
交流から直流への変換をコンバーター(変換器)としたので、その逆変換だからインバーターと呼ぶようになったんだとか。

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インピーダンス
交流回路での電流の通りにくさを表す値です。
モーター関連では巻線のインピーダンスの大小や、制御回路の入出力端子のインピーダンス(回路構成、プルアップ/ダウン抵抗の有無など)が注目されます。
巻線につながるパワートランジスターが全てオフしている状態をハイインピーダンス(状態)と言います。
トランジスターがオフすると導通がない状態(抵抗値が高い状態)になる。だから全オフをハイインピーダンス状態と言うんだね。
インピーダンスの記号はZ。抵抗はResistanceのR、電力はPowerのPなど頭文字をとっているけど、ImpedanceのIは他に使われていたりするのでまだ使われていないZになったみたいだよ。アドミタンスY(Admittance)やリアクタンスX(Reactance)も同様の理由だね。

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渦電流、渦電流損
鉄板内の磁束量が変化した際に発生する渦状の電流です。この電流による損失を渦電流損と言います。
モーターは、ローターを回すために巻線(コイル)の磁束量を変えていくので、コイルのコアとして使用されている鉄板内では渦電流が発生します。この電流による損失は熱エネルギーとなってコアの温度を上げると言われています。
電流による損失とは、鉄板の抵抗値と電流の二乗の掛け算で算出される電力値だね(P=R・I2)。この電力の計算を、渦電流に関連する定数などを用いた式にすると図の式のようになる。ここで着目すべき点の1つとしては、鉄板厚みtが式の中にあることだね。モーターのコアが薄い鉄板を積層して作られているもの(積層コア)が多いのは、鉄板を薄くすることで渦電流損を下げるといった目的もあるからだよ。

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永久磁石
外部からのエネルギーを受けることなく、比較的長期にわたって磁場が発生する磁石(Permanent Magnet:PM)のことです。エネルギーを受けて磁石となる代表的なものには電磁石があり、モーターはどちらも使用するため必要に応じて区別します。
永久磁石にも種類があり、モーターでは主にフェライト磁石、希土類磁石が用いられています。フェライト磁石は主成分が酸化鉄で、磁力は弱めですが比較的安価です。希土類磁石は希土類元素(レアアース)を用いた磁石です。希土類元素のうち、ネオジムやサマリウム、ジスプロシウム、テルビウムが使われます。磁力は強いですが高価です。
永久磁石の強さや磁束分布などは、モーター性能を左右する重要な特性だ。これらはモーターを駆動するモータードライバーの仕様との相性にも関係してくるので、モーター制御技術者は制御対象のモーターがどんな永久磁石を使用しているか確認したりもするんだよ。
ちなみに、説明文中の外部からのエネルギーは継続的かどうかの観点だね。永久磁石も最初の磁化の時にエネルギーを受けると言えば受けるよ。

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エミッション
電磁妨害(Electromagnetic Interference:EMI)のこと。モーターおよび回路が出す方の電磁ノイズです(受ける方はイミュニティ)。
空間を伝わる放射エミッションとケーブルを伝わる伝導エミッションがあり、電波暗室(外部からの電波を遮断した部屋)で測定します。
測定結果は右図のようなグラフで表され、規格値以下にする必要があります。
EMSと合わせて電磁両立性(Electromagnetic Compatibility:EMC)と言われます。
エミッション試験は、電気/電子機器の信頼性確認項目の1つだね。このエミッションは、モーターの回路基板のレイアウトやパワートランジスターのスイッチングのスピードなどにも影響される。対策が必要になるとそれらを変更することも考えなければならなくなるので、早めに確認しておきたい項目だね。

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エンコーダー
モーターの軸に取り付けて、ローターの角度や速度情報を電気信号で出力する装置です。光学式、磁気式、電磁誘導式(レゾルバ)などがあります。
例として光学式エンコーダー(インクリメンタル型)の構造を示します。スケール(ここでは円盤状)にスリットを設けておき、光源の光を受光してスケールの位置の変化を検出します。出力信号(A相、B相)により右回転、左回転を判断することもできます。また、エンコーダーの絶対位置を示す基準位置信号をZ相信号といいます。
光学式エンコーダーにはインクリメンタル型の他にアブソリュート型があります。
インクリメンタル型は信号線が3本あればOKだけど、Z相の信号がこないと絶対位置が分からないことやノイズで位置を見失うことがある。アブソリュート型は絶対位置がすぐに分かりノイズにも比較的強いけど、位置の分割数に応じて多くの信号線が必要になる(分割数が256なら28で8本)。
エンコーダーについては「モーターの用途と特徴」の記事でも説明しているよ。


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温度保護、温度保護動作
主に、モーターの巻線および回路部品の温度上昇を検知して保護すること、保護するための動作のことです。過熱保護とも言います。
感温素子(サーミスタなど)で温度を検知し、過熱と判断すると巻線への電力供給を止めて温度上昇を防ぎます。
※通常、回路部品や銅線(エナメル線)には使用温度範囲が設定されています

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か行
界磁(かいじ)
モーター分野で、磁場を発生させる磁石となるものを言います。広くは電磁石や永久磁石が使用されるものを指しますが、電磁石を使用するものだけを意味する場合もあります。
ここでの磁場とは、概ね均一の大きさであり、N極とS極を維持するものを指します(右図中の固定子磁石のイメージ)。この磁場中に電機子が入り、トルクを発生させます。
磁場について、「概ね均一の・・・」と書いているけど、ユニバーサルモーターと呼ばれるモーターでは電磁石界磁を交流電圧で作るので大きさも極性も変わるんだ。これは表現が難しいね。磁極が変わると言うと電機子との違いが説明しづらくなる。ただ、元の説明で界磁の役割をイメージできると、磁場の極性が変わったりしても、こっちが界磁の役割を果たす方だね、と分かるようになるかな。

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回生(かいせい)
回転中のモーターが持つエネルギーが電源に戻る現象およびその状態を指してこう呼びます。発電している状態とも言えます。反対に、電源側から電力を供給している状態(通常の駆動状態)は力行(りきこう、りっこう)です。
※回生状態は様々な動作で発生します。図に示すのは一例です。
回生は、永久磁石を使用するモーターにおいて、モーターに印加する電圧よりモーターの誘起電圧が高くなると発生する。
電車や電動自転車は停止時や下り坂などで積極的にこの現象を利用して電力を電線やバッテリーに戻すことをしているよ。ただ、この回生電力を受け取る機能を持たない回路も多い。そのような回路では電源電圧の過剰な上昇が発生することもあるので注意が必要だ。

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回転磁界
図のような3相の巻線(コイル)などにおいて、各相のコイルがつくる磁界の合成磁界の向きが回るように変化する磁界のことです。
各相の磁界(磁束量)の大きさを調整することで合成磁界を回すことができます。3相ブラシレスモーターのコイルに120度矩形波と呼ばれる通電方式で電圧を印加すると、磁界は60度刻みで回っていく回転磁界となります。正弦波通電では回転磁界は滑らかに回ります。
ブラシレスモーターは回転磁界がローターを引きつけて(引っ張って)回っていくイメージだよね。なので、60度ステップで磁界が変化する120度通電よりも、回転磁界が滑らかに変化していく正弦波通電の方がトルクの脈動が小さくて振動/騒音が低くなるんだ。
この回転磁界をローターの位置基準に置き換えた回転軸上で制御する方法もあるよ。

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回路損、回路損失
モーターの損失のうち、回路で消費される電力損失のことです。
モーター巻線に電力を供給するためのトランジスタ(パワートランジスタ)で消費される電力と、制御回路(コントローラー)で消費されるものがあります。それらを合わせていう場合もあれば、区別する場合もあります。
パワートランジスタでの損失には主にスイッチング損とオン抵抗損があり、その合計値となります。コントローラーでの損失は制御電圧と電流で決まります。

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片側PWM、片側スイッチング
図のような構成の上側と下側のパワートランジスタのうち、片方だけをPWM動作(スイッチング動作)させるPWM制御の方法です。上側と下側を相補にPWM動作させる相補PWMと区別するために使用する用語です。
上側だけをPWMさせる場合と下側だけをさせる場合があり、それぞれ上側PWM、下側PWMと呼ぶこともあります。
相補PWMは巻線端子電圧をHiかLoのどちらかに固定することで電位を安定させます。片側PWMはHiかLoのどちらかのみ固定する区間と、上下ともにオフの区間があり、オフの区間では電位が固定されないのが特徴です。
上下ともにオフの区間では電位が固定されないと説明しているけど、例えば実際の駆動中の上側PWMの場合、上側がオンすることによって巻線に流れ始めた電流は、上側がオフしても巻線に流れ続けようとする。このとき、巻線端子は下側のダイオード(MOSFETなら寄生ダイオード)を介してGndに接続されて、巻線に電流が流れるんだ。よって、上側のオフに合わせて下側がオンしたような状態となり電位は固定されるといえるよ。固定されないのは電流が流れていない場合だね。

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可聴域
騒音測定時に使用する周波数域の表現の1つです。人間の耳に聞こえる周波数範囲を指します。可聴周波数範囲は概ね20Hz~20kHzと言われています。
この周波数範囲内に音のピークが発生すると問題となることがあります。
モーターが出す音には要因が複数あって、その違いによりたとえばモーターの回転数などの状態が変わっても音の周波数が変わらない音もあれば、回転数に比例して変わる音もある。音の周波数は聴感(人の耳で実際に聞いた感覚)に影響するので、モーターを扱うなら可聴域など音の周波数に関する知識も必要になってくるんだ。「PWM制御のスイッチング音が聞こえないように可聴域から外した周波数にしてます」なんていうのはよく会話に出てくるよ。

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過負荷、過負荷状態
モーターに想定以上の負荷トルクおよびそのトルクが掛かっている状態です。巻線電流が大きくなることを懸念する場合によく使われます。
印加電圧を予定以上に上げる場合や、ファンを回すモーターでは逆風を想定する場合などに過負荷状態と言われます。モーターのロック(ローターの物理的固定)状態も大きな負荷となりますが過負荷という表現を使わず、ロック状態や固定状態と呼び状態を分けることもあります。
ここでの巻線電流の大きさというのは、電流がモーターの発熱の要因となるから気になるということだね。モーターが回っていない状態はそれを検知して通電を止めることで過熱を抑制できるけど、過負荷状態は通電を止めないこともあるからどの程度発熱するかの確認が必要なんだ。モーターの発熱には、巻線の発熱と回路の発熱があるので両方確認するよ。

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過変調、過変調制御
正弦波通電で印加電圧が頭打ち(頂点Duty100%)したところからそれ以上の電圧を印加したい場合に、印加電圧を矩形波に近づけていくことで電圧を上げていく制御のことです(実際に印加する電圧の上限値は変えません。波形に含まれる正弦波の基本波成分が計算上大きくなります。)。この場合、正弦波波形は乱れます。最大状態をワンパルス制御とも言います。
3相の正弦波通電で印加する電圧を高くしたい場合には、3次の高調波成分を重畳したりする方法や2相変調と言われる方法もよく使われるよね。これらの方法では正弦波波形は乱れないけど、印加できる最大の電圧は図のワンパルスのような波形の方が大きいよ。

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機械損
主にモーターの軸受け部分の摩擦損失と回転部分の風損を合わせた損失です。ブラシ付きモーターではブラシ部分の摩擦も機械損となります。

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起電力
電圧(電流の流れ)を発生させる力、もしくはその発生した電圧のことです。
電圧を発生させるものには、光によるもの(太陽電池)、熱によるもの(ゼーベック効果)、磁束変化によるもの(電磁誘導)、化学変化によるもの(乾電池)などがあります。モーター分野では主に磁束変化によるものを指し、逆起電圧(逆起電力)、誘起電圧(誘導起電力)などと呼びます。
逆起電圧と誘起電圧を使い分けることもあるよ。逆起電圧は、巻線(コイル)に電流を流している状態で通電をオフした時に発生する電圧のこと。通電オフで電流が減り、磁束も減るのでそれに反発する電圧が発生するんだ。誘起電圧は外部磁界(磁束)の変化で巻線(コイル)に発生する電圧のこと。磁束の変化に反発する電圧が発生する。というように発生の原理は同じだけど、発生元を区別している感じかな。

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起動トルク、起動電流
モーターが回転していない状態で巻線に電圧を印加したときのトルクの大きさ、そのときの電流値のことです。
S-T特性とI-T特性のグラフで、回転数がゼロのときのトルク値、及びそのときの電流値といえます。
ブラシレスモーターでは、起動トルク≈最大トルク、起動電流≈モータードライバーが流せる最大電流となることがあるため、モーター及びモータードライバーの特性を示す値として使われます。ただし、モーター逆転時や電流制限機能のしきい値の条件によって示す内容が変わってくるので注意が必要です。
説明文中の最大トルクや最大電流については、巻線に印加する電圧が最大値(Duty=100%)の場合だよ。一般に、S-T特性やI-T特性のグラフには印加電圧の条件が書かれているから確認が必要だね。

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逆転ブレーキ
通常駆動とは逆向きの電圧を巻線に印加し、逆方向のトルクを発生させるブレーキのことです。
例えば図のような3相ブラシレスモーターでの通常駆動中は、印加電圧が誘起電圧より大きく、電流は図のような向きに流れています。そのとき、電磁石(巻線磁界)と永久磁石ローターは図のような位置関係になるので、左回転するトルクが発生し、ローターは左回転します。
逆転ブレーキでは誘起電圧と逆向きの電圧をかけるため、電流の向きが逆、巻線磁界の向きも逆となり、トルクは右回転の向きになります。このトルクはローターの回転方向とは逆向きであるためブレーキとなります。
※図は正弦波通電ですが、矩形波通電でも同様です。

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キャリア周波数、キャリア周期
モーター制御ではPWM制御でのパルスの周波数のこと。PWM周波数ともいいます。

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キュリー温度、キュリー点
永久磁石は温度が上昇すると磁力が下がっていきます。この磁力がゼロとなる温度がキュリー温度です。キュリー温度は永久磁石の材料に依存し変わります。
磁石の特性が温度によって変化するということは頭に入れておいた方がいいね。温度が上り磁力(自発磁化、残留磁束密度)が下がると、モーターの出力を維持するためには巻線に流す電流を増やす必要がある。これはモーターの効率を低下させるし、モーター温度のさらなる上昇にもつながるんだ。モーターの効率を正確に確認する場合には、モーターの温度状態の管理も必要だね。

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強磁性体
世の中の物質はすべて磁性体と言え、そのうち、外部から磁界を与えると磁界と同方向に強く磁気を帯び、その外部磁界がゼロとなった後も磁気が残る物質を強磁性体と呼びます。強磁性体の中で、外部磁界を取り除いても磁気が強く残るものを硬磁性体、ほぼ元に戻るものを軟磁性体と言い、モーターの構成部材の中で永久磁石は硬磁性体でできており、コイルのコアとなる鉄心は軟磁性体の電磁鋼板で作られます。
磁性体には、強磁性体のほかに常磁性体(弱く磁化されるもの、アルミなど)、反磁性体(反対方向に磁化されるもの、強い磁石を近づけると反発する)、反強磁性体(磁化されるが内部で打ち消し合って磁化ゼロに見える)があり、強磁性体の反対として弱磁性体、非磁性体などと呼ばれます。
モーターで使用される永久磁石は磁気の強さを求められるけど、硬磁性体の特徴である「磁気が残る」部分も重要だよ。簡単に磁力が弱くなってしまっては困るからね。反対に電磁鋼板は軟磁性体の特徴である「元に戻る」ことを求められるんだ。戻ってくれないと鉄損に影響するからだよ。

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共振音
物体の固有振動の周波数と外力の変化の周波数が一致した時に物体はより大きな振動を起こします。モーター分野で、固有振動の周波数(共振周波数)とトルク脈動の周波数が一致した時に発生する音を共振音と呼んでいます。
図のようなファンとロータの共振周波数はハンマリング試験で確認できます(図はねじれ方向の共振周波数測定イメージ)。モーターのトルク脈動がその周波数と一致するとその周波数の音が発生します。回転数の変化によりトルク脈動の周波数が変化すると共振音が無くなったようになります。
※説明は共振音の例です。トルク脈動が大きいと共振周波数に関係なく音となることもあります
共振音は図のような負荷(ファン)との共振以外に、モーターが取りつく本体との共振で発生することもある。どちらの共振音も、モーターが特定の回転数になった時に発生する傾向にあるのが特徴。特定の回転数で音が出たら、その倍や半分の回転数にしてみて同じように音が出たら共振を疑おう。

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強制転流、強制同期
ブラシレスモーターで、永久磁石ローターの位置を確認せずに巻線の合成磁界を回してローターを回転させる駆動方式のことです。巻線磁界にローターがついてきていることを期待した制御であるため、回転に必要なトルクに対して出力トルクが足らない場合はローターがついて来ず脱調します。
この駆動方式はセンサレス駆動の始動時(回転開始時)に用いられることがあります。
ブラシレスモーターのセンサレス駆動ではローター位置の把握のために誘起電圧を検出して位置を推定する方式があるけど、ローターが回転していないとその誘起電圧が発生しないよね。そのような場合に、強制同期でローターをある程度の速度で回して誘起電圧を検出できるようにするんだ。検出できるようになったら強制同期での駆動から、ローター位置を把握したセンサレス駆動に移行するってことだね。

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極数
永久磁石を使用したモーターの磁石の極の数です。N極とS極が1つずつなら2極、2つずつなら4極と呼びます。よって、極数は偶数となります。
モーターの極数は、多ければいい、少なければいい、というものではなく、まずモーターの用途によっての最適な数を大まかに決める。これに、物づくりの精度や難易度、モーターの体格(大きさ)なんかも考慮して設計されるよ。
極数の大小はモーター制御にも影響するのでモーターを扱う場合にはそのモーターの極数も把握しておきたいね。

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矩形波(くけいは)、矩形波駆動、矩形波通電
図のような波形を一般に矩形波又は方形波と呼びます。
モーター分野では、矩形波のようにHiとLoの2値の電圧(オフを加えると3つの状態)で通電波形を生成するモーター駆動を、矩形波駆動や矩形波通電と呼びます(ここでの通電波形とは通電角360度が表す波形を指します。また、PWM制御された通電ではその平均電圧の波形です)。
ブラシレスモーターの矩形波駆動には120度矩形波、150度矩形波、180度矩形波などがあります。
図の中の細かいオンオフが示しているのはPWM制御だね。PWM制御での1周期の通電波形も矩形波の形状をしているけど、その部分だけをみて矩形波通電などと表現することはないよ。例えば、PWM制御で正弦波形状を作って巻線に印加したらそれは正弦波駆動(正弦波通電)だね。

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隈取(くまとり)モーター
単相の誘導電動機のうち、始動方法として隈取コイルを使用しているモーターのことです。
隈取コイルが巻かれた部分の磁界を主磁界からずらすことで始動時の回転方向を一方向に決められます。
隈取モーターは永久磁石を使わず、駆動用の回路も必要としないモーターだね。家庭用のAC電源(100V)につなぐだけで回るんだ。
出力が比較的小さいので、小型のファンを回すことに使われているよ。

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結線
一般に、導線をつなげることや配線することです。モーターでは、多相のコイルの端同士を結んでいる部分を結線部と言います。また、つながったコイルの形(図参照)によって、デルタ結線(Δ結線)、スター結線(Y結線)などと呼ぶことにも結線を使用します。

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欠相
巻線の断線やパワートランジスターの故障などにより、巻線に通電できない状態のことです。1相でも複数相でも、電圧をかけられない状態や電流を流せない状態は欠相と言えます。
3相ブラシレスモーターはこの欠相の状態でも回ることがあります。その場合は効率の低下や振動の増加が起こります。
欠相は異常状態であるため、モーター制御には欠相を検出して駆動を停止する機能が求められます。ただ、駆動を止めることが危険であると判断される用途では、異常を検知しつつ回り続けることを要求されることもあります。
3相のブラシレスモーターでは、1相が欠相しても残りの2相が動いていれば単相モーターと同様の原理で回るってことだね。ただし、単相モーターとは構造が違うので単相モーターと同じ特性が得られるということではないよ。

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ゲート定数、ゲート抵抗
MOS-FETを使用する際に指令電圧入力(IN)とゲート端子(G)の間に挿入する抵抗や、コンデンサを含めたその回路定数のことです。
MOS-FETのスイッチングの速度はゲート端子電圧の遷移状態の調整により変えることができます。たとえば、IdやVdsの傾きが大きい場合には、ゲート端子につながる抵抗値を大きくすることで傾きを緩やかにすることができます。
スイッチング速度は、電気的なノイズの発生やスイッチング損失に関係するため、ゲート定数は回路設計時の重要な項目のひとつです。
図の回路はゲート抵抗を並列に使っているね。よく見ると、片方にはダイオードが直列に接続してある。これは、GS間のコンデンサのチャージとディスチャージの時のそれぞれのゲート定数を個別に調整したい場合に使う回路構成の例だよ。たとえばMOS-FETをオフ(コンデンサのディスチャージ)する時のスイッチング速度だけ変えたい場合には上側の抵抗値(ダイオードありの方)を変えればいいんだ。

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ゲートドライバ
パワートランジスター(MOS-FETやIGBTなど)のゲートに電圧を印加する回路のことです。
一般に、パワートランジスターのゲート電圧の制御にはある程度大きめの電流供給が必要であります。また、モーター分野などではゲート制御信号の電圧レベルをハイサイドの基準電位にシフトしなければならないこともあります。
マイコンやモータードライバーICなどのコントローラーにはこの電流供給能力やレベルをシフトする機能が備わっていない物があり、それらのコントローラーとパワートランジスター群をつなぐためにゲートドライバーが用いられます。
ゲートドライバーはその機能を持った単体の製品もあるし、コントローラーやパワートランジスターなどと一緒に1つのパッケージに入ってその役割を果たしているものもあるよ。いずれにしても、いわゆるコントローラー部とパワートランジスター部をつなぐ回路は必要ということだね。

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減磁
永久磁石の磁力(磁束密度)が低下することです。
低下の要因には、外部磁界の影響によるもの、自己の反磁界によるもの、温度によるものがあります。
減磁には、外部要因の状態が戻れば磁力が戻る可逆減磁と、状態が戻っても磁力が元の大きさまでは戻らない不可逆減磁があります。

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コア
モーター分野では、主にステーターやローターの鉄の部分のことです。鉄心と呼ぶこともあります。
ステータコアに巻線をしてステーターとなります。ローターコアに磁石、シャフト、ベアリングなどがついてローターとなります。ただし、ローターには鉄でできたコアがなく樹脂マグネットのみで成形されるものもあります。それもローターコアと呼ぶことがあります。
コアは磁石部分や巻線を形づくる役割だけでなく、永久磁石や巻線(電磁石)の磁束の通り道でもあるよ。この通り道がないと磁力が弱くなってしまうんだ。鉄製のコアがないローターは磁石に厚みがあったりしてちゃんと磁路を形成するように設計されているよ。

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合成磁界
2つ以上の磁界が影響しあう位置にある場合に、その磁界を合わせて1つとして考えた磁界を言います。合成はベクトルで考えます。
3相ブラシレスモーターではステーターの3相のコイルがそれぞれ磁界をつくるので、それを足し合わせた磁界のことを指します。
モーターの回転原理や発生トルクについて理解するには、永久磁石の磁界と巻線がつくる磁界の位置や相対角度を考える必要がある。複数相を持つモーターでは、各相のそれぞれの巻線磁界ごとにそれらを考えられなくもないけど、合成して1つの磁界として扱った方が理解しやすいね。

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高調波
繰り返し信号において、その信号が持つ基本波の周波数の整数倍の周波数の成分(正弦波)のことです。信号が純正弦波であれば高調波は含まれません。3倍の周波数のものを3次高調波、5倍のものを5次高調波などと呼びます。
モーターでは、誘起電圧や巻線電流に高調波が含まれるとトルク脈動が発生するため、その含有率が注目されることがあります。
方形波も複数次の高調波の含有によって構成されています。
正弦波通電では、厳密にいうと10度刻みや2.5度刻みで正弦波状に変化するものがあるね。そういう通電波形には、その刻み幅に相当する高調波が含まれている。たとえば10度刻みなら36分割となるので35次、37次などの成分を含んでいるよ。

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効率
モーターでは、入力電力に対する出力電力の割合のことです。百分率(%)で表します。
入力は電気エネルギーなので、電圧×電流で電力が計算されます。出力は機械エネルギーですが、モーターでは回転数とトルクで電力を算出します。
入力と出力の差の要因は損失です。損失には、モーターでの損失(銅損、鉄損、機械損)と回路での損失(制御回路電力、パワトラ損失)があります。
一般に機械的な出力の計算式は、移動距離と力の掛け算だね。これをモーターのような回転体に当てはめると、回転数×トルク×定数となる。定数は回転体に当てはめたときの換算の数値で、例えば回転数の単位をr/min、トルクをN・mとする場合の定数は0.1047だ。
モーターの出力については「スギケン先生のモータードライバー道場(8話) ブラシレスモーターの効率」にも説明があるよ。

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コギングトルク
永久磁石と鉄心の吸引力によるトルクです。
図はローター磁石とステーター鉄心の例です。ローター磁石から出た磁束は空気中やステーター鉄心を通って磁石に戻ります。この際、ローターは磁束の収まりがよい所(磁気抵抗が小さくなるところ)に留(とど)まろうとします。この位置からローター磁石がずれていると収まりのよい位置に移動しようとする力が発生します。これがコギングトルクとなります。
一般に、コギングトルクはローター1回転で複数回の波が発生します。この回数は極数とスロット数の最小公倍数となります。
コギングトルクは着磁波形が矩形波に近いほど大きく、正弦波に近いと小さくなる傾向にあります。

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コモン電流、COM電流
モーター駆動回路に流れる電流のうち、直流電源に流れる電流のことです。モーターの巻線に流れる電流と区別して使用します。
制御回路の電源と、パワートランジスタの電源が異なる場合など状況に応じてこの用語が指す電流が変わることもあります。電源電流ともいいます。
ここでのコモン電流は、各巻線や制御回路に流れる電流が電源に戻るときの共通経路の電流という意味だね。
ノイズ関連などで使われるコモンモード電流という用語もあるけど、それとは違うよ。

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【資料ダウンロード】 モーター関連用語集
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スギケン先生のモータードライバー道場
- 【第1話】見えちゃった!?モーターの妖精たち
- 【第2話】スギケン現る!スーパーエンジニアへの第一歩
- 【第3話】突如登場!一ノ瀬学にライバル現る!?
- 【第4話】急接近!?二人の新たな共通点
- 【第5話】熱意!一ノ瀬が感じた二宮の想いとは?
- 【第6話】テスト対決!一ノ瀬と二宮の真剣勝負!
- 【第7話】まだこれから!一ノ瀬たちのモータードライバー道場
- 【第8話】初打ち合わせ!リアルな場での教訓
- 【第9話】スーパーエンジニアへの近道!?ユーザーの目線を学ぶ日々
- 【第10話】疑問の先に!エンジニア一ノ瀬の学び
- 【第11話】学びと成長!モーターを回すだけではない仕事
- 【第12話】次のステージへ!スーパーエンジニアへの扉が開く時
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